そういう訳にはいかないわ!
変化球って難しいな。
……入る時にちょっとした騒動になった。
原因は……クリムだ。
身体が一般的な軍用馬の倍は有るからなぁ。
クリムの首に括ってあった冒険者ギルド発行の従魔用のスカーフとソフィアの身分証が無ければ、後3時間は足止めを喰らっていたな。
街に入った後は、周りの視線を集めながらクリムも泊めれる宿屋に向かった。
「流石は街一番の宿屋だな」
「まあまあね」
「そうね」
「まあ、良いでしょう」
「そうですね」
「キャン!」
流石の街一番の宿屋も、王女や公爵令嬢に、その専属侍女から見れば、ギリギリの合格点の様だな。
「さて。 今日の予定だが……」
4人の視線が俺に集まる。
「今日は旅の疲れを取る為に宿屋で過ごす。
明日は、旅に必要な物資を購入して、明後日には街から出発する」
「問題無いわ」
「異議なしよ」
「「承知しました」」
俺達は、シリウスの従魔契約を冒険者ギルドで済ますと「移動→街で休憩をする」を繰り返して、遂にバラングラ王国の国境を越えた。
……ゲーム的なイベントも、ラッキースケベ的なイベントすらも発生しないまま国境まで来たよ。
何故、バラングラ王国の国境を越えるかと言うと、バラングラ王国のユニークモンスターは、俺がユニークモンスターだと知らずに狩り尽くしたからだ。
俺達が国境を越えて入国した国は「ゼタリウス」で、中層にユニークモンスターが3匹確認され、ドワーフ族以上が作製したかもしれない武器が登場する物語の舞台になった国の1つでもある。
「楽しみだねぇ」
「そうだな」
その辺りの情報は、既にルシアと共有済みだ。
「エクスカリバーでしょう! バルムンクにアスカロンや、デュランダルやレーヴァティンに、グングニルやケラノウス。 そして、覇者の剣」
ルシアさんや、最後のはちょっと違うと思うが?
それと……
「言っておくが、連れて行かないからな」
「分かっています」
「え!? ダメなの?」
「当たり前だろ」
「残念だわ」
「まあ、普通の冒険者みたいに浅層までなら引率してやるけどな」
「やったー!」
「良いのですか?」
「構わないよ」
「それなら、私も行きます」
「ソフィアも?」
「はい!」
「ソフィア。 一緒に頑張ろうね」
「ええ!」
「キャン!」
……シリウスは待機だ。
俺達は、ゼタリウス側の城塞都市「シャアズナブル」を目指して移動した。
「……凄いね」
「そうだな」
「キャン! キャン!」
城塞都市シャアズナブルに到着して中に入ったのだが、お祭り騒ぎになっていた。
通りすがりの人に聞いたら、5日後に闘技場で大会が開催されるらしい。
それで、都市はお祭り騒ぎになっているみたいだ。
「……ヤバい!」
俺は、情報提供者に大銅貨1枚を渡して、慌てて馬車を移動した。
「……空いてた~」
城塞都市で一番高い宿屋で6人部屋が1つだけ空いていた。
「良かったわ」
「結構、危なかったわね」
「ライカ様と一緒ですか」
「仕方ないですわね」
これは俺を嫌っての発言ではなく、単純に保護者目線の「年若い男女が同じ部屋だなんて」って訳だ。
バレリアにパルマ、君達も「年若い男女」に入るからね。
……狼になる気は無いけどな。
宿屋で部屋を確保した俺は、ソフィア達に留守番をさせ、冒険者ギルドに向かった。
途中、如何にも騎士が装備する様な煌びやかな鎧を装備した冒険者が絡んで来たが、軽く捻った。
「……ぎゅぴゃー!」
「カーレル様ぁ~!」
取り巻きの魔術士風の女性が叫んだが、無視して冒険者ギルドに向かった。
「ようこそ。 城塞都市シャアズナブルの冒険者ギルドへ。
今日は、どの様な用件でしょうか?」
「俺は冒険者だが、幾つか質問がある」
「答えられる事なら、なんなりと」
「では、質問だが……」
冒険者ギルドに到着した俺は、受付嬢に色々と質問したが、全て予想の範囲内だった。
俺は冒険者ギルドを後にすると、その足で闘技場に向かい、大会出場の手続きをした。
その帰りに大会出場者らしき荒くれ者が少女にウザ絡みをしていた。
「オレは大会で優勝する男だぜ」
「そうですか」
「だから、今から仲良くなった方が良いと思うぜ」
「興味ありません」
「そんな冷たい事を言うなよなぁ」
「私には関係ありませんから」
荒くれ者の表情が変わった。
「……なあ?」
「はい?」
「オレが優しく言っている内に、態度を変えた方が良いぞ」
「ひぃ!」
はい、アウト。
「そこまでだ」
「……ガキが何の用だ?」
「余りに格好悪いから、声を掛けた」
「……ガキ、死にたいのか?」
「関係無い貴方は早く逃げて!」
「もう遅いぜ。 覚悟するんだな、ガキが!」
「お前には無理かもしれない」
「ふざけんなー!」
……約1分後、身ぐるみ剥がされ、路上の生ゴミと化した荒くれ者が転がされていた。
「もう大丈夫だ」
「……見掛けに依らず強いのね」
「まあな。 それじゃあ」
「待って!」
「お礼なら……」
「そういう訳にはいかないわ!」
すんごい強い視線だ。
……仕方ないか。
「分かった」
「ありがとう。 付いて来て」
付いて行くと、彼女「ナーザ」は城塞都市シャアズナブルの領主館の正門の門番に声を掛けた。
「ナーザです。 ただいま戻りました」
ナーザは、身分証を見せる。
「……確認した。 それで、後ろの冒険者は?」
「私が危ない所を救けて頂いた方です」
「そうか」
「お嬢様に紹介したいので、確認をお願いします」
「分かった。 少し待て」
「はい」
門番の1人が領主館に向かった。
「移動中に自己紹介をしたが、何故だ?」
「お嬢様との面会が許可されたら、お話します」
……面倒事に巻き込まれたか?
待つ事20分ぐらいで、門番が帰ってきた。
「許可が降りた。 冒険者も入る事を許可する」
「良かったわ。 それでは行きましょう」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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ストックが、ガチでヤバい!




