それでは……歓迎会を開催する!
天狗になり傲慢になる奴ら。
俺の帰宅に対応したのは、超が付く美少女だ。
当たり前と言えば当たり前で、彼女は第3王女の「ソフィア=グロル=バラングラ」だからだ。
彼女は、屋敷とセットで押し付けられた。
断れなかった理由は、彼女は全てを理解する聡明な頭脳を持っていて、魔術士としても優秀だからだ。
寧ろ、優秀と言う評価が謙遜に感じる程の才能の持ち主で、努力も怠らない尊敬出来る人だ。
その上で、屋敷の女主人として俺の留守を預かっている。
因みに、俺は彼女に手を出していないし、彼女もその理由は理解していて、彼女にだけは伝えてあるからだ。
俺は2年以内に消えると。
「ライカ様、明日にも貯蓄がまた一定の金額を超えますわ」
「分かった。 商業ギルドに依頼を出しといてくれ」
「分かりましたわ」
俺は金の流通を止めない為に、モンスター討伐で稼いだ金を使って神々に関する情報や、強力なモンスターの情報を集めている。
……俺の貯蓄、小国の国家予算並みなんだよな。
そんな金額を俺の所で止めていると、経済という血が回らなくならから、考えた末に情報を買う事にした。
それで、邪神に絞らずに神々や強力なモンスターの情報にしたのは悟らせない為だ。
それと実在していたよ、邪神を信仰する教団が!
そんな訳で、ギリシャ神話も好きな俺は趣味を兼ねて、邪神を含む神々の情報を集めて買っている。
それと情報が記された「原典」的な本を持って来られても困るので、精巧な複写を持ってこさせている。
これにも金が必要なので、良い散財になっていたりする。
それと、魔法に関する情報も有料だが集まっているが、これは魔術士としても優秀な王女ソフィアへの忖度であり、その後ろにいる俺への忖度でもある。
最後にソフィア王女の名前で、バラングラ王国に所属する孤児院に、順番にだが、建て直しが出来るだけのお金を寄付しているし、衣類や生活に必要な道具も寄付している。
「ソフィア。 王城から手紙が来たから、意見を聞かせて欲しいがいいか?」
「はい、勿論ですわ」
俺とソフィアはリビング的な部屋に移動して、メイド達が用意した紅茶と軽食を頂きながら手紙を読む。
「……」
内容は、異世界から召喚された勇者達の指導依頼だった。
……そういや居たな、そんな奴ら。
「どう思う?」
「世界を救う事になる勇者様達の指導は、大変名誉な事でありますが……」
「俺は受ける気は無い」
「そうですわよね」
「俺には目的が有り、その目的を達成させる為に、そんな無駄な時間を消費する気は無い」
「それは分かりますわ」
「その代わりに、最近運動不足だと言っているグランスに行かせよう」
あ、グランスは前任のギルドマスターの名前だ。
「元Aランク冒険者だ。 充分に代役が務まる」
「そうですわね。 それなら補佐としてリーリエにも頼みましょう」
リーリエは、グランスの奥さん。
つまり、前任の受付嬢達のチーフだ。
「リーリエも、現役の頃はグランス達とパーティを組み、魔術士として活躍していましたから」
「決定だな」
「それでは、その旨を書いた手紙を王城に送っておきますわ」
「頼む」
「それと、今日中にグランスとリーリエにも伝えておきますわ」
「分かった」
しかし、連中の事はスッカリ忘れていたが、あれから1年が過ぎたのか。
「1週間後に、また出る」
「分かりましたわ」
1週間の休暇を過ごした俺は、また魔境に向かったのだった。
……そして、約3か月後に勇者達はバラングラ王国の王都に到着した。
「良くぞ参られた勇者達よ!」
「「「「……」」」」
万が一なテンプレの為に、俺は「勇者様御一行の歓迎会」に参加した。
一応は身バレを警戒して顔を仮面で隠してある。
「この様な歓迎会を開いて頂き、勇者様に代わりお礼を申し上げます」
引率の先生は人格者なマリアシア王女殿下だ。
そして、俺が危惧した万が一なテンプレは当たっている可能性が濃厚になった。
「……ちっ」
「イケメンが居ないわね」
「新しい宝石が欲しいわ」
「……お! いい女、発見」
……創造神のサナ様の話では、別に魔王は勇者でなければ倒せない訳ではないらしい。
それに、俺が亜神になる為には、魔王討伐は美味しいかもしれないな。
「それでは……歓迎会を開催する!」
……一応、歓迎会は無事に終了したが、翌日からは奴らはテンプレな言動が始まった。
「もっと本気を出せよ」
「……ぐぅ」
「そんなんじゃあ、雑魚のゴブリン1匹さえ討伐が出来ないぞ」
「……はあ!」
「……ふん」
「ぐはっ……」
「次!」
勇者である正義は騎士達を甚振り、聖女である聖羅は勇者である正義に因って傷付けられた騎士達を回復魔法で癒しているが、見目麗しい騎士達には必要以上に接触している。
「貴方、今夜時間が空いている?」
「申し訳ありませんが、今日は……」
「聖女である私の誘いを断わるんだ?」
「いえ、そういう訳では……」
「セイラさん」
マリアシア王女が間に入った。
「また、説教?」
「貴女は聖女なのですから、もっと自分自身を律してください」
「……はいはい」
そして、賢者である真理はバラングラ王国の宝物殿に納められている宝飾品を強請っていた。
「ねえ、国王様。 私ね、宝物殿に納められた国宝の宝飾品が欲しいな」
最後に聖騎士である木場は、手当たり次第に貴族令嬢達をナンパしている。
「オレ、聖騎士の木場って言うんだけど、今からどうかな?」
……マリアシア王女には同情するな。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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主人公が暮らす屋敷は4階建てで、4階は主人公とソフィアの部屋が有り、3階はメイド達が、2階は前任のギルドマスター夫婦とクランに所属する冒険者達が、1階は外からの応対用になっています。
因みに、主人公の部屋が主人室になっているが、屋敷を改築改装した職人達に因って、その真下は図書室に変えられました。
意味を察したソフィアは、ダメ元で「そうなれば良いな」と、淡い期待をしています。
勿論、主人公は気付いていませんし、ソフィアの意見に従い、夜間の図書室の使用は禁じています。




