【第2話】悪魔との同棲生活、始まりました(断ってないけど)
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「ねぇユウト。私、今日からここに住むから♡」
「はああああああああああああ!?」
放課後。
部活にも寄らず帰宅した俺の部屋に、当然のような顔してリリィ(ちびver)が座っていた。
しかも、ベッドの上で足ぱたぱたさせながら、プリン食ってる。
「お前、なんでここに!? 鍵は!? てか、誰が入っていいって……!」
「悪魔だから♡ ていうか、契約者の部屋に入るの、当然でしょ?」
「当然じゃねぇぇぇぇっ!」
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話を聞けば、悪魔は契約者の“深層欲求”を通じて場所を特定できるらしい。
無意識に「帰りたい」と思っただけで、契約者の“場所”へワープ可能。
つまり――俺の無意識が、こいつを呼び寄せたってことになる。
おい、俺の深層、正直すぎるだろ……。
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そして夜。
何が起きたかというと――
「ねぇユウト、寝る時、抱き枕になって♡」
「お断りします!!」
「じゃあこうするっ!」
リリィが俺の腰にぴょんと抱きつく。
その瞬間、**ぼふっ!**と何かが炸裂するように、魔力が溢れ出した。
「や、やば……また変身スイッチ入ったかも♡」
「はぁああ!? やめ――」
黒い炎がリリィを包み――あっという間に、大人モード発動。
目の前には、色っぽすぎる美女。
胸元、開きすぎ。太もも、眩しすぎ。顔が近すぎる。
「……さっきから、ず〜〜っと思ってたけど」
リリィ(Sモード)が、耳元に息をかけながら囁く。
「ユウトくん、ずいぶん“妄想”してたよね? あたしが“こうだったら”って、頭の中で何回も♡」
「うわああああああああああっ!やめろおおおおお!」
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ガチャッ!
「ただいま〜ユウトー……って、あんた、何やってんの?」
……玄関から、妹の声。
「……あ」
俺の上に、S悪魔が跨ってる状況で。
「……違うんだ、これは、事故というか、魔法的ななにかで……!」
「……」
「妹よ……その目はやめてくれ」
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かくして、俺の人生は終わった――と思ったが、これはまだ“はじまり”に過ぎなかった。
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次回予告(第3話)
【第3話】契約の代償と、もう一人の“契約者”――
> リリィと暮らす日常に、ある異変が起こる。
鏡に映らない影。
学校の中で、声だけが響く不気味な空間。
そして、もう一人の“悪魔と契約した者”が現れ――
「契約は、代償を払うんだよ。君も、彼女も、いずれね」