表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/61

……やっぱり恋人?

妹の名前は、YouTubeで見た勇者シリーズの彼女から拝借しました。

「GGG」を殿堂入りにした場合、この「灯せ、平和の青信号」が一番のお気に入りです。

 


 とりあえず、冒険者ギルド所蔵の薬草の本から見本を見せて貰った。


「……持っているぞ」

「本当ですか!?」

「ああ」


 俺は、腰のベルトに付けているポーチから出すと見せ掛けて「倉庫」から薬草を出す。


「この薬草だろ?」

「……この薬草です!」


 こんな事もあろうかと的な理由から、薬草系は頭に叩き込んで、見掛けたら採取していた。


「……ありがとうございます!」


 俺に深く頭を下げると彼女は叫んだ。


「チーフ! 急用が出来ましたので早退します!」

「……え!?」


 彼女は、チーフと言われた女性の返答を聞かずに奥へと走っていった。


 そして、チーフと言われた女性が、目が笑っていない素敵な笑顔で、俺の前に来た。


「説明して頂けますか?」


 ……俺は正直に話した。


「……全く、もう。 10日間のトイレ掃除で我慢してあげましょう」


 1週間じゃない所に、チーフの怒りを感じるな。


「何か?」

「いいえ!」


 だから、何故気付く!


 彼女が受付嬢としてカウンターに立ったのは3日後の事だったが、ソフィア達に説明したら、あっさりと通いの許可が出たのは驚いた。


「やっぱり、10日間は長いです~」

「理由が何であれ、自分勝手に3日間も休んだ罰ですからね」

「チーフ~」

「や・り・な・さ・い」

「……はい」


 チーフとの業務連絡が終わったところで、俺は受付嬢に声を掛けた。


「やあ」

「……貴方は! ありがとうございます!

 あの薬草のお陰で完治しました!

 心から感謝しています!」

「それは良かったな」

「それでは……」

「待てや! 報酬は?」

「……チッ! 覚えていたか」

「おい!」

「冗談です」

「冗談に聞こえないな」

「本当ですって!」

「それなら報酬を期待していいな?」

「勿論です!」

「その報酬は?」

「私と妹の手料理です……は冗だ……」

「良し! 受け取った!」

「……本気ですか?」

「そうだが?」

「……何故?」

「Sランク冒険者は金を持っている」

「……そういう事ですか。 確かに、私以上の女性なんて幾らでも居ます」

「そういう事だ。 だから、金では買えない方が価値が高い」

「……分かりました。 見栄まで、Sランク冒険者のライカさん」

「それで何時いつだ?」


 察せられたが、無視して話を進めた。


「明日の午後4時、冒険者ギルドに来てください」

「分かった」

「それと私の名前はマリーです」


 翌日の午後4時前に、冒険者ギルドに到着すると、マリーは絡まれていた。


「だから、予定がありますからお断りします」

「なあ。 そんな予定なんか無視して、オレと食事に行こうぜ」

「なんと言われようとお断りします」

「オレは、冒険者登録して3週間でFランクになった有望株だぜ。

 オレと仲良くなるのは、冒険者ギルドの受付嬢としても得になる事だぜ?

 だから、なあ!」

「何度言われようと答えは変わりません。

 お断りします」


 マリーが俺に気付いた。


「ライカさん、待っていましたよ」

「済まないな、待たせて」

「全くですよ。 お陰で絡まれたんですからね」

「そうか」


 此処で、Fランク冒険者が正気を取り戻した。


「待てよ。 彼女はオレが先に声を掛けたんだ。

 後から来た奴が、前に出て来るんじゃねえよ」


 ……はぁ。


「彼女と約束したのは昨日で、お前は今だろう?

 どっちが後になるんだ?」


 周りも「そりゃあそうだ」とか「ダサい」とか好き勝手に本人に聞こえる様に言っている。


「……この!」


 短絡的な判断で暴力で来たが、助かった。

 口だと、もう少し時間が掛かるからな。


「……ふん!」


 そんな訳で、見事なテレフォンパンチからの一撃を、軽く躱して腹パンを決める。


「……ぐはっ!」


 ……7……8……9……10カウント確定。


「さあ、行こうか」

「ええ」


 俺は貴族みたいに左肘を出すと、察したマリーも悪ノリして俺の左肘に手を添えた。


 ……マリー達の自宅に到着した。


「お姉ちゃん、お帰り!」

「ただいま」

「……やっぱり恋人?」

「違うわよ」

「でも……」


 そう言えば貴族繋がりをしたままだったな。


「ちょっとした悪ノリだよ」

「そうよ」

「本当に?」

「ああ」

「本当よ」

「……お姉ちゃんに、春が来たと思ったのになぁ」

「マリー!」

「初めまして。 お姉ちゃんの妹のサリーです」

「初めまして。 冒険者のライカだ」


 この後、2人が用意した手料理に舌鼓をした。


「昨日のお姉ちゃん、嬉しそうにライカさんの事を話していたの。

 それで、恋人だと思ったら、お姉ちゃんは違うって言うし、どっちだろうと思ったの。

 本当のところはどうなの?」

「マリーは魅力的な女性だが、故郷には待っている人が居るからな」

「……そっか。 残念」

「手料理、美味しかったよ。 ご馳走様」

「「お粗末様です」」

「じゃあ」

「明日も冒険者ギルドに来られますか?」

「いや。 此処には遠征で来たようなもんだからな」

「……分かりました。 玄関まで見送ります」

「ありがとう」


 玄関の扉を開け、外に出ると……


「ライカさん!」

「……!」


 マリーが俺を呼ぶと、左頬に温かくて柔らかいモノが触れた。


「本当のお礼です」

「確かに受け取った」

「ライカさん。 本当にありがとうございます」


 俺は、格好つけて後ろを振り返らずに、その場を後にした。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ