面接大作戦
来週には、この学校ともおさらばだ…。嬉しい様な、寂しい様な…。
教室で、太一と話していた。
『太一、まだ店見つかってないのか?ヤバくない?』
今まで、何してたんだ…。普通は就職先を探し、面接をする為に設けられた期間。太一は、休んで遊び惚けてたらしい…。
俺は、太一の肩を叩き、『お疲れ様…。』って…。呆れて物も言えない。
席を立ち、他の仲間の所へ行こうとした。
『司!頼む、俺を見捨てるな!』
太一は、真面目な顔で俺にしがみついた。俺は、その太一の顔を見て、思わず“プッ”って、吹いてしまった。
太一は、“何が可笑しい!”と、言わんばかりの顔をし、俺に訴えた。
『来週には卒業だぞ?何やってたんだよ!』
太一は、何も言えず…。でも、俺の手を離すつもりはなさそうだ。
しょうがない…。とりあえず、俺が働くと決めた店、“White Care ”を、一緒に面接する事にした。
学校も終わり…
ちょうど面接のアポをとっていた。いきなり二人って、大丈夫なのかな…。
ま!俺は大丈夫だろうが…、太一は……まぁ、いいか!
俺の後を付いてくる太一。不安は隠せないようだ。
“忙しくない時間に来てくれ”と、言われてた。
ガラス越しから店内を覗き、暇がどうかをチェックした。
『今がチャンスじゃん?』
太一と、顔を合わせ、いざ突撃!
『こんにちは!面接に伺いました。』
知ってるとは言え、礼儀はわきまえる。社会人としての最低限のマナー。
店内は、良い香りがした。癒やしと少し高級感を目的としたピアノの音色。
『お!よく来たな。』
笑顔で迎えてくれる店長。そして、未来とスタッフ。
ん?って、顔をする店長。
『面接…もぅ一人良いですか?』
俺は、ダメもとで聞いてみた。
太一も、『お願いします。』と、頭を下げお願いした。
『いいよ!』
店長は、ためらいもなく了解した。
俺達は、お互いに顔を見合い微笑んだ。そして、奥のスタッフルームに案内された。
履歴書を渡し、幾つかの質問を受けた。少し、緊迫した雰囲気の中、面接は続く。今までの店長とは違って、真面目な顔をしていた。経営者としては当たり前だが、この先、良いスタッフになるかどうか、やる気があるかどうかを見極めないといけない。
俺は、少し甘く見ていた。余裕をかましていたが、徐々に不安がつのる…。手に汗を握り締めながら話を聞いた。
この“White Care ”は、“Care グループ ”の、本店に当たるらしい。他にも、八店舗の店を構える。高級感を目的とした店、カットだけの店、メンズを対象とした店、あと、ココ、メンズもレディースも両方の店。他にも、育毛やら美容やら…。
幅広くやってる会社みたいだ。
『ハッキリ言っておく!この店に二人は必要ない!どっちかは、他の支店に行ってもらうかもしれないが、それでも良いか?』
『ハイッ!』
俺達は、ハモる様に返事をした。
『んじゃ、卒業したらもぅ一回この店に来てくれ。説明はその時する!期待してるよ。』
店長は、ニコッと微笑み面接を終わらせた。
どうにか採用されたようだ。少し安心した。でも、ココからは甘えが許されない世界だ。
その後も、いつもの様に店長の愚痴が始まった…。さっきまでの緊迫感は何処へ…。太一は、店長の愚痴は初めてだったから結構笑ってたが、俺はしょっちゅう…。たまに未来の事、言ってるような…。
ま!俺は、この店で決まりだろう!未来と一緒に頑張ろう!太一には悪いが、支店で頑張ってね!違う意味で笑ってた…。




