卒業、そして…
桜が咲く頃、俺は卒業を迎えた。これで学校の仲間とも会う事もないのか…。
今まで、共に学んだ仲間と、会う事もないなんて…少し寂しいな…。
皆、卒業式の後、飲み会やら打ち上げやら、何かしらの口実を作り集まるらしい。
俺は、これから店に行くんだけどな…。
泣いてるヤツ、笑ってるヤツ…。色んな感情が現れる時…。俺は、平然としていた。
飲み会の誘いはあった。切り返しの早い俺は、『これから仕事場行くからさ…、ごめんね。』って…。今日位はいいじゃん…って、思ったが、最初が肝心とも思っていた。俺は、俺の道を行く!そう決めたんだ!
太一を探していた。なかなか見つからない…。いつもなら太一から声かけてくるんだけどな…。
結局、太一は見つからず諦めて店に向かう事にした。
『司君?』
“ん?”って、俺は振り返る。
そこにいたのは瑞希だった。
彼女は、二年間ずっと同じクラスで席も隣だった。色白の天然少女。おとなしいタイプの女の子で、色々と話の合う子だ!
『どしたの?』
『うん…。司君は、何処のお店かな…って…。』
『俺?駅前の White Care って店だよ?それがどしたん?』
俺は、ニコッと笑いながら答えた。
『ホント?私も、Care グループの Black だよ?』
瑞希は、目をまん丸にし驚いた。そして、嬉しそうな表情で微笑んだ。
Black は、店の内装が White の逆の造りで、少し大人の雰囲気をだしたお店だ。
『そうなんだ!良かった〜!太一も一緒の系列だぞ!店は違うけど!』
俺は、少し嬉しかった。知ってる人がいるってだけで、環境や人間関係って、随分変わるからね。
『もしかして、これから店行くの?』
『行くよ!でも、White のお店、何処かわからない…。』
わからないって…、さっき、駅前って言ったじゃん…。やっぱり…天然…。
『んじゃ、一緒に行こっか?』
『うん!』
嬉しそうだな。瑞希、かなり不安だったんだな…。さっきまで不安が顔いっぱいに出ていた瑞希。不安が晴れたせいか、色白の肌がより一層白く輝いてる気がした。
瑞希と話しながら店に向かう。
『ココを、左に曲がれば店見えるよ!』
瑞希は、分かりやすい癖があり、嬉しい時、楽しい時は、ピョンピョンと跳ねる様に歩き、悲しい時や寂しい時は、足取りが異常に重く感じさせる歩き方をする。面白い子だ。
そして、今の瑞希はピョンピョンと、軽い足取りで店に向かっていた。
左に曲がり歩いていると…
『おい!司、おせえよ!』
太一が、店前で一人騒いでいた。
『遅いって…。』
太一!お前を探してて遅くなったんだろうが…。瑞希と顔を合わせ、急いで向かった。




