……やっぱり恋人?
妹の名前は、YouTubeで見た勇者シリーズの彼女から拝借しました。
「GGG」を殿堂入りにした場合、この「灯せ、平和の青信号」が一番のお気に入りです。
とりあえず、冒険者ギルド所蔵の薬草の本から見本を見せて貰った。
「……持っているぞ」
「本当ですか!?」
「ああ」
俺は、腰のベルトに付けているポーチから出すと見せ掛けて「倉庫」から薬草を出す。
「この薬草だろ?」
「……この薬草です!」
こんな事もあろうかと的な理由から、薬草系は頭に叩き込んで、見掛けたら採取していた。
「……ありがとうございます!」
俺に深く頭を下げると彼女は叫んだ。
「チーフ! 急用が出来ましたので早退します!」
「……え!?」
彼女は、チーフと言われた女性の返答を聞かずに奥へと走っていった。
そして、チーフと言われた女性が、目が笑っていない素敵な笑顔で、俺の前に来た。
「説明して頂けますか?」
……俺は正直に話した。
「……全く、もう。 10日間のトイレ掃除で我慢してあげましょう」
1週間じゃない所に、チーフの怒りを感じるな。
「何か?」
「いいえ!」
だから、何故気付く!
彼女が受付嬢としてカウンターに立ったのは3日後の事だったが、ソフィア達に説明したら、あっさりと通いの許可が出たのは驚いた。
「やっぱり、10日間は長いです~」
「理由が何であれ、自分勝手に3日間も休んだ罰ですからね」
「チーフ~」
「や・り・な・さ・い」
「……はい」
チーフとの業務連絡が終わったところで、俺は受付嬢に声を掛けた。
「やあ」
「……貴方は! ありがとうございます!
あの薬草のお陰で完治しました!
心から感謝しています!」
「それは良かったな」
「それでは……」
「待てや! 報酬は?」
「……チッ! 覚えていたか」
「おい!」
「冗談です」
「冗談に聞こえないな」
「本当ですって!」
「それなら報酬を期待していいな?」
「勿論です!」
「その報酬は?」
「私と妹の手料理です……は冗だ……」
「良し! 受け取った!」
「……本気ですか?」
「そうだが?」
「……何故?」
「Sランク冒険者は金を持っている」
「……そういう事ですか。 確かに、私以上の女性なんて幾らでも居ます」
「そういう事だ。 だから、金では買えない方が価値が高い」
「……分かりました。 見栄まで、Sランク冒険者のライカさん」
「それで何時だ?」
察せられたが、無視して話を進めた。
「明日の午後4時、冒険者ギルドに来てください」
「分かった」
「それと私の名前はマリーです」
翌日の午後4時前に、冒険者ギルドに到着すると、マリーは絡まれていた。
「だから、予定がありますからお断りします」
「なあ。 そんな予定なんか無視して、オレと食事に行こうぜ」
「なんと言われようとお断りします」
「オレは、冒険者登録して3週間でFランクになった有望株だぜ。
オレと仲良くなるのは、冒険者ギルドの受付嬢としても得になる事だぜ?
だから、なあ!」
「何度言われようと答えは変わりません。
お断りします」
マリーが俺に気付いた。
「ライカさん、待っていましたよ」
「済まないな、待たせて」
「全くですよ。 お陰で絡まれたんですからね」
「そうか」
此処で、Fランク冒険者が正気を取り戻した。
「待てよ。 彼女はオレが先に声を掛けたんだ。
後から来た奴が、前に出て来るんじゃねえよ」
……はぁ。
「彼女と約束したのは昨日で、お前は今だろう?
どっちが後になるんだ?」
周りも「そりゃあそうだ」とか「ダサい」とか好き勝手に本人に聞こえる様に言っている。
「……この!」
短絡的な判断で暴力で来たが、助かった。
口だと、もう少し時間が掛かるからな。
「……ふん!」
そんな訳で、見事なテレフォンパンチからの一撃を、軽く躱して腹パンを決める。
「……ぐはっ!」
……7……8……9……10カウント確定。
「さあ、行こうか」
「ええ」
俺は貴族みたいに左肘を出すと、察したマリーも悪ノリして俺の左肘に手を添えた。
……マリー達の自宅に到着した。
「お姉ちゃん、お帰り!」
「ただいま」
「……やっぱり恋人?」
「違うわよ」
「でも……」
そう言えば貴族繋がりをしたままだったな。
「ちょっとした悪ノリだよ」
「そうよ」
「本当に?」
「ああ」
「本当よ」
「……お姉ちゃんに、春が来たと思ったのになぁ」
「マリー!」
「初めまして。 お姉ちゃんの妹のサリーです」
「初めまして。 冒険者のライカだ」
この後、2人が用意した手料理に舌鼓をした。
「昨日のお姉ちゃん、嬉しそうにライカさんの事を話していたの。
それで、恋人だと思ったら、お姉ちゃんは違うって言うし、どっちだろうと思ったの。
本当のところはどうなの?」
「マリーは魅力的な女性だが、故郷には待っている人が居るからな」
「……そっか。 残念」
「手料理、美味しかったよ。 ご馳走様」
「「お粗末様です」」
「じゃあ」
「明日も冒険者ギルドに来られますか?」
「いや。 此処には遠征で来たようなもんだからな」
「……分かりました。 玄関まで見送ります」
「ありがとう」
玄関の扉を開け、外に出ると……
「ライカさん!」
「……!」
マリーが俺を呼ぶと、左頬に温かくて柔らかいモノが触れた。
「本当のお礼です」
「確かに受け取った」
「ライカさん。 本当にありがとうございます」
俺は、格好つけて後ろを振り返らずに、その場を後にした。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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