……ライカ様は化け物?
馬車の強化は……
2人の外見を調えた後は、冒険者ギルドに行って冒険者登録をした。
……その後にテンプレが発生した。
「良い女を連れているじゃねえか」
「ガキ! 死にたく無かったら、女と服と靴以外を置いて消えな」
「命だけは見逃してやる」
「ガキは消えろ」
台詞だけなら、盗賊と同じ事を言っているチンピラ冒険者共。
「断る」
「……何ぃ?」
「そんな台詞は、ゴブリンの雌にプロポーズが成功してから言え」
「「「……ぶ、ブっ殺す!」」」
「リン! ラン! 痛め付けて無力化しろ」
「分かりました」
「分かったのじゃ!」
……武器を抜けばなぁ。
2分後に、俺の指示で気絶中のチンピラ冒険者共から冒険者カードと服と靴以外を徴収するリンとランが居た。
そして、それらの買取金は……
「合計で、大銀貨4枚と銀貨8枚になります」
……まあまあだな。
冒険者ギルドを後にした俺達は宿屋に向かう途中で言った。
「ああやって、絡んでくるバカは、死ねとか殺すとかいった直接的な言葉を使わずに、煽って先に攻撃させるか、武器を抜かせてから叩くんだ」
「承知しました」
「分かったのじゃ!」
宿屋に到着すると、2人部屋から4人部屋に変更する。
リンが遠回しにユリナを気遣ったが、ユリナ自身がリンとランの「ケモノ耳とケモノ尻尾」をモフモフしたいから喜んでいた。
因みに、獣人族の「ケモノ耳」は、本人が許可すれば誰でも触れるが、雌の獣人族の「ケモノ尻尾」は、家族なら母・姉・妹の同性なら触れて、家族であっても異性の父・兄・弟は触れない。
異性で触れるのは、お互いに生涯を誓い合った「番」か、生涯賭けて仕えると決めた「主人」だけだ。
因みに、獣人族は奴隷になっても、命を捨ててでも抵抗するから、獣人族の「ケモノ尻尾」は誰も触らないのが常識だ。
さて、人数が一気に倍になってしまったが、俺達のやる事は変わらずで、森に行ってモンスターを狩り、薬草を採取する。
今回からは、リンとランの戦闘力を確かめる模擬戦が追加された。
冒険者ギルドで基礎的な戦闘能力を確かめてから森に行き、実戦で確認をする。
どうやら、Cランク相当の戦闘力を持っているのは事実みたいだ。
この後は、2人に俺なりの戦闘理論を教えて身に付けて貰った。
「私が習った戦闘理論は……」
リンは、少々ショックを受けていた。
「楽しいのじゃー!」
ランは喜んでいた。
因みに、ランの短剣二刀流は雑魚用で、相手が強者の場合は素手でヤるらしいから、ファンタジー系寄りのバトル漫画のアレコレを教えたら、性に合っていたのか直ぐに身に付けた。
一方リンには、土属性魔法を十全に扱えるが、戦闘時には「土壁」を出現させるか、遠距離では土槍とかを放つだけだったから、往年の「土ボコ」や目潰し前提の「土槍」の使い方等を教えたら、何かに目覚めたのか、リンは一気に土属性魔法が「使える」様になった。
……3日後には、彼女達は俺の練習相手が出来る程になった。
「……ライカ様は化け物?」
「……つ、強いのじゃ!」
「そうでしょう?」
ユリナ、幼馴染なら化け物呼びを否定してよ。
そんな日々の中で、ちょっと自然破壊をして心を痛めたが、森に入って少し奥に広い「更地」を作って皆と魔法有りの模擬戦をしていると、魔力探知で俺達に向かっているモンスターがいたのが分かった。
「モンスターが接近中だ。 皆、身構えろ」
「分かったわ!」
「分かりました!」
「分かったのじゃ!」
……約1分後に現れた。
現れたのは冒険者ギルドで認定された上位Aランクモンスターの「黒曜馬」だ。
……ん!
ちょっと待てよ。
もしも……
「俺だけでやる!」
「ライカ、大丈夫?」
「大丈夫だ」
「良いのですか?」
「構わない」
「頑張るのじゃ!」
「ああ!」
……と、言っても甚振るのは趣味じゃない。
「……覇!」
だから、身の内に抑えていた魔力を「全解放」した。
「「「「……!?」」」」
黒曜馬は「Bururu…」と嘶いた後は、俺の前に来て頭を下げた。
「今日からお前の主は俺で、名前は『バリオス』だ」
黒曜馬は、強く高く嘶いた。
「結局、ライカは何をしたの?」
「馬車を引く役目をバリオスにして貰う」
「……え!?」
「今、馬車を引いている馬は普通だ。 それにユリナが可愛がっている。
そんな馬が、旅の道中に誰かに狙われて毒矢で死ぬ所なんか見たくないだろ?」
「……うん」
「だから、ある一定以下の毒では死ぬ事が無い上位Aランクモンスターである『黒曜馬』に、馬車を引く馬をやって貰う」
「……分かったわ」
翌日の早朝に出発して、辺境の都市ランルーザに向かった。
勿論、町に戻ると大騒ぎだ。
上位Aランクモンスターが悠然と歩き町に近付くんだからな。
時間は掛かったが、何とか信じて貰えて町に入る事が出来た。
直ぐに、冒険者ギルドに行きバリオスとの従魔契約を交わして、冒険者ギルド発行の従魔用のスカーフをバリオスに取り付けた。
因みに、バリオスとは人族同士の会話みたいなのは出来ないが、YES・NOみたいな意思疎通なら出来るから聞いてみたら、バリオスが強襲を掛けて来たのは、俺の魔力を感知して本能的に走り出したらしい。
さて、道中は出来なかった野営が出来る様になった。
俺とユリナが前半の寝ずの番を、後半をリン達が寝ずの番をした。
通しでバリオスも参加した。
どうやら、バリオスは4日や5日は完徹しても問題が無いらしい。
流石は弱肉強食の中で生きる上位Aランクモンスターだ。
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