守るということ
後ろを振り返れば肩を掴んできた人物を含めて、不良とまではいかなくても、ガラの悪そうな人物達がそこにいた。
「な、何ですか急に。」
「京さんが歩いてんだぞ! 頭下げるくらいの事はせんかい!」
なんて理不尽な理由だ。 それだったらおちおち事辺りも歩けねぇじゃねぇか。
「待ちな。 この辺りの者じゃねぇ。 知らねぇのも無理はねぇだろう。」
そう言ってきたのは俺よりも10cmは背の高い男が立ってきた。 恐らく「京さん」と呼ばれているのは彼だろう。
「だがただで返すのも癪に障る。 金をあるだけ・・・いや」
そう言いかけたところで西垣の方を見た。
「その女を置いていきな。 お前のような男にゃ勿体ねぇ。」
やっぱりそうなるかと思いながら俺は西垣の前に立つ。 西垣も怯えている。 ここで西垣を渡したところで2人ともを無事に返すわけもない。 こちらとしてもこれ以上トラブルを起こすのは勘弁したい。 俺はポケットから財布を取り出す。
「ここにある金は全部あげます。 だから・・・」
「京さんが女を渡せって言ってんだろうが!」
肩を掴んできた男とは別の人物が俺の右頬を殴った。 そうなることもある程度予測して歯は食いしばっていたいたものの、痛みが晴れるわけでもない。
「積和君!」
西垣が心配そうに声をかけるが、なるべく前に出さないようにする。
「邪魔クセェ。 さっさと退けやオラ!」
3対1で俺の事を殴る蹴るを繰り返される。 元々喧嘩なんて無縁の位置にいた俺にとって、やり返す何て言う考えは持ち合わせていない。 だがここで西垣を素直に渡す程性根は腐ってない。 せめて西垣が逃げる時間を稼ぐことが出来るのならば、俺が傷付こうが構わない。
「オラどうした!? やり返してみろや!」
「京さんに楯突いた罰は受けないとなぁ!?」
あぁ、てめぇらが満足するまでこの身で受けてやるよ。 どうせ俺にはそれしか出来ないんだからな。
「そんなやつもう放っておけ。」
京さんと呼ばれた人物は、いつの間にか西垣の後ろに回り込み、西垣の片腕を掴んでいた。
「西・・・垣・・・」
3人からボコボコに殴られた俺は意識を手放すまいとしていたが、立つのもやっとで、西垣の方に向かうことも出来ないでいた。
「俯いていないで俺に顔を見せてみ・・・ろ・・・?」
京さんと呼ばれた人物が何が起きたのか分からないと言ったような声を上げながら西垣から離れ、それに反応した3人が西垣に襲い掛かる。
そんな光景を最後に俺は意識を手放し、地面に倒れこんでしまった。
作者も過去に一度だけ、変な理由で不良に絡まれた事がありました。
もう10年以上前の事ですが、友人の同級生だとは誰が思いますか。




