それなりの危険が有るって事だ
一期一会は大切に。
都市レンティエゴの冒険者ギルドに到着した俺達は、受付嬢の所に行って「ギルドマスターに報告が有る」と伝えると、受付嬢が「少しお待ちください」と言ってカウンターから離れた。
数分後に、先程の受付嬢が3階のギルドマスター用の応接室に、俺達は案内された。
更に数分後に応接室にギルドマスターが入ってきたら、前口上無しで「何が有った?」と聞いてきたから、普通に話した。
「……壊滅か」
「信じられないだろうけど、事実よ」
「ミリンダが言うのだから、事実なんだろう」
「それで?」
「ミリンダ達『銀翼』の指名依頼の報酬は払えるが、オーガの集落の壊滅の報酬は3日後にしてくれ。
確認する時間も必要だからな」
「分かった」
「ミリンダ達も、3日後に来てくれ」
「私達は何もしていないわ」
「来てくれ」
「……分かったわ」
ギルドマスターの指示で、ミリンダ達が先に退室したのだが、まだ何か有るのか?
「実は、個人的に仕事を頼みたい」
「聞くだけなら」
「感謝する。 仕事の内容だが、知り合いの娘を護衛して欲しい」
「「護衛を?」」
「ああ。 知り合いの娘は少々男性恐怖症で、男性だけの冒険者パーティには依頼出来ないんだ」
「それなら、ミリンダ達に依頼したらどうだ?」
「いや。 残念ながらミリンダ達では実力不足だ」
「確かに、ミリンダ達には圧倒的な戦闘力を持っている訳では無いが、充分な実力が備わっているが?」
「確かにそうだが、私が入手した情報から都市の暗部が動いたという事だ」
「……なる程な。 確かに、そんな連中が相手にするなら、ミリンダ達には少々荷が重いな」
「そういう事だ。 引き受けてくれるか?」
「期間は?」
「4日後に出発予定で、目的地の街のカサンジラに2日後に到着予定だ」
「帰りは?」
「帰りは必要無い。 向こうの人物に引き渡せば完了だ」
「分かった。 報酬は?」
「金貨7枚だ」
「かなりの高額だな」
「それなりの危険が有るって事だ」
「俺達が用意する物は?」
「特に無いが、片道だから馬車を置いていくなよ」
「分かった」
ユリナを見ると頷いたし、リンとランも同じだ。
「その依頼、俺達『星屑』が引き受けよう」
この後、もう少し細かく話し合いをして終了した。
領主館に戻り、狙い通りに空腹になった俺達は美味しく夕食を頂き、風呂に入り就寝した。
翌日は、護衛の依頼もあるから、旅に必要な物資を揃える為にヴァネサの商会に向かった。
「これはこれは、星屑の皆様方」
「早速、買わせて貰うよ」
流石は、この都市第1位の商会だ。
量・質と共に充分な品揃えで、つい「必要無いが、有れば便利」な物まで買ってしまった。
……後悔は無い!
「ライカ様、食材まで売っています!」
「買おう!」
食材も、時が止まっている我が「倉庫」が有る為に買いまくった。
「我が主、調味料も有るのじゃ!」
「買いだ!」
まあ、食材が有るんだから当然だよな。
「ライカ、綺麗な服も売っているわ!」
「5着までだ!」
……時間の割合が、道具・食材・調味料=服となったのは、何歳であっても「女性の買い物」だからか?
俺は疲れた顔を笑顔で隠して、ユリナ達が選んだ服の会計を済ます。
「ご、合計で、だ、大金貨6枚となります」
4割引きじゃなかったら、白金貨だったな。
「凄く買ったわね」
ヴァネサが、会計が済んだ後に現れたから、軽く雑談をしたが、どうやらヴァネサは父親の商談に同行していたらしい。
ヴァネサの商家では、性別に関係なく、商人として一人前になるまでの教育を受けるみたいだ。
「3日後には、この都市を出るからな」
「……分かったわ。 商人が冒険者を縛る訳にはいかないわね」
「悪いな。 その代わりに、この都市に来たら必ず顔を出すからな」
「約束よ」
「ああ、約束だ」
俺達は、ヴァネサの商会を後にした。
「後は……」
俺はある事を思い付き、一旦領主館に戻りバリオスは馬屋に残して馬車本体を「倉庫」に仕舞う。
「馬車をどうするの?」
「ちょっとな」
ちょうど執事のべリズが居たので聞いてみた。
「それなら……」
俺達は、執事のべリズから聞いた馬車を売っている商会に行き、俺達の馬車の改良を依頼した。
簡単な改良だから今日中に出来るみたいで、明日引き取る事になった。
翌日は、改良済みの馬車を引き取り、都市を出てモンスターを狩り、領主館で美味しい夕食に舌鼓を打った。
「明後日、この都市を出る」
「分かった。 寂しくなるが、冒険者を縛る訳にはいかないからな」
次の日は、俺達は冒険者ギルドに向かった。
「3日振りね」
「3日振りだな、ミリンダ」
全員が揃った事で、3階のギルドマスター用の応接室に案内される。
14分後にギルドマスターが入ってきた。
「待たせたな。 それで、皆に来て貰った理由だが、大した事じゃない。
単純にオーガの集落の壊滅報酬の為だ」
どうやらギルドマスターは、ミリンダ達の今後の成長を願っての事みたいだ。
まあ、ミリンダ達は最初は報酬を断っていたが、最後はギルドマスターに説得されて報酬3割を受け取った。
……因みに、報酬は全額で大金貨2枚だ。
「達者でな、ミリンダ」
「貴方達もね」
俺達はミリンダ達に、明日、都市を出る事を伝えて別れの挨拶を済ませると、ミリンダ達は先に退室した。
「またか」
「そういうな。 護衛対象の顔合わせが、まだ済ませていないしな」
「そうだったな」
俺が、そう返すとギルドマスターが応接室に置いてある呼び鈴を鳴らす。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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