食欲旺盛?
昼時を過ぎたとは言えそれなりに混んでいたお店でようやく席を確保できた俺達は、学生であることの証明と店のシステムを説明されたのち、一旦各々で料理を楽しむことにした。
「普通のバイキングっぽいし、並べられてるのも特筆したものはないよな。 味が分かりやすくて助かるが。」
俺はプレートタイプの皿を使って気になった料理を少しずつ取り、一度皿を置いてきてからご飯と味噌汁を用意して先に食べることにした。
「ほっほーん。 積和君はバランス型なのねん。 量が少ないってことは何回か往復する感じ?」
「・・・そういう引間はわんぱく小僧が持ってくるような盛り方してんじゃん。 食えんの?」
引間は大皿にスパゲッティを土台に唐揚げやらポテトやらを乗せて戻ってきた。 それに女子としてはちょっと多い位に皿に乗せられている。
「好物なら、いくら食べても飽きないんじゃよ。」
そういう問題じゃ無くね?とも思ったのだが、人の食い方にケチをつけてはいけない。 ここはそういう店なのだから。
「随分とクレイジーな盛り方をしてきたな知識の女神。」
そう言って帰ってきた芦原の手には固形チーズの乗ったサラダとジュースのみだった。 色合いからして野菜ジュースだろう。
「芦原氏、剣道部なのにそれで足りるのん?」
「甘く見てもらっては困るな。 このサラダはただの前菜。 最初からギアは上げないのが、ここでのルールである。」
「なんでわざわざイタリア語なんだ?」
「オードブルの方だと意味が変わってくるからじゃない?」
俺と引間の小声を聞いても気にせず食べる芦原。 人のスタイルに文句を言う事は無いので、こちらも食べ始める。
「そう言えばニッシーは?」
「一回戻ってきた様子はあるようだぞ? そこにコップがある。」
「料理を取りに行った・・・にしては遅くないか?」
またなにかトラブって無いかと席を立とうとした時、西垣がこちらに戻ってくる姿が見えたので、俺は座り直した。
「すみません遅くなってしまって。」
そう言って両手に持ってきていたのは片方は普通の料理を、片方はプチデザートを乗せてきていた。
「ニッシー。 別に1回で行く必要無いんだよ? バイキングって往復が前提の店なんだし。」
「そう、何ですけど・・・どれも美味しそうだったので。」
恥ずかしそうにしながら席に座る西垣。 言いたいことは分からないでもないが、女子としてははしたないと思われるのかもしれない。 そんなの気にせず楽しめばいいのにとは思う訳だが、口にはしないで置こう。
そんなこんなで俺達は快くまで昼食を楽しんだのだった。




