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勉強開始

「そういうことならうちは大歓迎だよん。 それに乗ってあげる。」


 芦原に誘っておいてくれと言われたので部活終わりに引間に聞いてみたら、存外あっさりと受け入れてくれた。

「本当に良かったのか? 俺達に気を遣って誘いを受けてるなんてことは・・・」

「積和君は心配性だなぁ。 そんなことはないから安心して。 それに家にいると集中力削がれるから気分転換も兼ねて、どこかで勉強する方が割りと頭に残りやすいんよね。」


 そういうものなのかと突っ込みを入れたかったが、本人の考え次第なので言わないでおく。


「んじゃ、詳しい日程決まったら教えてねん。 そいじゃ。」

「おう、またな。」


 引間と交差点で別れて少し歩いて家に着く。 誰もいないが丁度いい。 昨日は姉さんがリビングの机を占領してたから使えなかったが、今なら俺も使える。 自分の部屋に戻って部屋着に着替えたらある程度適当に教材とノートを鞄から引っ張り出してリビングで使う分だけ広げて勉強をする。 自分の部屋にも机はあるが、電気スタンドの内蔵電池の節約のために明るい内にリビングで勉強をすることにしている。


 あと1時間程すれば母さんが帰ってくる為、それまでには勉強を切り上げるつもりだ。 飯時まで勉強のノートを見たくはない。

 そして大体いつもの時間に皆が帰ってきて食事を取る。


「勉強の方は順調かい?」


 姉さんから食事が終わった後に聞かれる。 食事中には会話をしないが、終わった後は家族全員がしばらく一緒の空間にいるので、こういった何気ない会話も普通に行われる。


「まあぼちぼち。 来週から本気出す。」

「意外と似合わない言葉を使うなカズは。 そんなことをせずとも成績は心配ないだろう?」

「誰かさんのお陰でね。 ん? メッセージだ。」


 姉さんと会話をしているとスマホが鳴ったので確認をする。 送り主は西垣だった。


『お時間は大丈夫でしょうか? 図書館へは明日行くことにして、何時に集合致しましょう?』


 そんなメッセージが飛んできたので少しだけ考えて、俺はアプリ内のグループチャットを作成して、皆を招待した。


『グループへの招待感謝するぞバディ。』

『個別で連絡取り合うよりは早いって思ってな。』

『確かにどちらにしても共有しますからね。』

『それでどこで何時に集合なのん?』


 予定を詰めながら部屋に戻り、勉強の方に入る。 その間も何だかんだと連絡を取り合って集合場所や時間を決めた。


「今年は騒がしい1年になるかもな。」


 夢の未来が無くなった訳じゃない。 だがそれはそれとして楽しみは増えていく。 未来を考える前に今を楽しむ。 そう思いながら勉強を続ける事にした俺だった。

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