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次の行事は

 中間テストと言う長い1週間が終わり、部活動も再開するのだが大抵はテスト終わりにまで部活に行くような気力は持ち合わせていない。 現にテスト最終日の午後であるのだが、部室には先輩方と俺を合わせても1桁しかいない。


「試験期間も終わったのは分かる。 それに対して弛んでいるとは思わない。 思わないが・・・あまりにも露骨過ぎると思わないか?」


 人数が少ないせいか、部活動中でもほとんど声をかけたことの無い島崎部長から俺に対してそんな問いが告げられた。


「ま、まあ言いたいことは分からなくはないのですが。」

「新入生の彼を困らせないであげてください部長。 色々とここのルールが分かっていないのですから。」


 そう言ってくるのは臼石先輩。 というか一番休みそうなこの人がいることが地味に驚きだった。


「それにこう言う時こそ練習が大事だと前に言っていたではないですか。 大会も近くなってきている事ですし。」

「・・・全く、こう言う時にばかり正論を伝えるのだからお前は困る。」


 複雑な表情をする島崎部長。 この人も苦労していたんだろうか。


「まあ先程臼石から聞いたと思うが、夏始めに弓道の大会が月末にある。 とはいえまだ新入生を出せるわけではない。 君達には我々の荷物番をしてもらうことになる。」


 島崎部長は全体に話しているようだが、この場にいるのは部長、臼石先輩を含めた数名の先輩、そして新入部員は俺だけだ。 聞いてくれる人間が少ないことに同情を感じてしまう。


「新入部員の皆に参加を強要はしないが、自分たちの意欲向上の為だと思うならば参加も検討して欲しい。」


 同じ様に説明するであろう話を敢えてする部長。 姉さんとは別ベクトルで真面目な人だと思った。


「それで君はどうするのかな?」


 練習時間になり、新入部員は俺一人な訳だがなにもしないわけではなく、とりあえず何時もの筋トレメニューをやっていると、臼石先輩が俺に声をかけてきた。


「一応大会の方には参加させて貰おうかなと。 弓道の大会ってどんな風にやるのかも気になるので。」

「そう言ってくれると部長も肩の荷が下りるよ。 とは言え本当に僕達の荷物番になるだろうけどね。 まあ筋トレの一貫だと思って我慢してくれ。」

「別にその辺りは気にしませんよ。 未だにこれも、まともに体勢を保てませんし。」


 ゴム弓を構えながら俺は言う。 そもそも新入部員で本物の弓を持っての練習はまだ出来ない。 久々に引いてみると本当にキツいなこれ。


「新入部員の大会出場は秋頃だから、それまでには弓道のいろはを学んで貰わないとね。」

「やっぱり道術だからですか?」

「そう言う訳じゃないよ。 ただ君が想像している大会風景とは多分異なるんじゃないかなって思ってるけど。」


 そんな会話を繰り広げていると、島崎部長がこっちに向かってきているのが見えた。


「積和。 今は大丈夫か?」

「はい。 なにかありましたか?」

「折角試験期間が終わって参加してくれたのにも関わらず、ただトレーニングをやらせるだけと言うのもな。 射る練習はさせてやれないが、せめて弓をその手で触らせてやるのも良いかと思ってな。」


 そう言って部室の弓道場に入ることになった。

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