……ほぅ、言ってくれるな。
自分の立場が分からないと……
時間一杯、読書に勤しんだ俺達は、メイド達に案内されて風呂に入り、向こうからの着る服の提供が無かったから、洗浄を使って綺麗にした冒険者の衣装で夕食に参加した。
勿論、この食堂にはゼノヴィル伯爵令嬢は居ない。
まあ、その代わりにリグランデ公爵と、その娘かもしれない令嬢が1人居る。
その令嬢が言った。
「何故、冒険者如きが居るのよ!」
「よさないか」
「いいえ、お父様は黙ってて! それに獣人族で、しかも奴隷という卑しい存在まで!」
……ほぅ、言ってくれるな。
「リグランデ公爵。 どうやら、貴方の娘は素晴らしい考えをお持ちの様だな」
それなら、俺も言わせて貰おうか。
「済まない、ライカ殿」
「俺だけですか?」
「済まない。 リン殿にラン殿」
「お父様!?」
「どうやら、サリタシアには徹底的な再教育が必要な様だな」
リグランデ公爵が待機していたメイドに視線を送ると、メイドは一礼をしてサリタシアを優雅ながら強制的に退室させた。
……当然だな。
「改めて謝罪する。 申し訳なかった」
「正直に言っても良いか?」
「構わない」
「それでは言うが、あの娘が、この城塞都市を崩壊させるかもしれないな」
「……」
「もっと言えば、あの娘だけじゃなく他の息子達や娘達も、その可能性が有るし、母親も怪しいな」
「……」
「更に言えば、数年後には違う領主が治めているかもな。 表向きの交代理由は、綺麗かもしれないがな」
「……」
……翌日には領主館を出た。
まあ、領主の家族やゼノヴィル伯爵令嬢が居るから油断出来ないとはいえ、城塞都市は冒険者にとっては図書館や、武器防具に魔道具と、魅力的な場所だ。
俺達の居場所はバレるだろうが、暫くは居るつもりでいる。
ちょっと高いが馬車も泊まれる宿屋を見付けて4人部屋を取る。
俺達は散策する事にしたのだが、流石は城塞都市と言われるだけの外周の城壁だったが、中は他の都市と同じだった。
勿論、武器防具に魔道具の工房や、店は他の都市よりも質も高く多く感じだ。
「品揃えは良いし、見た事も無い形状の武器もあるのね」
「そうだな。 5日ぐらいゆっくりしようか」
「うん!」
「はい!」
「のじゃ!」
そして、時折現れて絡んで来るチンピラ達には所持金と装備品等を全て没収後に、無料宿泊施設へと送った。
???side
「何故、私が我慢しないといけないのよ!」
「そうですとも」
「世が世なら、私は国王の横に並ぶ王妃にもなれる血統と身分を持っているのよ!」
「左様でございます」
「分かっているのなら、貴方がすべき事は分かっているわよね?」
「勿論ですとも」
「分かっているのなら、行ってきなさい!」
「畏まりました」
……使い易いお嬢様だな。
オレのウソを簡単に信じて、アレコレと用意してくれるし、便宜も図ってくれるからな。
それじゃあ、お嬢様の「ご命令」を始める前に、オレの準備も出来たから「計画の開始」を外のアイツに伝えとかないとな。
ライカside
「我が主! アレ、美味しそうなのじゃ!」
「よし、買おう」
「やったのじゃ!」
「ラン!」
「リン。 その程度に目くじらを立てるな」
「しかし……」
「ほら、リンも」
「んぐ……」
買った肉串から、1本をリンの口内に入れる。
「……」
「美味いだろ?」
「……はい」
こんな感じで散策する。
因みに、ユリナは肉串の肉を頬張っていて無言だ。
午後は、リンの要望で城塞の外に出てモンスターの討伐をしたのだが……
「モンスターが、少ないですね」
「多分、冒険者が多いからだろうな」
「そうかもしれませんね」
「つまらないのじゃ」
思っていたよりも狩れなかったが、城塞都市には冒険者が多いからだと判断した。
翌日も、午前中は散策して、午後からモンスターの討伐をした。
次の日も午前中は散策をしていると、裏の汚い仕事もしている風のチンピラ18人に囲まれた。
「死にたくなければ、付いて来い」
「……分かった」
俺達は、街以上の規模なら大抵存在するスラム街に到着する。
「装備を解除しろ」
「何故だ?」
「貴様、状況が分かっていないのか?」
「さあな」
「……やれ」
リーダーらしき男の指示に従い3人が俺の前に立つと……
「おらぁ!」
いきなり殴り掛かってきた。
周りの連中はニヤニヤ笑っている。
……同罪確定だ。
「風撃弾」
「「「「「「ぎぃ……」」」」」」
……5秒
「「「「「「がっ……」」」」」」
……5秒
「「「「「「ぐっ……」」」」」」
「……はい、終了」
俺の風撃弾で、連中の右膝を完全に潰したから、ポーションしか治癒手段が無いなら詰んだ状態にした。
「黒幕は誰だ?」
「……」
リーダーらしき男に聞いたが無言だ。
「風撃弾」
「ぎゃあああーーー!」
……左膝を風撃弾で破壊する。
「黒幕は誰だ?」
「サリタシアお嬢様だ!」
……ふ~ん。
「風撃弾」
「ぎぃ…ぎゃあああーーー!」
……右肘を潰した。
「本当は?」
「ほ、本当だ!」
「風撃弾」
「がぁあああーーー!」
……左肘を潰す。
「だから、黒幕は誰だよ?」
「ほ、本当に本当なんだ!」
「はぁ……風撃弾」
「ぎぃあああーーー!」
……右耳を吹き飛ばす。
「……残りが有る内に吐けよ」
「本当なんだ! 信じてくれ!」
「吐け。 ……風撃弾」
「ぎぃぎゃあああーーー!」
……左耳を吹き飛ばす。
「強情だな。 ……で?」
「……」
「風撃弾。 ……残りは16匹」
「……このガキ!」
「人を壊す事、殺す事を何とも思っていない奴らには、俺も何とも思ってないからな」
……前世から、そうだ。
……腐ったクズには、心は必要無い。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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