もう! 私、ばっかり!
やっぱり、アレが……
俺の気まぐれで、北の森にしたのだが、あまりモンスターが居らず、少々、奥まで来てしまった。
「……居ないね」
「そうだな」
「どうする、ライカ」
「そうだな……と、引っ掛かったぞ!」
「行きましょう!」
「ああ!」
森の奥まで来ても、俺達はモンスターが発見出来ずにいたが、やっと、魔力探知に引っ掛かった場所に向かった。
「準備はどうだ?」
「時間は掛かったが、綺麗にした」
「それなら、本部に連絡する」
「了解。 それまで、状態を維持しておく」
……何か、ヤバい会話をしているな。
多分、綺麗にしたのはモンスターだろうな。
それに本部って……軍事的な工作か?
この状況は危険だな。
冒険者の領分を超えているぞ。
ユリナに撤収のハンドサインを送ると、見事にユリナはテンプレを実行した。
……パキッ!
ユリナは、枯れ木を踏み割った。
「「「「「誰だ!」」」」」
「「……」」
「誰でも構わない」
「そうだな」
「知られたからには死んで貰う」
ユーリ姉ちゃん。 俺、何かしたか?
「……ごめん」
「気にするな」
向こうは5人だから、何とかなる筈だ。
「……風結牢獄」
俺は、ある程度の指向性を持たせて第6位階魔法の「風結牢獄」を放った。
「がっ……」
「ぎぃ……」
「ぐぁ……」
「げっ……」
「ちぃ!」
俺から1番遠い奴が樹上に逃げた……が、逃さん!
「裂風煌弾」
「……がぁ!」
両腕両足を内面から破壊されて樹上から落ちた奴を拘束すると、酸欠死した4人の風結牢獄を解く。
……やはり、身分証は持っていなかったし、何らかの「命令書」等も無かった。
とりあえず、服と靴以外を剥ぎ取ると、俺の「倉庫」に仕舞う。
そして……
「お前らは誰だ?」
「言うと思ったか?」
「いいや。 一応、聞いただけだ」
「無駄な時間だな」
「それでは、さようなら」
「……な!?」
「裂風煌弾」
「ぎっ……」
第5位階魔法の「裂風煌弾」で、最後の1人の頭の中で発動させて始末した。
「どうせ、真偽の判断が出来ないしな」
「そうだね」
そんな訳で、一応聞いたが、どう答えようとも始末する事は決まっていた。
この後は、5人目も処理が終わると適当な場所に大穴を開けて、5人を放り込むと焼却して埋めた。
……俺は考えて、ユリナに話した。
今の所は、ランルーザ辺境伯は、俺達の故郷であるグランフィリアと仲良くやっているが、北の何処かの国が都市ランルーザを攻めて勝ってしまうと、グランフィリアとは仲良くしないかもしれない……と。
「……ランルーザ辺境伯の方が良いわね」
ユリナも同意見みたいだ。
そんな訳で、近辺に「やつら」のアジトが無いか探したら……発見した!
調べてみたが、やはり黒幕的な国に付いては分からず仕舞いだったが、それ以外で「武具」や「素材化されたモンスター」や、普通に「金銭」等が有ったから、それらは回収して「倉庫」に仕舞った後はアジトを破壊した。
この後、俺達は都市に戻ると領主館に向かった。
「どうした?」
「重要な話を持ってきた」
「……分かった。 待っていろ」
俺達の顔を覚えていた門番に話すと察してくれて、上に話を通すみたいで待つ事になった。
……俺達の話を聞いたランルーザ辺境伯は、明日には捜索隊を送り出す事を決めた。
それと押収していた「武具」と「書類系」は全て提供した。
翌日、俺達は南の森に向かった。
「あんな事が有ったのに、北に行くバカはいない」
「そうだよね」
北の森とは違い、普通にモンスターが現れて襲ってくるから、普通に討伐する。
古き良き王道系の主人公なら、協力を申し出て一緒に北の森に行ったかもしれないが、俺達はただの冒険者だからな。
それに、ユリナを危険な目に合わせたくない。
そんな訳で、偶にミリーディア嬢やリリーディア嬢にお茶会に招待されながら、5週間後に辺境の都市ランルーザを後にした。
「ギリギリ足りたね」
「そうだな」
たった1回の乗合い馬車で、アウト判定した俺は、ランルーザ辺境伯に紹介状を書いて貰い、箱馬車のオーダーメイドを買う事にした。
運良く、必要なモンスターを狩る事が出来て安く済んだが、それでもギリギリだった。
……まあ、お金はモンスターや盗賊共を狩れば手に入るけどな。
そんな感じで、御者席に2人座って移動中で傍から見たら若夫婦に見えるかもな。
現にすれ違う人達から「若いわねぇ」とか「お幸せに」とか言われている。
そう言われて、アタフタしているユリナを見ている俺は、ホッコリしていた。
「もう! 私、ばっかり!」
「まあまあ」
そう言いながら、俺はユリナの頭を撫でる。
「……むぅ」
さて、夜明けと同時に出発したお陰で、何とか閉門前に到着した町「ナリハザル」で、馬車込みOKの宿屋を見付けて部屋を取る。
「やっぱり、もう1人必要だな」
「……うん。 そうだね」
夜明け前に出発したのは、途中で野営する危険が有るからだ。
確かに俺達は強いが、不意打ちからの毒矢等に完璧な対処が出来る訳じゃない。
そんな不安から野営を避けたのだが、冒険をしていて野営が出来ないのは、別の意味で危険でもある。
そんな理由から、最低でも仲間を1人増やす必要が有る。
まあ、ユリナの気持ちも分かる。
折角の2人旅に余計な……は分かるが、命の方が優先だ。
「……仕方ないよね」
「ユリナの命の方が大切だからな」
「……うん」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点とブックマークをお願いします。




