覚醒
一気に書きました。少しずつ修正を加えていきます。
楽しく書くのが一番ですね
長い思考の果てに和也は再び現実へと戻ってくる。フラッシュバックした光景は和也の今の現実と大きく異なった。
(俺は只普通に過ごしたかっただけなんだ、只普通に......どうしてこうなんだよ、アイツどうして明をあんな目に)
横たわる明の死体を眺めながら和也は言いようの無い不安を抱えていた。
今にも爆発しそうなこの感情を押さえ込もうとする。あるいは開き直ってしまえば楽になったののかもしれない。
(奴は目と鼻の先だ気を抜けば殺される、落ち着け落ち着けよ進藤和也ッ!!)
恐怖が和也に押し寄せ。だが夢にも思えるその光景はあまりにもリアルだった。
「キャハ、キャハッ、ちょっと隠れんぼの趣味はないんだけど〜」
黒いローブを纏った女から見える赤い髪が赤く発光している事に和也は気づく。
(なんだあれ? 髪の毛が光って!?)
女の髪に和也が注目した瞬間、女の髪はウネウネと動き出した。
髪は和也が隠れている物陰に這いよって来る。
(なッッッッッッ!!)
恐怖を感じた和也は物陰から飛び出した。
「はーい カクレンボはこれでおしまいですよ」
表情は読めないが女はうれしそうだった。
「まったく往生際が悪いはねオールドって、コイツもそうだったわ」
そい言うと女は血まみれで横たわる明の頭を行勢いよく蹴った。
「こいつさ他の奴らを殺そうとした時、なんて言ったと思う?」
女はもう既に死んでいる明の頭部を足で何度も蹴り続ける。
「『自分は良いからコイツらは助けて下さい』だってwwwwwwww」
女は蹴り続ける何度も何度も何度も。
「やめろ......ッ!!」
和也は呟いた。
「それで私コイツに言ってやったの、『命乞いできたらアンタだけは助けてあげる』って、まぁ助けてあげる気なんてサラサラ無かったけどねぇぇぇぇ!!」
女はゲラゲラと笑いながら話を続ける。
「でもコイツどんなに痛めつけようが他人の事ばかり、だんだんと可哀想になってきっちゃったから......」
女は一瞬静まり帰った。だがそれは一瞬でしかなかった。
「それで私あまリにも可哀想だったから仕方なくその友達を目の前で一人づつ殺してあげたのぉぉぉぉ!! コイツ泣きながら懇願して来たわ、『たのむ殺さないでくれ、俺の事は好きにして良いから』って」
女はより一層激しく明の顔面を蹴った。
「とっても、とってもキャワイそうだったわ、こんな人が世界に居るのかって疑ったぐらいだったわ」
そして爆発する。
「ウゼェェェーーーーーッ!! 何処の聖者ですかぁぁぁあ? 友情ゴッコなら他でやってろよクズがっっ!! テメーみたいなゴミ虫やローにお願いする権利すら無いわぁぁ!!」
──ッッ──!!!
和也は今までに経験した事の無い感情が己の内側からわき上がってくるのを感じた。恐怖ですくみ上がっていた和也の思考は恐怖の以上の何かで満たされていく。
黒い感情が和也の心を支配していく。
張りつめた糸は次第にもろくなり──
切れる──────。
「このッッ!!! クソヤロォウがぁぁぁぁぁぁ!!!」
和也は女に殴り掛かっていた。
(ニューマン? 亡霊? 関係あるかここでアイツを殴らなきゃ俺は人ですらねぇ)
だが和也の拳は女に触れる事すら出来ずに拒絶される。
女から伸びた髪が和也と女との間に割って入り、壁のように二人の立ちふさがった。
和也の拳はその髪の壁を強く叩く。
ミシッッッ!!
和也の拳が砕けた音だった。
和也が殴った髪の壁はまるで鋼鉄の様に硬質化されていた。
それを強く殴った和也の拳は当然のごとく砕けたのだ。
だが和也苦痛で顔を歪める事は無かった。
痛みは無かった、アクセラレートした和也の思考は目の前の敵にしか向けられていない。
「あはぁッ! 怖わぁーいぃ、貴方さっきまでずいぶんと雰囲気が違うのね」
女の高笑いは続かなかった。
女は見た。女の眼光の先に青白く輝く光を。女は知っているあの光を。
そしてその光は女の前に立っている少年から発せられていた。
その閃光は徐々に、次第にはっきりとその輝きを増していった。
「貴方ッ!? その光はッッ?」
変化光子
ニューマンが能力を行使する際発生される光子。
漲る粒子が物質、環境、細胞などを変化させる。熱い物から熱を奪い凍らせたり、金属を流動化させ形を変えたり、細胞を活性化させ自然治癒能力を高める。
和也の体から溢れ出る大量の光子が和也の思考を加速させ、細胞を活性化して行く。
砕けて青ざめた筈の右手はみるみる内に元の形を取り戻して行く。
「アッ......貴方もまさか.....!?.」
女は驚愕し声を荒げながら言う。
「貴方もッ!! 私と同じニューマンだっていうのッ!!」
そして和也から溢れ出した青白い光子は闇を照らし満たして行く。
和也は思う、死んでもいいと。
コイツをぶっ飛ばすと。
覚悟は決まった、和也は砕けて動かない筈の拳が再び強く握りしめられた。そして胸の内から湧いて来た思いを言葉にする。
「テメーみたいな下衆ヤロー、俺がぶっ潰す」