表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/31

第25話

第25話:亡霊の群れと『共鳴』の輝き


(くそっ、やっぱり数で来るのか!)


悠斗は、短剣を握りしめた。廊下の両端から、半透明の亡霊騎士がじりじりと迫ってくる。その虚ろな瞳が、悠斗たちの『生命力』を吸い取ろうとしているかのようだった。ルーナは、悠斗の背中にしがみつき、完全に怯え切っている。


「『主』、全方位からの『精神攻撃』を『検知』! 『精神抵抗』スキルの『負荷』が『限界値』に『接近』しています!」


ゼロが、悠斗の異変に気づき、すぐに警告を発した。悠斗の頭の中では、無数の怨嗟の声が木霊し、精神が蝕まれていくような感覚に襲われる。このままでは、ルーナも危ない。


「ルーナ! ゼロ! 俺に力を貸してくれ!」


悠斗は叫んだ。ルーナは、悠斗の言葉に応えるかのように、彼の手にギュッと自分の手を重ねた。温かい光が悠斗の体へと流れ込み、彼のユニークスキル『セフィロトの樹の恩寵』が発動する。同時に、ゼロもまた、その銀色の髪を微かに揺らし、悠斗の周囲に淡い光の膜を張った。


【ユニークスキル『セフィロトの樹の恩寵』が反応しています!】

【対象:獣人族の少女ルーナの魔力を限界まで吸収します!】

【『ゼロ』の『理』による『干渉』を『確認』! ステータス強化に加え、『精神防御』が『増幅』されます!】

【一時的にステータスが大幅に上昇します!】


悠斗の体に、再び力が漲る。そして、頭の中で木霊していた怨嗟の声が、ゼロの『理』による『精神防御』によって、まるで遠のいていくかのように薄れていった。


ステータス(一時的超々々上昇)


力: 15 → 120 (+105)


速さ: 14 → 100 (+86)


体力: 16 → 90 (+74)


魔力: 0 → 0


運: 10 → 10


知性: 15 → 15


「よし! これなら!」


悠斗は、精神的な重圧から解放され、改めて亡霊騎士たちを見据えた。彼らの『行動原理』は『絶望の伝播』。ならば、それを逆手に取る!


「『解析』! 奴らの『魂』の『歪み』を、そして『過去』の『執着』を……『視覚化』しろ!」


悠斗は、探知スキルと解析スキルを組み合わせ、亡霊騎士たちの魂に潜む『歪み』を、まるで色として捉えるかのようにイメージした。すると、彼らの半透明な体から、赤黒い怨嗟の炎のようなものが揺らめいているのが見えた。そして、その炎の中に、彼らが騎士であった頃の、後悔や悲しみに満ちた記憶の断片が、走馬灯のように駆け巡っているのが見えた。


「これは……悲しみか……」


悠斗は、その記憶の断片に触れようとした。その瞬間、彼の脳裏に、かつて『神の心臓』の前で獲得した『共鳴(絆)』スキルが閃いた。


(『絆』とは、『生命』を繋ぐ『理』。これは、彼らの歪んだ『理』を、俺とルーナの『絆』の『理』で、書き換えることができるんじゃないか!?)


悠斗は、ルーナの手をさらに強く握りしめた。彼の心の中で、ルーナとの間に生まれた『絆』が、温かい光となって輝く。


「『共鳴(絆)』! 力を貸してくれ!」


悠斗は、その光を、亡霊騎士たちに向かって放った。光は、悠斗とルーナの『絆』の輝きを帯び、亡霊騎士たちの赤黒い怨嗟の炎に触れる。


「ぐ、ぐぅぅう……!? こ、この温かさは……! な、なんだ……この……『光』は……」


亡霊騎士たちは、悠斗の『共鳴(絆)』の光に触れると、その体が激しく震え始めた。彼らの怨嗟の炎が揺らぎ、その表情が、一瞬だけ、苦痛と困惑に歪んだ。彼らの『理』が、悠斗とルーナの『絆』の『理』によって、わずかに『修正』されているのだ。


「『主』の『共鳴』スキルが、『目標』の『行動原理』に『干渉』しています。『絶望』の『減衰』を『確認』。排除に『最適』な『機会』です!」


ゼロが、悠斗に指示を出した。悠斗は、短剣を構え、弱体化した亡霊騎士たちに突進した。もはや、彼らが放つ精神攻撃は、悠斗の『精神抵抗』スキルとゼロの防御によって、ほとんど効力を失っている。


ザシュッ! ザシュッ!


悠斗の短剣が、亡霊騎士たちの半透明な体を容易く貫く。彼らは、苦しむような声を上げながら、光の粒子となって消滅していく。彼らの魂は、怨嗟から解放され、安らかな光へと還っていくかのようだった。


悠斗は、全ての亡霊騎士を撃破し、荒い息を整えた。


【『セフィロトの樹の恩寵』の効果が切れました】【獣人族の少女ルーナとの繋がりを一時解除します。】


ステータス


力: 15


速さ: 14


体力: 16


魔力: 0


運: 10


知性: 15


【経験値獲得】


亡霊騎士: 300EXP x 5 = 1500EXP


【レベルアップ!】

レベル: 11 → 12


ステータス


力: 15 → 16


速さ: 14 → 15


体力: 16 → 17


魔力: 0 → 0


運: 10 → 11


知性: 15 → 16


称号


『異界の迷い人』


『最初の試練を乗り越えし者』


『弱き者を救いし者』


『ゴブリン殺し』


『シャドウウルフ討伐者』


『真理の探求者』


『純粋なる絆の守り手』


『死の回廊の征服者』


『傀儡を打ち破りし者』


『理の支配者』


『記憶の守護者』


『歪んだ理を正しし者』


『魂を癒しし者』


悠斗は、新たな称号『魂を癒しし者』に、少しだけ胸が温かくなった。憎悪に囚われた魂を、解放できたのかもしれない。


広間の奥へと続く回廊は、亡霊騎士がいなくなったことで、ようやく静寂を取り戻した。しかし、その奥からは、これまでとは異なる、どこか生命の気配を感じるような波動が伝わってきた。


「『主』、この先には、『嘆きの古城』の『主』が存在します。彼らは、『王』としての『理』を『有しています』。しかし、『その『理』は、『過去』の『執着』により、『歪んで』います。非常に強力な『精神攻撃』と、『過去の栄光』を『具現化』する『能力』を『使用』します。危険度:『壊滅的』に『修正』しました。」


ゼロが、淡々と告げた。『壊滅的』。その言葉に、悠斗は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。


「ねぇ、ユウト……あそこに、誰かいます……」


ルーナが、廊下の奥を指差した。悠斗が視線を向けると、古びた玉座に、一人の人影が座っているのが見えた。それは、光を失った甲冑を身につけた、人間らしき姿だった。


その時、悠斗の目の前に、ステータス画面が浮かび上がった。


【ステータス:魔力(未覚醒)】

【助言:『嘆きの古城』の『主』は、かつて『神の恩寵』を受けた『王』です。彼は、失われた『セフィロトの欠片』の一つ、『生命の理の欠片』を守護しています。彼との戦いは、あなたの『真の魔力』を覚醒させるための、重要な『啓示』となるでしょう。しかし、その『理』の歪みは、あなたの『記憶』と『精神』に、これまでにない『干渉』をもたらすでしょう。そして、そこに、新たな『仲間』となる『存在』が、『王』に『囚われ』ています。彼の『心を解放』する事が、あなたの『使命』の一部となるでしょう。ふぉっふぉっふぉ】


ステータスからの「助言」は、悠斗の脳裏に直接響いてきた。新たな仲間。そして、「心を解放する」という言葉。それは、悠斗が持つ『共鳴(絆)』スキルが、再び鍵となることを示唆しているのだろうか。そして、何よりも、その「歪んだ理」という言葉が、悠斗の心に引っかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ