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白い空気  作者: アクア☆
12/21

君の為に…

 夕陽も沈み、薄暗くなってきた。今日一日中河原にいた。心も体もスッキリした気分でアパートに戻った。


 あれ?携帯落ちてる…。玄関の所に無造作に転がってる携帯。行く時に落としたらしい。今思えば、一回も鳴らなかったな…。持ってないんだから鳴るわけないか…。自分でボケて突っ込んだ!


 携帯を拾い、とりあえず開いてみた。


 な!着信が…


 太一×4 未来×2…


 何で、今日に限って…。正直、持って行かなくて良かった…と、思った。


 とりあえず太一だな。未来は、話すと長いから…。


 テュルル…


『何やってんだよ!』


 少し苛立ち気味に話す太一。


『へぇ?ちょっと散歩しに…。どしたん?』


 俺は、マイペースに返事をし、太一が苛立っていてもお構いなし!


『学校休んだからさぁ、デートの事、聞きたくってさ!』


 くだらない事で電話すんなよ…。ため息が思わず…。


『明日、学校行くから。そん時話すよ!んじゃな!』


『おい…


 プッ、プープー…


 面倒だったから切ってやった。携帯代って、結構高い…。バイトと仕送りだけじゃ、ちとキツい。出来るだけ節約していた。それでも、未来だけは…。電話しないと怒る。途中で切ると怒る…。女の話は長すぎる。はぁ〜…。


 テュルル…


 ……。


 あれ?未来が電話に出ない。怒ってるのか…、少し不安だった。あ!仕事か…。


 とりあえず部屋に戻り、テレビをつけ、音楽を流した。


 バラードをこよなく愛する俺は、CHEMISTRY を聴いていた。


 フンフフ〜♪鼻歌を歌いながら洗濯をする。洗剤を入れ、漂白剤を入れ、柔軟剤を入れる。後は、洗濯機にお任せ!


 暇な時間に小説を読んで過ごす。ふと携帯が気になった。未来からは、まだ…。今日、仕事忙しいのかな…。


 洗濯も済ませ、テレビを見ていた。


 もぅ九時か…。 もぅ一回、未来に電話してみた。


 テュルル…


 出ないな。


 なんか、妙な胸騒ぎがする。お店も終わってるよな…。


 胸騒ぎが…、ヤバい…かも!


 俺は、急いで着替え、走って店に向かう。


 ハァ、ハァ…


 九時半前、流石に店はやってなかった。練習かなんかやっるって、自分に言い聞かせていた。それだけに、不安がつのる。


 未来が行きそうな所…!居酒屋だ!


 また、走り出した。


 ガラガラ!


『いらっしゃい!』


 居酒屋のおっちゃんが、笑顔で迎えた。


『おっちゃん!ごめん、ちょっと人探してんだ!』


 俺は、おっちゃんに了解をへて、店の中を探した。


 やっぱいない…。


『おっちゃん!ありがとね、今度ゆっくり来るから!』っと言って、店を出た。


 マジかよ…。何処にいんだよ……!アパートか?未来のアパート…か…。


 ハァ、ハァ…流石に疲れるな…。未来の住むアパートに着いた。あれ?電気が付いてない。


 いない?マジかよ…。俺はバテていた。階段に座り体を休めていた。


 ……。


 寝てるって事、ないよな…。寝てたら思いっきり怒ってやる!


 ドアの前に立ち、チャイムを鳴らす。


 ピンポーン…


 ……。あれ?


 ドアの取っ手を回してみた。…鍵かかってないじゃん…!ヤバい!


 俺は、急いで中に入った。『未来!…未来!』かなり焦っていた。


 電気を付け、辺りを見回す。いないな…。寝室か?


 俺は、寝室に向かおうとした…!その時、寝室の方からパジャマの未来が出て来た。


『いるじゃねえかよ!』


 俺は、思わず怒鳴ってしまった。


『ごめんね?なんか、熱凄くって…。仕事も早退しちゃった…。』


 未来は、フラフラになりながらも、俺に笑顔を振りまく。


 とりあえず、未来をベッドに寝かし、氷水を作り額にのせた。


『熱、どの位あるの?』


 内心、来て良かった…。少し安心した。


『わからない…。体温計どこかいっちゃったぁ…。心配しなくていいよ?』


 未来は、心配かけまいと俺に微笑む。優しいと言うか、バカと言うか…。


 俺は、言葉をなくす。どっから見てもヤバいだろ…。顔が真っ赤で汗も凄い。


『薬は?水分ちゃんと取ってる?』


『……。』


 何もやってないのかよ…。はぁ〜。子供でも、もぅちょっとマシだぞ…。


『ちょっと待ってろ?』


 とりあえず水を飲ませ、俺自身落ち着かせた。


『ちょっとごめんな?』っと、未来のTシャツを触った。


『キャッ!』


『バカ!違うよ…。』


 俺まで顔が赤くなってしまった…。かなり汗かいてんな…。


『これから薬取って来るから、下着とシャツ、着替えとけよ!』


 また、走って俺ん家まで戻り、車に乗って未来のアパートまで向かった。


 薬と栄養をと、バナナとポカリを持ってきた。


『未来?入るぞ!』


 一言、声をかけ部屋に入った。冷たいタオルで未来の顔を拭き、ポカリを飲ませる。


 あ〜、体温計忘れた…。未来の額に手を乗せた。


『あ…、司君の手…気持ちいい…。』


 未来は、目を瞑りニコッと微笑む。


 俺も、優しく微笑み、また氷水の袋を乗せた。


 今日は帰れないな…。俺は、徹夜で看病する事にした。


 未来は、安心したのか目を瞑りながら眠りについていた。


 たまに冷たいタオルを変え、また乗せる。未来の寝顔を見て思う。


 俺、やっぱり未来の事、好きなんだな…。最近、未来の事ばっか考えていた。自分の気持ちって、案外わからないんだな…。改めて思った。もっと、素直に接しよう。


 未来の顔を見ながら、少し幸せを感じていた。



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