籠雲水ノ章
掲載日:2025/11/03
鬱然とした霧の森を歩く
揺れる光を導に辿れば抜けた先には燈明の国
其処には幾重の人の背があり
誰もが何処かへ歩いてる様
奥を見やれば煌々の光
魅惑にさえ似た燈明の火かな
誰もが向かう、僕に気付かず
うら寂しさは私の目を歪ます
光の先にはよく見りゃ奈落
何万度の火花が海の如く吹くよ
僕は呆れて背を向け戻る
人の背を見て生きてくなんて
惨め滑稽の極みとな
陽の光が反射し森の木を照らす
その様何とも壮観にも似て
僕は燈明の道理を得た
今一度振り向く、人の背を見ようと
然し人は背などは見せず
誰もが僕を僕の目で射貫いてる様
その誰もが僕だと知る夜
これが燈明の道理と得た




