オレ様を無視するな!
意外と有るもんですよ、現実でもテンプレは。
ライカside
俺は仕方ないと諦めて、森を突き進み遭遇したモンスターを討伐しながら南下した。
更に、全属性の魔法が使える様になった俺は浅層を通らずに中層を通っていた。
以前の恐怖や固さは無く、自然体でいる為に余裕が出来て、楽にモンスターを討伐する事が出来る。
「雷撃槍……ふう」
襲って来た鋼鉄蜥蜴を雷撃槍で倒した。
「都合良く、大口を開けていたから楽だったな」
鋼鉄蜥蜴を「倉庫」に仕舞いながら、そんな独り言を零した。
この後も、貪欲にモンスターを狩り続けていたが、俺は森を抜け街道がある場所に出た。
「流石に、6日も籠もっていたからな」
勿論、定期的に洗浄を自身に使っていたから汚れていないし臭くないが、上げ膳下げ膳が恋しくなった。
それに街とかに行って情報収集もしないといけないしな。
そんな訳で、森を抜けて街道に出たのだが、東西の街道しかない。
「……どっちにしようか?」
迷っていたら、西の方から東に向かって移動している馬車がいた。
「……まあ、いいか」
情報収集の序に、適当な事を言って便乗しようかと思っていたら、グレイウルフの群れに追われていた。
俺は打算から救ける事にした。
「風撃弾」
グレイウルフの群れは18匹だった。
「……凄いな」
「そうか?」
「ああ! 大したもんだ。 えっと……」
「そういや、自己紹介がまだだったな。
俺はライカ」
「私はサーネストだ。 そして……」
グレイウルフの群れに追われていたのは、東方面の街道を進むと存在する街「ラガルイカ」で商会を構える「サーネスト商会」の商会長で、西方面の街道を進むと存在する町「ギルゴイズ」の、とある商会との商談帰りにグレイウルフの群れと遭遇したみたいだ。
「貴方は命の恩人です!」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
サーネストさんの奥さん「ガーネラ」と一人娘の「パルナ」ちゃんだ。
それで、討伐したグレイウルフは全て俺の所有となった。
「当然です! 命の恩人が仕留めた獲物を、奪うなんて出来ません!」
……と、言われたからだ。
それで、グレイウルフをマジックバッグに仕舞うと見せ掛けて「倉庫」に仕舞うのだが、サーネストさん達は大変驚いていた。
「……マジックバッグを、お持ちでしたか」
どうやら、この世界でも「マジックバッグ」はかなり高額な様だ。
「高ランクだった祖父から譲り受けたんだ」
「そうだったんですか」
異世界系ラノベを愛読していたお陰か、簡単に嘘が口から出た。
「それでは出発します!」
「出発ー!」
ガーネラさんが出発の言葉を言うと、パルナちゃんが号令を出した。
最初の打算通りに便乗する事になったよ。
勿論、サーネストさん家族は、命の恩人に恩を返す為だけどな。
「ライカさん。 街に到着して落ち着いたら、是非、我が商会に来てください。
出来る限りのお礼をさせて頂きますから」
「お言葉に甘えさせて貰うよ」
「やったー! 待っているね、ライカお兄ちゃん」
午後3時頃に街「ラガルイカ」に到着した俺達は、俺の入場料をサーネストさんが代わりに払って貰った後、解散した。
「お勧めの宿屋は……有った!」
サーネストさんから、お勧めの宿屋を教えて貰った俺は、その宿屋を見付けた。
「一人部屋は、1泊大銅貨3枚です」
「3日で」
「それでは、大銅貨9枚になります」
俺は銀貨1枚を出して、お釣りの大銅貨1枚を受け取る。
このお金もサーネストさんからのお礼の一部だ。
……どうやら、お金の単価も同じみたいだな。
「次は冒険者ギルドだな」
部屋を確保した俺は、次に金策の為に冒険者ギルドに向かった。
「ようこそ、ラガルイカの冒険者ギルドへ」
「冒険者登録をしたい」
「それでは、この書類に記入をしてください。
それで、代筆は必要ですか?」
「大丈夫だ」
テンプレだが、異世界召喚の付随として、この世界での読み書きも出来る様になっている。
この後は、書類の記入が終わり、冒険者カードに俺の血を付けカード登録を終わらせると、冒険者としての必要な基礎的な説明を受けた。
「……以上になります。 質問はございますか?」
「ギルドとしては、冒険者同士の喧嘩は、何処から介入する?」
「基本的には、ギルドの備品の損壊が激しくなる場合と、死亡者が出る場合です」
「そうか。 では、片方が一方的に殺人予告をして武器を抜いたら?」
「その場合は、盗賊の扱いで構いません」
「分かった」
この辺りも、同じみたいだな。
「それで、早速だが買取りを……」
「いつから、冒険者ギルドは託児所になった?」
狩ったグレイウルフを買取りして貰おうとしたら、異世界系ラノベで、よく出るテンプレな台詞が聞こえた。
「早速だが、モンスターの買取りをお願いしたい」
……が、言い直して無視した。
「……えっと」
周りには、俺と対応した受付嬢と、テンプレな台詞を吐いた「誰か」しかいない為に、そのテンプレな台詞を俺に言ったのは明白だ。
だから、受付嬢は対応に困っていた。
「出来ないのか?」
「出来ますが……」
受付嬢は、俺の後ろに居る「誰か」をチラチラと見る。
「オレ様を無視するな!」
「あ、あの……」
……仕方ないなぁ。
俺は振り返ると言った。
「凄いな。 人族の言葉を話すボブゴブリンが居るなんて。 ……飼い主は何処だ?」
俺は白々しく周りを見回す。
「……ぶっ殺す!」
この世界のバカも、煽り耐性が低い件について。
「……合計で、銀貨8枚になります」
1人のバカが、冒険者から鉱山労働者となり、不要な所持金や物品等は換金して、被害者の俺が受け取る。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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