寄り道
昼食を食べ終えた俺達は学校よりも向こう側に来ているため早いうちに自分達の家の周辺に戻ることを考えて歩いていると
「ちょっとあれ見てっていい?」
引間が俺達を呼び止めて指を指した方を見てみると、いくつものガチャガチャの台が設置してある一角が見えた。
「ほうトイポットか。 なにか面白い物でも見つけたか知識の女神。」
「ちょっと待ってねん。 ・・・ほとんどはキャラガチャなんだけど・・・お、これとかどうよん?」
そう言って引間が指差したのは
「イキモノブング?」
「あ、本当ですね。 消しゴムとか定規の形しています。」
普通のフィギュアのような大きさだが学校で使うような文具が変形ロボットよろしく機械のようになっていて手足が生えていた。
「なんか小さい頃にお菓子の空き箱とかで作った奴みたいだな。」
「我も若かりし頃に作っていたぞ。 無造作に捨てられるだけの物を生きたものに錬成するのは楽しき日々だった。」
「四角い物だと特に作りやすかったよなあれ。 その分脆かったけど。」
「男子らしい感想やねん。 ウチもこう言ったのを題材にしたマンガとか見たことあるよん。 完全に小学生の子達向けの奴だったけど。」
そんな会話を繰り広げていたら、西垣がそのガチャガチャをじっと見ているのに気が付いた。
「ニッシーも興味津々みたいだし。 折角だから一回やってく?」
「まあそれもいいな。」
「お目当てが手に入るかは運次第。 遊びでありながらも深い、正しく罪な箱。 今宵はどのような饗宴を見せてくれるのか。」
「ガチャガチャにそんな想いを馳せるな。 俺から行く。」
そうしてお金を入れてガチャを回す。 そしてカプセルが出てそれを開ける。 出てきたのは水糊を模したキャラだった。
「普通のスティック糊じゃないのがミソだよねん。 次はウチが。」
そう言って引間が出したのは修正テープを模していた。
「これ中身失くなったら終わりじゃない?」
「そこまで考えてないだろ。 次は西垣がやってみるか?」
「あ、それでは・・・」
「ニッシーはなにが出るかなぁ? ・・・うん? これって・・・」
西垣が出したのはなんと俺と同じ水糊だった。
「うわぉ。 こんな短期間で当たる?」
「まあランダムだしそれは仕方なくないか?」
「私はこれでも充分ですよ。」
西垣がいいならいいのではと思いつつ、知らない間に回していた芦原を見る。 そしてカプセルを開けた瞬間に小刻みに震えていた。
「どうした芦原?」
「相棒よ。 天は我を見てくれていると言うことなのだろうか。」
何を言っているんだと思いながら芦原の手元を見ると、1つのカプセルから出されたキャラがあった。
「それがどうかしたのか?」
「なになに? 見せて? うわ、シークレットキャラ出すとかやるじゃん。」
それが嬉しくて震えたのか。 そんな一時を終えた俺達はそのまま帰宅することにしたのだった。




