まだ諦めないで!
主人公が動けば、イベントも動く。
「先ずは、星屑のお前達には冒険者ギルドから、正式に二つ名が贈られる」
「冒険者ギルドから二つ名が!?」
「ああ。 まあ、あの悪名高い盗賊団をたった4人で潰せばなぁ」
「それで、どんな二つ名だ?」
……まさか…な。
「その二つ名とは『盗賊殲滅者』だ」
「……ぶっ!」
「大丈夫?」
「大丈夫だ、ユリナ」
「本当に大丈夫ですか?」
「本当に大丈夫だ、リン」
「大丈夫なのじゃな?」
「ああ。 大丈夫だ、ラン」
大丈夫と言ったが、内心ではパニックになった。
なんせ、字が違うとはいえ、彼女と同じ二つ名だからな。
……光栄であり恐縮な二つ名だ。
「後は、盗賊に関する事は、星屑が優先される」
つまり、盗賊とかの情報は、俺達が優先して手に入るという事だな。
「以上だ」
ギルドマスターから退室の許可を得たから1階に降りると、受付嬢が居るカウンター辺りが騒然としていた。
「……いいから呼べ!」
「ですから……あ!」
対応していた受付嬢と目が合った。
そして、受付嬢が「来い来い」と手を振る。
「俺?」
「はい。 此方の方々が皆さんの面会を求めています」
俺に面会だなんて、誰だ?
「昨日振りですね」
「……?」
「もう忘れたのですか?」
「え?」
「……それなら、部屋をお借りしますね」
「畏まりました。 ご案内します」
……彼女は、この都市の第1位の商会の娘だったのと同時に、俺が盗賊団から救けた囚われていた少女の1人だった。
「あの時は、大したお礼も出来ずに申し訳ありません。
それで、改めてお礼をしたいのですが、お時間はよろしいでしょうか?」
ユリナを見ると頷いた。
「分かった。 だが、宿泊は無理だからな」
「分かりました」
こうして、救けた少女の1人である「ヴァネサ」に案内されて、彼女の家に向かった。
「着いたわ」
そう言って、俺達は裏口から入った。
「「お帰りなさいませ、ヴァネサお嬢様」」
「彼を連れて来たわよ」
「「……!」」
「この2人も、あの場に居たのよ」
「そうか」
そんな訳で、俺達への歓迎会が開かれた。
「ご馳走さま。 美味しかったよ」
流石は都市で第1位の商会で、あらゆる伝手を使い集めていた食材を使った料理は珍味もあって、とても楽しく美味しかった。
更に……
「ライカ様。 是非、当商会で買い物をしてくださいませ。
全品4割引きにしますので」
「分かった。 是非、買わせて貰う」
こんな風に、優遇された。
この後、俺達は都市を出て周辺の森で狩りをしたが、このままだと領主館での夕食が喉を通らないからだ。
……ユーリ姉ちゃん。 やっぱり、俺の因果律を弄っただろう?
「もう、ダメよ」
「まだ諦めないで!」
「でも……」
森で、戦闘の気配がしたから行ってみたら、絶対絶命のシーンに遭遇した。
「俺達は冒険者だ。 助けが必要か?」
「救けて! お礼はきちんとするわ」
「分かった」
絶対絶命のシーンを作り出していたモンスターの、オーガ5匹の内4匹を俺達は首切りの一閃で瞬殺した。
そして……
「動けない程の重傷じゃないだろ?
残り1匹、狩れるよな?」
「……当然よ!」
絶対絶命だった6人の女性冒険者達は、残った1匹のオーガに対して、連携して討伐した。
「救けてくれて感謝するわ」
「それで、悪いけど誰かポーションを持ってないかしら」
「それなら、俺が回復魔法を使える」
「お願い出来る?」
「勿論、その分も上乗せするわ」
「分かった。 ……小治癒」
「ありがとう!」
動けない程の重傷では無いが、何もしないのは少々危険な傷を治癒した。
「……詠唱破棄!?」
「若いのにやるわね」
「兎に角、助かったわ」
この後、何故、先程の様な状況になったかを聞いた。
先ずは、彼女達はCランク冒険者パーティ「銀翼」で、依頼で森での貴重な薬草の採取を終了した所を、オーガ1匹の襲撃を受けたが連携して討伐した。
しかし、その直後に5匹のオーガに強襲され逃亡を選択したが、追い掛けられて先程のシーンな訳だ。
「……集落が有るわね」
「そうだな」
「私達は、冒険者ギルドに報告するわ」
「それは構わないが、どうせなら集落の壊滅の報告の方が良くないか?」
「何を言って……まさか!?」
「見ていただろ? 俺達がオーガを討伐するのを」
「「「「「「……」」」」」」
「そして、激戦の末での勝利ではなくて、首切りの一閃で瞬殺だ」
「……分かったわ」
「「「「「ミリンダ!?」」」」」
「あのオーガ4匹を、まるでゴブリンを狩るみたいに討伐したのよ」
「そうだけど~」
「彼らの実力は本物よ」
「「「「「……」」」」」
「決まったか?」
「決まったわ」
リーダーのミリンダの判断に従って、残った5人も決意したみたいだ。
でもな……
「何か勘違いをしていないか?」
「勘違い?」
「ああ。 オーガの集落を発見したら壊滅させるが、動くのは俺達だけだぞ」
「ちょっと待って! それは本気なの?」
「当然だ」
「危険過ぎるわ!」
「大丈夫だ」
「……分かったわ。 でも、貴方達が危ないと思ったら、救けるから!」
「それで良い」
因みに、ユリナ達は呆れた顔をして頷いていた。
「全く、ライカったら」
「しょうがないですね、ライカ様は」
「しょうがないのじゃ!」
こうして、ユリナ達の了解を得た所で、ミリンダ達に案内されて、最初にオーガに襲撃を受けた場所に向かった。
「……見付けた!」
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