やはりそこは男の子だし
次に俺達が向かったのは化石の展示されているブース。 そのままの物は勿論、復元されているものも展示されている。 よく映画とかで見かける恐竜の化石や剥製も巨大なオブジェとして展示されていた。
「今でもこう言った物を掘り起こすのには、人の手を加えないといけないのですね。」
「貴重な遺産みたいなものだからねぇ。 壊れたら価値が失くなっちゃうんだろうな。 発掘隊も大変だろうな。」
他人事のように話をしているものの、骨や化石なんかは見てて面白いものもある。
「次の場所に行きますか?」
「もう少し見たいんだけど、いいか?」
そう言うと西垣が笑って見せた。 なんか変なこと言ったか?
「積和君ってクールというか冷静沈着なイメージがあったので、なんだかちょっと、面白くって。」
馬鹿にしているようでは無いものの、そんな風に見られたことに気恥ずかしさを覚える。 表情には出さないタイプだと思ってたのにそうでもなかったみたいだ。
「悪いな。 もう少しだけだから。」
「ええ。」
そう言いながら俺はもう少し化石を観察することにした。
「ここまで来ると一気に現代に近付くよな。」
順路通りに進んだ先にあったのは戦国時代に使われた火縄銃を見ていた。 歴史は苦手でもこう言った物なら好きだからな。
「昔の物は装填から発砲するまでに時間が掛かったそうですから、複数人で交代で使っていたみたいです。」
「弓とは威力が段違いだからなぁ。 戦国時代にこれが量産されていたと考えたらゾッとするな。」
そんなことを思いながら少しずつ近代に近付いて行くように順路を歩いていく。 ただ飾られているだけかと思っていた博物館だったが、案外楽しいもんだな。
「積和君が楽しそうでなによりです。」
「・・・あれ? またなんかおかしな顔してた?」
「どうでしょうか? フフッ。」
西垣に見られているという事実が俺の心をムズムズさせる。 そんなに笑っている表情を出していたのだろうか? というよりもちょっと気になることが出来た。
「西垣は展示楽しんでるか?」
「ええ。 私も同じ様に見て楽しんでいますよ。」
「その割にはなんというか、俺の事ばかり見てるような気がしてるんだけど・・・」
西垣は俺の後ろをついてくるような形で歩いている。 隣にいるわけではないので展示物を見るのは難しい事ではないはずなのだが、展示品の知識や感想を見ると同時に、なにかと視線が俺の方に向いている気がしていたのだ。 後ろをついてきているのだから見えるのは当たり前なのだが、だんだんと気になってきたのだ。
そんな質問をしたら、西垣は明後日の方向に目線を向けてしまっていた。
「あ、次はオモチャの博覧会らしいですよ。 行きましょう。」
そして慌てたかのように振る舞い始めた西垣に、困惑気味になってしまった俺だった。




