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……素晴らしい!

……難産でした。

 


 アリシアの「ねえ。 ライカが来た本当の理由は?」を、無視しながら俺達は街に戻る事になった。


 そして、街に到着する頃には無駄だと悟り、両頬を膨らませる「お子様」なアリシアが居た。


「はいはい、アリシアちゃん。 私達は、頑張ってお仕事をしましょうね」

「……むぅ」


 ミリネに、そう言われながら冒険者ギルドに到着した後、アリシア達はギルドマスターに報告する為に3階の応接室に移動した。


 勿論、受付嬢達は喜んだよ。

 行方不明扱いになっていたから、何人かは「もう……」と思っていたみたいだからな。

 そして、受付嬢達のチーフからはお叱りを受けていた。


「報告を忘れないように!」

「「「「はい!」」」」


 俺は俺で、アリシア達を探す過程で討伐したモンスターをギルドに売った。


「合計で大金貨7枚と金貨6枚になります」


 結構な額になったが、数も質も良いからだろうな。


「さて」


 俺はお金を受け取ると、隣接する酒場に移動してアリシア達を待ちながら、今後の事を考える事にした。


 ……確かに、巻き込まれとはいえ、この異世界召喚はアニメや漫画に、異世界系ラノベを嗜む俺にとっては「一期一会」な出来事と言えるが、俺にとっての本心を見誤る訳にはいかない。


「ユリナが待っているからな」

「ユリナとは誰?」


 声に反応して後ろを振り向けばアリシア達が立っていた。

 どうやら、考え込んでいる内に時間が経過していたみたいだな。


「ユリナは、俺の大切な人だ」

「そう……」


 正直に答えたら、何故かアリシアが酷く落ち込んだ表情をした。

 そして、そのアリシアの表情を見たミリネ達は慌てた様子で夕食にしようと言い出した。


「さあ、行こう!」

「そうだよ!」

「移動しましょう!」


 少々強引に移動をうながされて冒険者ギルドを後にして移動を開始した。


「アリシア! ライカ! オレ達からのお礼だ! 好きなだけ食べてくれ」

「ボク達からの奢りだから、遠慮は要らないよ」

「そうよ!」

「それじゃあ、遠慮なく」

「……」


 結局、終始無言のままだったアリシアは、食後に簡単な挨拶をして自分の宿屋に向かった。


「……ご馳走様。 美味しかったわ」

「「「アリシア!?」」」


 アリシアが立ち去ると、皆が俺を見た。


「気持ちに応えるのは無理だぞ。 俺には俺の目的が有るからな」

「……そう」


 何となく察したが、俺は3年以内にはこの世界から消えるし、そんな奴はさっさと忘れる方が良いに決まっている。


「……ふぁ~。 結構、寝たなぁ」


 翌日、ちょっと遅めの朝食を済まして街の外に出てモンスターを狩ろうかと思っていたら、ミリネ達が駆け寄った。


「どうかしたのか?」

「アリシアを知らないか?」

「……いいや、知らないな」

「……そうか」

「何か有ったのか?」

「アリシアが、集合時間に来ないんだ」

「勿論、宿屋に行ったけど不在だったわ」

「それで、俺を見掛けたから声を?」

「そうだ」

「先程も言った通り、知らないな」

「……分かったわ」

「俺も探そう」

「頼む」

「お願いね」

「ああ」


 俺はミリネ達と別れた後、もしかしてと思って街の外に出て……アリシアを探した。


「縁が結ばれた以上は……な」


 まあ、縁と言っても知り合い程度だけどな。


「……見付けた」


 そして、アリシアとは知り合い以上の「縁」だと言わんばかりに、北東の少し奥の森で見付かった。


「……ライカ」

「アリシアらしくないぞ」

「……私らしくない……か。 そうかもね」

「俺は、必ず達成するべき目的が有る。 その目的が達成すれば故郷に帰る。

 だから、特定の誰かと仲良くする気は無い」

「……そう」

「言いたい事は……それだけだ」


 そして、俺は敢えて立ち去ろうとしたら、違和感を感知して抜刀し周りを確認する。

 アリシアも感じたみたいで、槍を構えて臨戦態勢を取る。


「おや、気付かれましたか」


 違和感を感じた方に武器を向け警戒すると、そこから男性1人が現れた。


「誰だ?」


 森の中だというのに、黒いローブを纏い黒いマントを羽織っていた。


「初めまして。 私は……」

「どうした? 名乗らないのか?」

「最初は名乗ろうかと思っていましたが、数分後に死ぬ者に名乗る必要は無いなと」

「そうだ……な!」


 先手必勝で、俺は身体強化して「瞬天殺」を放った。


「危ないですねぇ。 私でなかったら首が落ちていましたよ」


 ……アレを躱すか。


「……え!?」


 アリシアは混乱しているみたいだが、落ち着かせてやる余裕は無いな。


「次は私からいきますよ」

「……くっ!」

「どうしました? 防戦一方ですよ」


 確かに防戦一方なのは認める。

 しかし、俺の一撃を躱した以上は慎重になるのは当然の事だ!


「いいのですか? 貴方、死にますよ」

「……破!」

「……ほう!」


 俺は通常の身体強化を限界まで上げた。


「中々の強さです」

「……」


 数十秒後なのか、数分後なのかは分からないが、遂に隙を見せた。


 ……アリシアの一撃に因って。


「私を忘れるな!」

「……おっと」

「今だ!」


 俺は、更に雷属性の身体強化を重ねる。


「な!?」

「疾!」

「……くっ」


 ……ちっ。


「左腕だけか……」


 隙を突いた一撃だったが、奴の左腕だけを斬るに留まった。


「……素晴らしい!」

「「……?」」

「私に一撃を入れるどころか、左腕を切り落とすなんて、心からの称賛を贈ります!」


 奴は、そう言いながら落ちた左腕を拾い、切断面を合わせる。


 そして、当然の様に斬った左腕は引っ付き動いた。


「さて。 続きを始めましょうか」

「何をしている?」




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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