そもそも、私だって戦えるのだから……
主人公は誰を救けたのだろうか?
「……」
「どうした? モンスターの希望は?」
「深層……いえ、魔境のモンスターをお願いしたいのよ」
「正式な依頼で出すのなら、かなり高額になるだろうが、払えるのか?」
「現役時代から貯めていた白金貨10枚を出すわ」
……正直に言えば足らん。
「白金貨10枚か……」
「足りないわよね?」
「そうだな」
「……」
「……そうだ! 依頼を白金貨1枚で受ける代わりに、やって欲しい事がある」
「何かしら?」
「余分に狩ってくるから、それで女性3人分で3着作って欲しい」
「本当にそれで良いの?」
「ああ!」
「分かったわ。 それで良いのなら、その内容で依頼を出すわ」
「話は成立だな」
俺は、ユリナ達の外見の説明をした。
「……分かったわ。 でも、最長で2年後になるのよね?」
「そうだな」
「まあ、それも含めて作ってみるわ」
「頼む」
「完成には、3か月間は必要よ」
「分かった」
そんな訳でミッシェルさんの依頼を受ける事にした俺は、散策を終わらせて帰る事にした。
夕食時に、ソフィアに依頼の事を告げた。
「明日、知り合いの依頼を受けて魔境に行ってくるから、何時もの様に適当に過ごしてくれ」
「分かったわ」
翌日、朝食後に少し休憩してから冒険者ギルドに向かった。
「ライカだ。 指名依頼が来ていないか?」
「はい。 1件ございます」
ミッシェルさんは、昨日の内に出してた上に、依頼料が成功報酬でだが、話していた金額よりも高く「白金貨1枚に大金貨5枚」だった。
……良いだろう。 その挑発を受けてやる。
絶対に、白金貨1枚と大金貨5枚を超えるモンスターを狩ってきてやる!
俺は、そんな気持ちで浅層から深層まで一気に移動して、魔境の入り口に到着した。
「ユリナ達にも渡す事になるから、出来るだけ良い素材になるモンスターを狩ろう」
そう決めた俺は、素材にする事を踏まえた上で、オーガキングを3時のオヤツ代わりに倒して食する様な強大なモンスターを狩りまくった。
「……お! ロイヤルプラチナスパイダーだ!」
「……Gi……」
俺は、目当てのモンスターを発見した瞬間に自身の影が消える程の速度で駆け、奴が糸を使う前に一閃して討伐する。
「どんどん、狩っていこう!」
討伐したモンスターを「倉庫」に仕舞いながら自分を鼓舞する。
「……覇!」
「Ga……」
素材に向かないモンスターは、スキル「暴食」で吸収しながら狩り続けた。
「……ふぅ」
狩ったモンスターが3桁を超えた辺りで、俺は休憩する事にした。
「ロイヤルプラチナスパイダーも10匹以上仕留めたし、それ以外にも服に向いたモンスターを狩る事が出来た。
これだけ有れば、充分に白金貨1枚と大金貨5枚を超えた成果だと言えるだろう」
休憩を終わらせた俺は、行きと同じ様に疾走して魔境を後にした。
勿論、武具に使える魔境のモンスターも「倉庫」には仕舞ってある。
そして、森の浅層に到着すると他の冒険者達みたいに移動したのだが、森を抜けて街道に出るとテンプレが発生していた。
「ルシアお嬢様をお守りするのだ!」
ゴブリン12匹にオーク6匹に、囲まれた馬車がそこに居た。
しかも、その馬車は貴族が乗る豪華仕様になっている。
「一応は、周りにはゴブリン9匹にオークが2匹、倒されているな」
そして、生きているが倒れている人も3人居る。
「……はぁ。 風撃弾」
人側に止めを刺そうとしたモンスターには眉間を、そうでないモンスターには右肘や左膝を風撃弾を放って攻撃した。
そうなると……
「協力、感謝する」
全て終わると、向こうのリーダーらしき男が代表して、俺に感謝の言葉を述べた。
「感謝を受け取ろう」
「それで、お嬢様が直接にお礼を伝えたいと」
「分かった」
俺は、リーダーらしき男の後を歩いて馬車の前に到着した。
「ルシアお嬢様、冒険者をお連れしました」
「……分かりました」
馬車から聞こえた声から判断すると、あまり恐怖を感じていないみたいだな。
「初めまして、冒険者様。
私はルシア=ガンズ=ローゼスと申します」
「冒険者のライカだ」
「ライカ様、危ない所を救けて頂いてありがとうございます!」
「あ、ああ」
「ルシアお嬢様、その様に笑顔を向けて頭を下げるものではありません」
「いいじゃない。 命の恩人相手に、気取った態度でお礼を言うべきじゃないわ」
「確かにそうですが、公爵家の令嬢がする様な事ではありません」
「別に構わないわ。 もう直ぐ、婚約破棄されそうだしね」
「ルシアお嬢様!」
……直感だが、この公爵家令嬢のルシア嬢は、異世界恋愛系ラノベの悪役令嬢に転生した元日本人女性じゃないか?
お礼の言葉と共に頭を下げたが、その仕草は貴族令嬢というより日本人だった。
1つの世界に異世界恋愛系ラノベの物語は1つだけ……なんて法律も無いしな。
「……なのよ!」
「ですが……」
公爵家令嬢ルシアと、多分専属侍女らしき女性が仲良く言い合いをし、その様子を護衛の男性達は穏やかに見ていた。
「そもそも、私だって戦えるのだから……」
「「「「「「「ダメです!」」」」」」」
「……ぶぅ」
どれだけ強いかは別にして、公爵家令嬢という立場の者が戦える事自体が異常……いや、ソフィアという戦える王女が居たな。
収拾のつかなくなり始めた所で、護衛のリーダーらしき男が手を叩く。
「はいはい。 終わりです」
「「……はっ!」」
「申し訳ありません、ライカ様」
「構わない」
「ありがとうございます。 それでは、改めてライカ様にお礼がしたいので我が屋敷に招待したいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ」
俺は、変化球なテンプレを受けた。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点とブックマークをお願いします。




