男子同士の会話
「流石だな相棒。 複雑怪奇な羅列の解答いとも簡単に出してしまうのだからな。」
「理屈が分かればなんてことは無いだろ。 そっちだって似たような文字ばかりなのによく区別出来るな。」
俺が勉強しているのは数学。 目の前の芦原は英語をやっていた。 得意なのは国語らしいのだが、文法的には英語も問題なく出来るのだそうだ。 厨ニ病もこう言ったのは強いんだよな。 それっぽいのばっかり使ってたりするし。
「ところで相棒。 我が女神と勉強をしている間、なにやら視線を送っていたようだが?」
引間だけでなく芦原にまでそんなことを言われた。
「え? そんなに露骨だったか?」
「フッ。 どれだけ些細な時間であろうとも、我が第六感こ良さの前には機敏に反応するというもの。」
単純に不信感の問題だったか。 とは言え2人に感づかれているのならば流石に勘違いとも言い切れない。 言い切れないのだが・・・
「なんで西垣の事が気になったのかまでは分からないんだよなぁ。 別にお前と西垣が喋っていることになんの疑問も無い筈なのに。」
「なるほど。 無意識の視線と言うわけか。」
「アン・・・なんだって?」
こいつたまに俺も分からん英単語使ってくるんだよな。 それだけ知識として入れていると言われるとなにも言い返せないが。
「相棒が送ってきた視線。 微かにだが嫉妬心が混じっていた。 前にも女神からそのような視線があったので間違いは無いだろう。」
「・・・嫉妬? お前に?」
「敢えて強調するならば会話をしている女神に、と言ったところだろうか。 どうやら独占欲が働いているようだったぞ。 表層では平静を取り繕っていても、真なる想いは常にいたい、と言った具合にな。」
「・・・えぇ?」
俺がそんなことを思っているとでも言うのか? 確かに西垣の事は気にかけてはいる。 だがそれはあくまでも自分の夢で見た光景にならないためにやってるのであって西垣個人として見ているわけではない。
無いはずなのだがこの1ヶ月で西垣とは確かに普通の男子高校生にしては対面する機会は多かった。 それだけで彼女のことを特別な存在にしてしまっているのは、果たしてどうなのだろうか?
「フッ。 そのような想いがあるのならば我は応援を送ろう。 恐らく我では既にその領域には入れないのだからな。 だが長く待たせるのも時には悪手になることもゆめゆめ忘れぬことだな。」
芦原の言い方に疑問は残るものの、西垣に対してはまだまだ目を離せなくなるだろうとこの時は思ってしまったのだった。




