どうやって仕留めた?
そろそろ、動かそうかな?
「貴方、何者なの?」
「冒険者登録を済ました新人冒険者だ」
「ウソだ!」
流行っているのか?
鉈を武器にする美少女の真似が。
「……失礼しました」
俺の前には、思わず強くツッコミを入れてしまい、耳まで赤くした受付嬢が居た。
「グレイウルフは幾らぐらいになる?」
「状態によりますが、最低買取り額は大銅貨1枚からになります」
「状態が良かったら?」
「銀貨4枚からになります」
「何処に出せば良い?」
「それでは、ご案内します」
対応した受付嬢がカウンターから出て案内してくれたが、見事な「桃」だった。
「此方が解体場です」
受付嬢が、そう言うと頑強な肉体を持つおっちゃんが現れた。
「どうした?」
「此方の冒険者が、グレイウルフを売りたいと」
「この坊主が?」
「登録したばかりの新人ですが、強いですよ」
……いや、そんな事は言わんでもいい!
「……ほう」
「そんな事よりも、何処に出せば良い?」
俺は、話題を逸らした。
「そこのテーブルの上だ」
「分かった」
指定されたテーブルの上にグレイウルフを3匹をマジックバッグからと見せ掛けて「倉庫」から出した。
「「……」」
何故か沈黙する受付嬢と解体場のおっちゃん。
「どうやって仕留めた?」
「……額を見ろ」
「……な!」
「幾らになる?」
「実際に査定してみないと分からないが……坊主」
「何だ?」
「名前は?」
「ライカだ」
「ライカか。 査定額は期待しても良いぞ」
「それは良かった」
「査定が終わったら報告するから上で待っていろ」
解体場のおっちゃんに言われて、俺と受付嬢が階段を上がるが、やっぱり良い「桃」だな。
……因みに、受付嬢の「桃」を包む「布」は見えていないぞ。
「お待たせしました」
受付嬢が居るカウンター近くで待っていると査定が終わって報告が挙がったみたいで、俺は呼ばれた。
「グレイウルフ3匹とも、状態が良かった為、大銀貨1枚と銀貨8枚となります」
「分かった」
「では、ギルドカードをお願いします」
「はい」
俺はギルドカードを受付嬢に渡す。
「……ギルドカードをお返しします。
以上で手続きが終了しました。
此方が買取り金です」
そう言って、大銀貨1枚と銀貨8枚を乗せたトレーを俺の前に出す。
俺は、買取り金を懐に仕舞うと冒険者ギルドを後にした。
「これで、この世界での自前の金を手に入れたな」
因みに、まだ「倉庫」にはグレイウルフが残っているし、道中に狩ったモンスターが存在するが、一度に全部出すと悪目立ちするから自重した。
敢えて悪目立ちをして、成り上がるのも一興だが、折角の新たな異世界だ。
存分に楽しみたい気持ちもある。
「とりあえず、今日はゆっくりするか」
そう決めた俺は、宿屋に戻りゆっくりした。
翌朝、俺は「ふぁ~!」と欠伸と伸びをした後は、使ったベッドと自身に洗浄を掛けて綺麗にすると、1階に降りて食堂の適当なカウンター席に座る。
「何を注文する?」
「そうだなぁ〜」
流れる様にウェイトレスがお品書きを俺の前に出して言った。
「日替わりを」
「分かったわ。 日替わり1つ!」
「了解!」
……美味かった!
「さて。 今日はどうしようか?」
とりあえず、街を散策してみる事にした。
「……しかし、朝から1人で街を歩くなんて転生以来かもしれないなぁ」
俺が保護者無しで街を歩ける様になると、隣のユリナもそうなるから、何時も一緒だったしな。
自分の両親やユリナの両親からも「ユリナを守るんだぞ」って言われていたし、俺自身も転生に因る精神年齢もあって「ユリナを守らないといけない」と思っていた。
それが、まさかの異世界からの異世界召喚で違う次元の「剣と魔法の世界」に喚ばれた。
召喚魔法での「巻き込まれ」だけどな!
「……大差は無しか」
モンスターも「そう」だったが、街の様子なんかも、俺の第2の故郷と大差が無いな。
俺が、そう判断した時に……
「離してください!」
結構大きな声で叫ぶ女性が居たから、野次馬根性で、俺も近付いて様子見を始めた。
「でもよぅ、1人だと色々と物騒だぜ」
「貴方と組む方が、身の危険を感じます!」
確かにそうだな。
男の方は、良く言えば服を新調したチンピラだ。
そんな男と組めば、最終的には冒険中の肉壁か、娼館に売られるだけだろう。
俺と同じ周りの野次馬達も、当人達に聞こえる声量で「確かにそうだ」とか「無駄な言い訳」とか、好き勝手に言っている。
「……オレが優しく言っている内に首を縦に振った方が良いぞ」
思った以上に、早く化けの皮を剥がしたな。
「どう言おうが、お断りします!」
「……こんのアマァ!」
服装だけは綺麗なチンピラは、腰の剣を抜いて女性に襲い掛かった。
女性は鞘に入れたままの剣で対応しているが、ほんの僅かだが技量が男の方が上みたいで徐々に女性が劣勢に傾く。
「死ねぇ!」
既にブチ切れている男は、街の中である事を忘れて女性を殺そうとしていた。
「……風撃弾」
「がっ……」
「今よ、はっ!」
「ぐはっ……」
女性は、俺の風撃弾で出来た「隙」を見事活かして、一撃を男の腹に入れた。
そして、勝負が着いた所で興味を失ったのか野次馬達は散開した。
俺も去ろうとしたが……
「待ちなさい!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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