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初めまして。 そして、さようなら。

そろそろ……



いつもより長文です。

 


 ……結局、黒幕に付いて吐く事は無かった。


 所持金と装備品等を回収すると、生ゴミ18個分の大穴を掘り、放り込んで焼却処分してから埋めた。


「吐かなかったね」

「そうだな」

「それ程に、黒幕が恐ろしいのでしょうか?」

「のじゃ?」

「そうかもな」


 隠れて覗きをしていた奴も居なかったから、俺達はスラム街から撤収する事にした。


 まさか……なぁ。


 翌日の午後3時頃に、狩ったモンスターを換金しようと冒険者ギルドに行くと、緊張感に包まれていた。


「何か、有ったのか?」


 受付嬢に聞いてみた。


「……はい」

「教えてくれ」

「分かりました。 今、この城塞都市に向かってモンスターの大群が向かっています」

「それって……」

「はい。 スタンピードです」

「スタンピード!?」


 スタンピードとは、種類や種族に関係なく、少なくとも数100匹以上から、最悪で数万匹のモンスターが群れとなり、進行方向の建造物を破壊し、生きる者全てを捕食していく大災害とも言える現象だ。


「それで、種類や数は?」

「少なくとも、ゴブリンが1000匹以上に、オークが400匹以上、オーガが50匹以上に、更に奥には、それ以上のモンスターの存在が確認されているらしいです」

「そうか」

「冒険者は自由です。 だから、ここから逃げ出しても文句が言えません。

 ですが……」

「分かっている。 俺はまだ、この都市で手に入るメリットを全て手に入れていない」

「それじゃあ……」

「換金の準備をよろしくな」

「……はい!」


 俺達は、一旦冒険者ギルドから出た。


「いいの?」

「済まなかったな、相談もせずに」

「それはいいの。 それよりも……」

「分かっている。 俺達を狙う存在だろ?」

「……」

「大丈夫だ、ユリナ」

「ライカ」

「俺は、この為に強さを求めたのだからな!」

「……そうだね」


 その2日後にスタンピードの先頭が城塞都市からでも視認出来る様になった。

 既に、ギルドから強制命令が発動され、覚悟を決めた冒険者達はギルドマスターの激励を受けて、最終防衛ラインより3km先で待ち構えている。


 俺達は左翼の一番端に居る。

 この位置では「逃げたくなったら何時でも良いぞ」と言われている様な配置場所だ。

 そして、左翼の冒険者達は好き勝手に移動を開始しているから、俺達も移動した。


「まあ、逃げる気は無いけどな」

「それで、どうするの?」


 ユリナが聞いてきたから、俺は答える。


「広範囲の攻撃魔法を放ってスタンピードの数の脅威を無くす」

「そんな魔法を使えるの?」

「……夜中にこっそりと鍛練してた」

「トイレかと思っていたら、ライカはそんな事をしていたの!?」

「あ、ああ」

「……帰ったら、正座説教よ!」

「それは無いだろ、ユリナ」

「決定事項よ!」


 ……マジかよ。


 こうなったら、この行き場の無い鬱憤うっぷんをモンスターで晴らしてやる!


 そんな事を考えていると……


「ライカ様、先頭のモンスターとの距離が800mを切りました」

「分かった」


 俺は精神の集中を始めた。


 ……いくぜ!


いにしえの盟約と我が血の誓約に従い、く応えよ!

 雷光の太刀を鞘より解き放ち、祭壇を背に誓う。

 睥睨へいげいせし愚者共に、天空より幾重いくえ雷槌いかづちを下し、等しく滅びを与えん……雷轟爆閃嵐ボルティック・ストーム!」


 俺の呪文詠唱に因って、そらは曇天となり次第に稲妻が走る雷雲となる。

 そして、俺が第8位階魔法である「雷轟爆閃嵐ボルティック・ストーム」を放つと、スタンピードのゴブリンの群れを中心に大落雷の嵐が吹き荒れ、スタンピードの総数を1割以下にまで減らした。


「……凄い!」

「……凄まじい魔法です!」

「……凄いのじゃ!」


 ……必死に頑張った甲斐があったな。


「これで、ゴブリンの群れは200匹ぐらいにまでなったし、オークやオーガも数が30匹以下になったし大丈夫だろう」

「そうね」

「俺達は、残った大物を狙う」

「……」

「はい!」

「暴れるのじゃー!」


 強い意気込みの中、ユリナが心配顔で俺に言った。


「……ライカ」

「どうした?」

「あれだけの魔法を放って、大丈夫なの?」

「大丈夫だ。 俺の魔力量が多いのは知っているだろう?」

「……そうだけど」

「ユリナ」

「何、ライカ」

「俺達は、もっと強くなって世界の色々な所に行くんだから、この程度で歩みを止める訳にはいかない、分かるよな?」

「……う、うん」

「だったら、前を向いて歩こうぜ」

「……うん!」


 ユリナが納得した後、俺達はスタンピードの最後尾に向かって移動を開始した。


 俺達に向かってくる上位のモンスターを、蹴散らせながら最後尾に到着したが、ひらけた場所に居たのは貴族的な衣装を着たイケメン1人だけだった。


「……誰だ?」

「おや? 此処まで来られる方がいるなんて驚きましたよ」

「誰だ?」

「しかし、4人だけですか」

「お前は誰だ?」

「もしかしたら、時間稼ぎの捨て石かも?」

「答えろ! お前は誰だ?」


 俺は、後ろ手でハンドサインを送り、臨戦態勢を取らせる。


「……無視するのは飽きましたし、殺す前に対応してあげるとしましょう。

 初めまして。 そして、さようなら。

 私、魔王様の下僕しもべでカインザラと申します。

 短い時間ですが、お見知りおきを」

「「「「……魔王!?」」」」

「では、さようなら」

「……くっ!」

「おや? 凌ぎましたか」


 いきなり闇槍ダークランスを放ちやがった!

 咄嗟だったから、掌に魔力を込めて捕手キャッチャーみたいに受けるだけで精一杯だった。


 ……強い。




 しかし、相手が油断している内に倒す!


「全力だ!」

「うん!」

「はい!」

「のじゃ!」


 俺達は、カインザラに対して連係して攻め続ける。


 ……大体7分後に、奴は言った。


「まあまあの連係ですね」

「ちぃ!」

「しかし、私を滅ぼせる程の威力は無い!」

「ぐはっ」

「ぎぃっ」

「がはっ」

「のじゃー!」


 奴の一撃で、俺以外が倒れた。


「ライカ……」

「ライカ……様」

「我が……ある…じ」


 致命傷じゃないみたいだが、動ける状態じゃない。


「残りは貴方だけですね」

「……」


 俺は奴に警戒しつつユリナ達に近付き治癒魔法を放つ。


 しかし……


「回復させるのは構いませんが、痛みが長引くだけですよ」

「……」


 ……使うしかないか。


「……幻想武装ファンタズマフォーム

「……な!?」

「「「「……え!?」」」」


 俺の切り札「幻想武装ファンタズマフォーム」だ。

 簡単に言えば、ダイ大の「竜魔人化」だ。

 ユーリ姉ちゃんから貰ったスキルの1つだけど、外見が竜魔人化と同じで変わるから使いたくなかったが、死んだら終わりだ。


 因みに外見は、スーパ○サ○ヤ人4の毛皮の部分が竜鱗になったみたいな感じで、顔もかなりワイルドで険しい表情になる。


「貴様を殺す」


 ……心は冷徹になり、言葉使いも変わる。


「外見が変わった程度で……ぐはっ」

「もう、貴様が攻撃する機会は……無い!」


 俺は、一方的に攻撃を続けた。


「……ハァハァ」

「ライカ……す、凄い」

「……次で殺す」

「お、お前は危険だ!」

「それが、最期の言葉か?」

「魔王様に、僅かでも不安を残す訳にはいかない!

 例え、この命を代償にしてでも! ぐぅ……」


 奴は、自分で自分の胸を貫き心臓を抜き出す。


「我が命を代償に捧げる!」


 奴が、そう言った瞬間に抜き出した心臓は消失し奴は倒れて、俺の足下には二重の魔法陣が発生した。


 まさか!?


「……こ、この世界から、消…えろ」


 奴は死んで灰となり散った。


 ……う、動けない!


「リンとランに命令する。 次の俺の命令があるまで、俺のお前達に関する全ての権限をユリナに委任する!」

「ライカ様!?」

「我が主!?」


 俺は、親父から預かっている中身有りのマジックバッグをユリナに投げる。


「ユリナ!」

「ライカ!?」

「3年だ! 3年以内に必ず還ってくる!

 待っててくれ!」

「ライカー!」


 ……俺は魔法陣で、何処かに転移した。





厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。


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