ガラの悪そうな
博物館からそこそこ歩いたところにあるショッピングセンターは、想定通りの大きさで、駐車場やら建物の規模が一回り小さい感じがした。 海が近いからそっちの方に流れているのかな? こういうのは完全に失礼だが「あるだけマシ」と言った具合である。
「まずはお昼をどうするかかな。 昼時は過ぎてるから多少は人混みもなくなってるだろうけど。」
「このような場所ですと、やはりフードコートが目玉なのでしょうか?」
そんなことは無いと思うが、多分西垣の心情が俺と似ているのかもしれない。 最悪昼飯を食べ終えたら海の方に行ってみよう。 丁度夕暮れも近いしな。
そんなことを思っていると西垣が挙動不審になっていた。 なにか気に障るようなものでもあっただろうか?
「どうした? 西垣?」
「あ、いえ、積和君がどうという事ではないのですが。」
挙動不審な理由が俺でないことに安堵しつつ、西垣は俺に近付いてくる。 その動作に鼓動が波打つも、西垣の表情は変わっていない。
「なんと言いますか・・・少々視線が集まってるようで・・・」
そう言われて俺もチラリと見てみると、すれ違い様に西垣の方を見ている人達がいる。
「やっぱり西垣の姿が珍しいのかもな。 ハーフだし。」
「いえ、そちらではなく・・・何と表現すれば近いでしょうか? 睨み付けられていると言えばいいのでしょうか? とにかく少し怖いのです。 見られてるだけの筈なのに、なにかしてきそうな雰囲気が。」
そう言われて改めて見てみれば、普通に買い物に来ている人や遊びに来た人達に紛れて、素行のよろしくなさそうな見た目の人物が集まっている光景が見えてくる。
「なるべくならあっち側には行かない方がいいな。」
「フードコートはもうすぐです。 早く行きましょう。」
そんな西垣の言葉に呼応するかのごとく俺達はすぐにフードコートに向かった。
お昼も過ぎたからかフードコートは閑散としていた。 俺達はそれぞれ食べたいものを注文し、席に座ったのだがなんだか妙に居心地が悪く感じた。 これだけ人がまばらなフードコートなのに空気が重い。
「この刺さるような視線はなんだ?」
「積和君も感じますか?」
感じるというよりは目をつけられていると言った方が正しいのかもし
ない。 このフードコートに、いや、ショッピングセンターに入ってからずっと見られているのだ。 ただすれ違いで見てくるのはいい。 そうではないもっと狙われているかのような目線が俺達に来るのだ。
「飯位ゆっくり食べさせてくれよな。」
「食べたらここを離れましょう。 これ以上は気分も悪くなります。」
西垣の言うように飯をかきこんで、俺達はショッピングセンターを後にしたのだった。




