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……俺が、噂の男ライカだ。

誰でしょう?

 


 ……察知出来なかっただと!?


「おや。 もう、そんな時間ですか」

「遊び過ぎだ。 消すか?」


 現れた奴は、濃密な殺気を俺達に向けた。


「それは止めておきましょう」

「何故だ?」

「私の左腕を斬り落としたからですよ」

「何!?」

「だから、面白いので生かしておきましょう」

「……分かった。 命拾いしたな」

「……」


 俺は、反論出来なかった。


「それでは改めて自己紹介をしましょう。

 私の名は『ロンダーク』です」

「おれも名乗ろう。 おれの名は『ファルサ』だ」

「それでは失礼します」


 そう言って、2人は森の奥へと消えた。


 数分後……


「……ふぅ!」

「……」

「アリシア、大丈夫か?」

「だ、大丈夫」


 そう答えたアリシアが立ち上がったのは、10分は過ぎた後だった。


「ライカ、戻ろう!」

「あ、ああ」


 何故か、明るい声でアリシアは言った。


 戻るとミリネ達に事情を説明すると、アリシアの為に大事を取って今日は休みになった。


 翌朝、俺が泊まっている宿屋にアリシア達が来た。


「おはよう、ライカ」

「どうした?」

「私、吹っ切れたの!」


 イマイチ意味が分からないが……


「……それは良かったな」

「ライカが私の場所に来て貰うんじゃなくて、私がライカを追うの」

「……は!?」

「ライカは、いつかは故郷に帰るのなら、その時に私を連れて行きたくなる様な良い女になる!」

「「「「……アリシア?」」」」

「だから、期待しててね」


 アリシアは、そう言うと立ち上がり「またね」と告げて宿屋を去った。

 ミリネ達も「ちょっとアリシア!」と、言いながら俺に挨拶をするとアリシアの後を追った。


「……アリシア」


 遠距離の連絡手段が手紙だけの世界で、どうやって俺を見付けるんだ?


「……まあ、いっか」


 俺への「想い」なんて、数年後には「良い思い出」になっているだろう。


 アリシアの来訪で後回しになっていた朝食を食べると、森に籠るから大量の食材と調味料を買い、冒険者ギルドに行きアリシア達への伝言を頼むと、ラガルイカの街を後にした。


「まあ、森に籠るのはバラングラ王国に入ってからだけどな」


 俺は、そんな独り言を呟きながらバラングラ王国を目指して南下した。




 ……1年後、バラングラ王国の王都を中心に化け物扱いされる冒険者が噂される様になった。


「何でも、数千匹のモンスターからなるスタンピードを1人で全滅させたらしいぞ」

「オレが聞いた話だと、赤鱗竜レッドドラゴン20匹を1人で討伐したらしいぞ」

「私が聞いた話だと、単独でダンジョンを制覇したって聞いたわよ」

「どれも有り得ないよなぁ」

「……そうだな」

「そうよねえ」


 ……惜しい!


 数千匹じゃなくて、1万を超えるスタンピードを全滅させて、赤鱗竜レッドドラゴンじゃなくて真紅鱗竜スカーレットドラゴン30匹を討伐して、ダンジョンを1日で制覇したのが正解だな。


 ……俺が、噂の男ライカだ。


 あれから南下してバラングラ王国の王都に到着した俺は、ユーリ姉ちゃんから貰ったスキルで強さに繋がるやつは全て使って強さを求めた。

 その結果、俺の肩書きは史上最年少の「Sランク冒険者」となり、バラングラ王国の国王達や国政に口出し出来る貴族や商人達と太いパイプが出来た。


 因みに、俺を骨まで利用しようとした奴は、何故か全員が不慮の事故死や心臓発作で死亡した。


 あ、デ○ノートは使ってないぞ。


 それと、王都の冒険者ギルドにモンスターの討伐証明となる部位だけを出していたが、森の深層すら越えた魔境のモンスターも出していると、ギルドマスターに「Sランク冒険者になってください!」と土下座された。


 ……やはり、魔物寄せの笛は便利だな。 


 因みに、討伐証明となる部位だけなのは俺のスキルの1つ「暴食」が原因だ。

 このスキル「暴食」は、討伐したモンスターを魔石ごと吸収する事で、吸収したモンスターの強さを俺の強さに加算する事が出来る。


 そして、魔境のモンスター相手にそんな事をしてきたお陰で、俺の種族名が半人半神になった。


「今日もありがとうございます、ライカ様」


 今日も、魔境のモンスター1匹に深層のモンスター3匹に、中層のモンスター10匹を冒険者ギルドに売る。

 この数字は金額的に冒険者ギルドが扱えるギリギリの量だ。


「それでは、売買金は口座に入れておきますね」

「ああ」

「それと、王城からのお手紙を預かっています」


 俺は受付嬢から渡された手紙を懐に仕舞うと、冒険者ギルドを後にして屋敷いえに帰る。


 この屋敷いえは、国王と仲良くなった時に貰った屋敷やつで、国王が「受け取って貰わないと面子が立たないから!」と、お願いされたからだ。

 しかし、貰った屋敷は公爵級の規模で、いずれは居なくなる俺には過ぎたものだった。

 だから、俺がリーダーの「クラン」を起ち上げ、中身も優秀な将来有望な冒険者達を屋敷に住まわせている。

 副リーダーは引退したばかりの前任のギルドマスターを、事務長にその前任のギルドマスターと夫婦になった元受付嬢のチーフにお願いした。

 それと、屋敷いえの維持管理をするメイド達とかは、奴隷から集めた。

 理由は、王城や商業ギルドから派遣されたメイド達だと、監視されてスパイされている感じがして嫌だったからだ。


「ただいま」

「お帰りなさい、ライカ様」




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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