トラウマの遊園地
富士急ハイランドをモデルとした作品です。これから行く人は見ない方が良いかもしれません。少し長くなってしまいましたが、良かったら読んでみて下さい。
仲直りした俺達は、未来の休みの日に富士山ハイランドに行く約束をしていた。
そして、今、絶叫マシーンを乗るために並んでいる。
俺は、子供の頃、苦い思いをしていた。絶叫系で意識が飛びそうになったんだ。トラウマってやつかな…。正直、ビビってます。
未来は嬉しそうな表情で、『司君?楽しみだね!』。俺は『そうだね!』って…。口元が引きつっていたに違いない。
一歩、また一歩。徐々に近づいてくる絶叫マシーン。心なしか足が震える。
『なあ未来?やっぱりやめよっか!』
かなり弱気だった。
『ダメだよ?せっかく来たんだもん!』
未来は、ほっぺたを膨らませ、少し上目ずかいで俺を見つめた。
『だよね…。』
覚悟を決めないと…。心なしか心臓が…。
どっからともなく聞こえてくる悲鳴。歩いていると…『ドッドッパッ、ドッドッパッ…』なんじゃこりゃ!なんか、胃が痛い…。
あ…、目の前にマシーンが…。ハイランドで人気の絶叫マシーン。“ドッドッパッ”未来から『これはヤバいよ?』っと、前々から聞かされていた。
ついにマシーンに乗る時がきた…。係員が歩いてくる…。かなり頑丈に固定。シートベルトも締め、万全な体制で望む。
『あの〜、これ苦しいんですけど…。』
俺は、係員に言った。
『安全対策の為、申し訳ありません。』
『はぁ…。』
もぅダメだ…。でも、あの係員、可愛いな…。
崖っぷちにいながらも、お気楽な俺…。ふと未来の方を向いた。………睨んでいた。
『すみません…。痛っ!』
未来に、腕をツネくり返されていた。
『司君!今日は覚悟してね!』
俺は、思わず俯く。安全装置はきつく、未来も怖く、なんかな…。
そうこうしてる間に動き始めた。
『うわぁ…!』
『まだだよ!』
未来は、余裕な表情で待っていた。
スタート地点まで移動するらしい。
ウィィィ…ガシャン…シュゥゥゥ…
3・2・1…
……!
未来が、俺の手を握りしめた。え…!
ドッドッパッ!
未来が俺の手を握りしめた事より、息が出来ない!凄い…スピード!死にそう…。
『うわぁぁぁぁ!』
俺は、目から涙が…。
『きゃぁぁぁ!』
未来も叫んでいた。
俺は、前にあるバーに掴もうとした…未来が手を上げてるんだよなぁ…。俺と手、繋ぎっぱなしなんだよな…。
凄い高さから急降下!
『うわぁぁぁぁ!死ぬ!無理無理無理…ダァァァ…!』
そして、最後の方で“カシャ!”…あれ、何だ?フラッシュがたかれたような…。
とりあえず、一つ目終わった…。
『未来?何だよコレ…。最初っからすげぇ加速じゃん!息はけないんだもんさぁ…!』
『そだねぇ!楽しかったぁ!』
え…!未来をマジマジ見つめた。
『プッ!あははは…!』
未来の頭がボサボサで思わず吹いてしまった。
未来は、いきなり笑い出した俺を見て驚いていたが、その原因に気づき…
『あ〜ん、やだぁ…!』
唇を尖らしながら、鏡を見て急いで直した。
いつまでも笑ってる俺に…
『笑わないの!』
唇を尖らせ、怒りだした。その未来の表情…、可愛いな。俺は、優しく微笑んだ。未来もニコッと微笑んだ。
下に降りると、テレビにいつぱい映されていた。未来が何か探している。
『未来?何してんの?』
未来がテレビを見ていた。俺も一緒に見る事にした。
……!
『あれ?何だコレ!』
俺達が映っていた。それも凄い顔で…。
『未来もすげぇ顔だな!』
『見ないでぇ!』
未来は、俺の背中を押し、その場を後にした。
ドッドッパッに続き、富士山と縦続けに絶叫マシーンを乗った。あまりの絶叫ぶりに足腰がガタガタ…。そこで、少し休憩がてらに昼食をとる事にした。
パラソルのあるベンチに座り、お店で買った食べ物と飲み物を並べた。
ジュースを飲み、クリームパンとトルコのナンでお肉を挟んだサンドイッチを食べた。少しゆっくり、まったりした。
『俺…こうやってまったりした時間好きなんだ。』
未来は、黙って俺の事を見つめて聞いていた。
いつも一人でいるせいか、仲間といる時間、未来といる時間…凄く大事にしたい。
『いつも、未来が傍にいてく……。おほん!』
未来は、シッカリ聞いていたようだ。思わず口がすべってしまったとはいえ、どう誤魔化そうか…。逆にもじもじしてしまった。
『傍に…何?』
未来は、サラッと言う。
『ん?な…何でもない…。』
未来は、ふ〜ん!っていうような顔で見つめる。俺は、その未来の瞳から目をそらし、そっぽ向いた。
『さぁ…次行きましょか…、ね?未来さん!』
『はいはい!』
ニコニコしながらゴミを片付け、少し化粧を直す未来。
女は時間がかかるんだよな…。俺は、待ってる時間、人間観察をしていた。
色んな人がいた。若いカップル、家族、外人さん…。
あんなに肌見せちゃって…。夏だねもぅ…。キョロキョロしながら時間を潰す。
未来と一緒にいる時間。何もしなくても、退屈しない。こんな彼女…欲しいな。
準備も済み、いざ、“ええんでないか”へ…まだ、終わらない地獄への道。
下から見てみた。徐々に上がり、急降下、その時に椅子までローリング。まぁ〜キレのあるマシーンだ事…。行きたくない…。
未来に手を引っ張られ、強力に並ばされる。凄い人気で、平日なのに、二時間待ち…。
未来といると、二時間なんてあっという間だ!気付いたら次に…。あ…、また雄叫びが…。
やっぱりかなりの安全装置!ガッチリ固定!最初はバックで徐々に上がり……
『ダァァァァ!やべぇ!落ちる…!足がぁぁぁぁ…!』
未来も、流石に参ってたな…。頭がやっぱりボサボサで…。その後、北郎の店行って、敷地内うろちょろして…。何だかんだ日が暮れ始めていた。
『最後に記念写真を撮ろうよ!』
未来は、少し疲れたような表情で言う。
水上ボートの所で夕陽をバックに…、カシャ!
ええんでないかの所で…、カシャ!
最後に、ゲートの所で…、カシャ!
車に乗り、帰る。少し切なくなる感じがした。疲れたけど、いざ離れるとなると、少し寂しい。
未来も疲れたのか、助手席で眠ってしまった。
俺は、運転しながら思った。また、こんなふうに未来と二人でいれたらいいな…。今日は、楽しかったよ。ありがとね…。
おでこにそっとキスをした。
眠たい目を擦りながら、コーヒーを飲み帰るのでした。




