……結局、2人はどういう関係?
食前、食中、食後の方は御注意を。
アリシアを含む高位ランク冒険者数人が、行方不明になっただと!?
「本当か?」
「……はい」
新人冒険者とかが行方不明になるのは、残念ながら日常的に起こっているから、関係者以外は気にしないのだが、それが高位ランクの冒険者だと話が変わる。
「その、行方不明になる切っ掛けとなった依頼内容はなんだ?」
「無関係な……」
「俺はアリシアの関係者だ」
「分かりました。 依頼内容は……」
依頼内容はありきたりなもので、森に異変が有り、その調査だった。
そして、その異変とは、一部の地域内だけとはいえ凶暴化したモンスターや、変異したモンスターが多数現れた、というものだった。
「その調査対象の地域は?」
俺は受付嬢に聞くと、その場所に向かった。
「この奥の中層か」
到着した場所は、街から南西に位置する森だ。
「さて、始めるか」
俺は、魔力探知や気配察知を使い誰か居ないか探ってみた。
「……居ないな。 もっと奥か」
反応が無かったから奥に移動しながら探した。
「……疾!」
俺は凶暴化したモンスターや、変異したモンスターを狩りながら、1時間ぐらい経過した所で魔力探知に反応が出たから、急ぎ向かった。
「必ず救援は来る! それまで持ち堪えるんだ!」
「アリシア! しっかりして!」
アリシアだと!?
「GaAaー!」
「邪魔だ!」
「Ga……」
俺の進行を邪魔するモンスターを一刀両断して声の方に駆けた。
……居た!
「アリシア!」
「誰!?」
「そんな事よりアリシアは?」
「アリシアは……」
「……な!?」
……予想以上の重傷だった。
左腕は肘から先は無く、右腕も潰れていて、顔にも酷い怪我を負い、左眼を覆っている包帯は赤く染まっていた。
更に、腹の包帯も現在進行形で赤く染まった部分が広がっている。
「代金は後で請求する。 治癒魔法を使うが良いな!」
「お願い!」
「分かった。 ……完全治癒」
「……え!? 詠唱破棄で!」
俺が放った完全治癒の緑色の淡い光が消えると、欠損した部位が再生復元され、傷は全て消えて、土気色の肌に赤みを帯びた。
「良かった」
「……う」
「「アリシア!」」
アリシアの意識が戻ったみたいだ。
「……此処は……私!」
「大丈夫よ、アリシア」
「……ミリネ?」
「彼が救けてくれたのよ」
「彼……ライカ!?」
「久し振りだな、アリシア」
「ライカ、どうして此処に?」
……正直に話すのは、何か恥ずかしいな。
「また、アリシアに飯を奢って貰う為だ」
「……分かったわ。 ありがとう、ライカ」
ちょっとアリシアとラブコメな空気になった所で、横槍が入った。
「……結局、2人はどういう関係?」
「そんな事より、回復したのなら加勢してくれ!」
「分かった。 風撃弾!」
文字通りの「援護射撃」で無双した結果、この場での戦闘は終了した。
「助かった! 感謝する!」
「まだ子供なのに、凄い攻撃魔法だね」
「アリシアを救けてくれてありがとう!」
「それで、何故、ライカが来たの?」
アリシアの質問を無視して自己紹介をした。
「俺はCランク冒険者のライカだ」
「オレはBランク冒険者のセグルで、今回のリーダーをしている」
「ボクもBランク冒険者のナジカ」
「私もBランク冒険者のミリネよ」
「それで、オレ達3人は同じパーティ『狼牙』のメンバーだ」
「……3人?」
「本当は4人だけど……」
「怪我を負って、今回は留守番だ」
「その欠員の代わりが私なのよ」
「そうか」
「それよりも、ライカが此処に居る理由は?」
「そんな事より調査はどうなった?」
アリシアを無視して、誤魔化す為に話を変えた。
「あ、ああ。 調査はまだ途中だ」
「なんせ、調査=凶暴化したモンスターや変異したモンスターの討伐だからね」
「なる程……」
因みに、無双したモンスターの中にはアリシアの左腕を喰ったモンスターも居るが、俺が「モンスターの胃液で溶かされている途中の左腕を取り戻したいか?」という質問に、アリシアは「NO!」と答えたから、深穴を掘り、そのモンスターを放り込み、風魔法で細かく切り刻み、ランタン用の油を流して燃やした。
本来なら火属性魔法で焼却したかったが、この世界は1人1つの属性魔法しか使えないのが常識だからなぁ。
いや、2つ3つ使える者は存在するが、国が囲ったりしているから、会えない=存在しない……になっている。
「それで、凶暴化したモンスターや変異したモンスターの原因は分かったのか?」
「確定ではないが……」
セグルの話だと、原因として考えられるのが、薬物投与らしい。
正確には、薬物投与されたモンスターを食った事が原因ではないかと。
根拠としては凶暴化や変異したモンスターの腹を裂いて調べたら、そう思える溶けかけの肉片を発見したみたいで、証拠品としてマジックバッグに収めているとの事だ。
「それでライカ、何故、来たんだ?」
「貴方達は、冒険者ギルドとしては行方不明扱いになっているぞ」
「「「「……あ!」」」」
どうやら、冒険者ギルドへの連絡か報告を忘れていたな?
「……一旦、帰ろうか」
「「「賛成!」」」
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