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不安と異変

第2話 異変と不安

午後16:00

 ヒカリに弁当を貰いなんとか昼食をとれた和也は、その後の授業をすませると家への帰り道を一人で歩いていた。

 鋼鉄で出来た道にに不自然に伸びた人工木が連なる風景がそこには広がっていた。

 昔はコンクリートで道が舗装されていたそうだが、今となってはそれは実用的ではない。

 ここサイトシティーでは道や建物といった物は全て、様々な性質を持つ超合金をベースに作られている。

 超合金には色々な種類があり、磁石の様に磁場を発生させるもの、堅いもの、軟らかいもの、熱いもの、冷たいもの、腐食や腐敗しにくいもの、など様々な種類がある。そこに特殊断熱材やら強化プラスチックなど、色々な技術がを組み合わせられる。

 そして昼にヒカリが言っていた事を思い返していた。ヒカリは冗談と言ったがやはり気になる、それに廊下で聞いた妙な幻聴。

「神の使徒はすぐ側まで迫っているか……」

 と和也が呟くと後ろから男の声が聞こえた。

「おーい和也~」

 声のした方に和也が振り向くと和也と同じ学校の制服を着た赤いバンダナを頭に巻いた茶髪の少年が歩いてきた。

「なんだ明か、今日は部活はいいのか?」

「へへ今日は休みなんだ」

 ”高杉 明”(たかすぎ あきら)和也のクラスメイトでヒカリの次に和也と仲良くなったのが高杉である。高杉曰く頭に巻いている赤いバンダナはトレードマークらしい。サッカー部に所属していてスポーツ全般は何でもできる、見かけによらずすごい奴なのである。

「たまには親友の和也と一緒に帰ろうと思ってな」

「誰が親友だ、誰が」

 和也はすぐさま否定する。

「またまたカズ君たら照れちゃって、かわいい」

「お前に言われるとかなり不快だな」

 そして明は話を勝手に続ける。

「忘れもしないぜ、あの時お前が拾ってくれた消しゴムを......」

「まてまてまて」

 和也は無理矢理回想に入ろうとした明を静止する。

「何だよ!? あと突っ込み入れ方が残念すぎだろ、大丈夫か?』

「うるせぇッ!!」

 全くコイツは別の意味でヒカリ並みに厄介な奴だと和也は思った、明とは帰り道が一緒で今日の様に明の部活が休みの時や、朝練が無い時などよく二人で登校するぐらいで親友と言った仲ではないが、明はどうやら一方的に和也の事を親友と思い込んでるらしい。

 帰り道、和也は明の自分でいって恥ずかしくないのかと思う様な武勇伝を聞かされていると、別れ際突然明は妙な事を口にした。

「ところで知ってるか8番区の廃工場にでる亡霊の噂」

「亡霊?」

 和也は明の突然の問いに不思議に思った。まさかこの2040年に未だに亡霊と言った非科学的な物を信じている奴がいるなんて何時の時代の人間だよと和也は思った。

そもそも”ポルターガイスト”や”心霊写真”といった物は今の時代ニューマンによる無自覚の能力行使で全て説明がつく、もう心霊現象などニューマンの発見と同時に超自然的ものでしかなくなっている。だがだからこそニューマンの科学的解明が今では進められている訳だが……

「出るらしんだよ亡霊が……」

「本気で言ってんのか!?あれは自然現象だろ」

「それでも、こうゆうのってなんか燃えね、そうファンタジーって感じでさ」

「ファンタジーね……」

 明はつくずくどうでも良い事に情熱を注げるや奴だと和也は内心そう思った。明いわく亡霊は赤い髪の女性で深夜になると姿を現し、無くしてしまった自分の死体を探すために彷徨っているということだ。

「今日十一時くらいにクラス奴らとそこへ探索しようって話になってるんだけど、どう和也も一緒に来るか?」

「誘ってくれたのにわりーけど俺そうゆうのに興味ねーんだ」

「そうかそれじゃしかたねーな」

 そう言うと明は少ししょんぼりして自分の家へと帰っていった。まさかこれが明との最後の会話になるとは和也は知るよしもなかった。


午後18:17

 明と別れ家へと帰った和也はベットの上に倒れる様に横になっていた。

(どうしてだろう?)

 柄でもないと思いつつ今日ヒカリが言っていた事を改めて思い出す、ニューマンにより組織された世界を恐怖で震い上がらせる様な大組織”神の使いの教会”彼らは一体何を考えているのだろう。何もしなければこの世界は平和に回り続けるのに、どうして自ら戦いを起こそうとするのか。

 ごくごく平凡な高校生の和也にとっては彼らの事が理解できなかった。それは和也と彼らの住む世界が違うからなのか、ただ単に和也がまだ子供なだけなのか今の和也には知るすべも無かった。

(ニューマンか、そう言えばアイツもニューマンだったな)

 和也は思い出す、自分の記憶に焼き付いた大切な日々の事を。

 そうあれは和也がまだ幼かった時、昔住んでいた町で一人の友達がいた、彼女は何時も明るくて正義感がつよかった。どんな時も笑顔で笑っている奴だった、ソイツの周りにはいつも沢山の友達がいて幸せそうに遊んでいる姿はあの頃の和也にはとても羨ましかった。自分も彼女みたいに成りたいと思った。

 ある日和也は彼女に尋ねた。

『どうしてお前はそんなに幸せでいられるの?』

 すると彼女は笑って答えた。

『幸せはどんな時でも自分の側にあるから、貴方の側にも幸せがあるように』

 あの日の言葉を和也は忘れない、自分を変えてくれた彼女の言った言葉を。

 だがある日彼女は突然いなくなった、別れの言葉も言わずに。

 今彼女は何処で何をしてるのだろう、もう一度会えたのならお礼が言いたい自分を変えてくれた彼女に。

 そして和也は深い眠りへと落ちていく

 

深夜11:00

その時明は後悔していた、なぜ亡霊を探そうと思ったのか。

 明の服は返り血を浴びて赤く染まっていた。だが明の心はそんな事にも気が回らないくらい恐怖と絶望感で圧迫されていた。

 「くそどうなってんだ!」

 分け分からず明は叫ぶ。

 そんな明に影はゆっくりとしかし確実に迫ってきていた。

【フフフ、アナタデサイゴネ】

 明にその影は語りかける。

 「やめろ……やめ……」

 カマイタチに似た鋭い音とともに明の声はそのまま闇の中へと沈んでいった。

【ヤハリニンゲンハミニクイ……】

 影はそう呟くと、冷たい微笑をうかべ言葉を続ける。

【アナタハイッタイドンナヒョウジョウヲミセテクレルノカナ?】

 そこには暗く、深い闇が続いていた。


深夜11時30分

 和也はふと目が覚めた、時刻は十二時を回ろうとしていた。

(俺寝ちまってたのか)

 その後喉が渇いたので水でも飲もうと、キッチンへと向かっていた。

 めぐみはもう寝てしまっていて室内の電気はもう消されていた。和也の家にはめぐみと和也しかいない、父親は仕事で住み込みで働いていてほとんど家に帰ってくる事はないのだ。

 正直父親のことはあまりすきではなかった。

 和也の父、進藤しんどう 和久かずひさはニューマン研究の研究員でそっちの世界では知らぬ者はいないと言うぐらい有名である。そのうえ仕事に対していっさいの妥協がなくついたあだ名が『仕事の鬼』である。ニューマン研究においてどんなにすごくても家族からしたら駄目な父親だと和也は思っている。

 和也は寂しそうに和久の帰りを待っているめぐみの顔を見るたびに心が苦しくなる。和久が帰ってきても交わす言葉は一言二言で和也にとって和久は他人と変わらなかった。

 そんな父の事を考えながら冷蔵庫から500㎖ペット入の水を口にくわえながらテレビのでも見ようかとおもむろに電源を入れた。

 アナウンサーの男の人の顔が妙にこわばって見えた、そして男のアナウンサーは怯えたこえである事を口にした。

「今日午後未明サイトシティー副市長後藤 洋一さん54歳が遺体で発見されました、後藤さんの遺体の側には犯行声明と思われるメッセージが残されており警察は・・・・・・」

 和也は急に飛び込んできたそのニュースが気になりその話を食いつく様に聞いた。そしてアナウンサーは驚愕の事実を口にした。

「犯人と思われる人物は”神の使いの教会”の構成員として警察側は操作を進めています」

 その言葉を聞いた瞬間和也は背筋に凍る者を感じた。

「冗談だろーーーーー」

 そしてさらに和也を驚かせる事実が突きつけられた

「犯人と思われる人物はサイトシティーの八番区内に潜伏していると予測され近隣住民は十分注意して下さい……」

 ---------????

(今なんて言った?8番区だって!!)

 和也は今日そこにいこうと言われた、そう高杉という少年が亡霊探しをするために。

 気がつくと和也は家を飛び出していた、考える暇なんて無い、和也の中で最悪の考えが導きだされたれていた!

 廃工場、亡霊、そしてさっきのニュース和也の中であらゆる情報が交差する。

(ここから8番区まで最短で二十分ちょいか)

「こんな予想ハズレてくれよ!!」

 そして和也は半信半疑の気持ちで8番区廃工場へと向かった。

初心者なので小説としてなりたってないのですが、暖かい目で見守ってくだい(^^)

感想くれたらうれしいです!!

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