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勝手にビフォーアフター

 西垣が連れてこられたのは女性物の服が中心となる洋服屋。 外装を見た感じでも可愛い系のものから大人っぽい感じのものまでかなりの種類があった。


「カズはどっち系が好みだったかしら?」

「・・・なんでわざわざ俺に聞くのかな?」

「そこはまあ、聞いておいて損はないでしょ?」


 そう言われてもと思いつつ西垣がこちら側をチラチラと見ている。 無理に合わせる必要は無いのだが、とりあえず目に止まったものでいいのかもしれない。


「・・・まあ可愛げがある方が、俺は安心出来るかな?」

「それは好みというのかしら?」


 母さんが首をかしげたが、俺も俺で女子のファッションなど知らないで、無難であろう答えしか出なかった。


 そんなこんなで女性3人は中へと入っていき、俺と父さんは残る形になった。


「大人しめな娘で良さそうじゃないか。 カズも年頃になったようで安心したよ。」

「・・・褒め言葉として受け止めとく。」


 西垣と知り合いになり、目に留まるようになったのは夢の事があるからなのだが、非現実的すぎて信用はして貰えない可能性があるため、例え父さんなどの家族にも打ち明けるつもりはない。 その時になったら考えるが。


「最低でも30分くらいだよね?」

「西垣さんもいるからもう少し長いかもね。」

「これ動いたら面倒かなぁ?」

「あまり離れるのは感心しないな。」


 そうかと項垂れながらも待つことにした。 女性の買い物は長いと言うが、体感的にではなく実際に長いのならしょうがないこと。 西垣を連れた今、あの二人が西垣を着せ替え人形のごとく色々と見ていると考えると、申し訳無さすら感じる。


「カズ。」


 そんなことを考えていたら姉さんが手招きをしてくる。 正直女性物の店に男が入るのもどうかと思ったが、父さんもついてくるということで一緒に中に入った。


 そして案内されたのはカーテンの閉まった試着室。


「カズの感想を聞きたいと思ってな。」

「感想って・・・」

 そうして姉さんが開けたカーテンの先にいたのは


 上半身はTシャツに羊の毛皮のようなパーカーを羽織っており、下半身もそれに合わせるようにベージュ基調のフリルスカートを穿いた西垣の姿だった。


 髪色のことも相まってか、上品さを兼ね備えた仕上がりになっていた。 そしてこう言った服に慣れていないのか、頬を少し赤く染めており、そんな表情を見て心臓の鼓動が速まるのを感じた。


「さて弟よ。 コーディネートをして貰った彼女に対して、なにか言うことは無いか?」


 確かに定番と言えば定番ではあるが、まだ知り合って1ヶ月も経っていない女子のコーディネートの感想を求められても、言葉が浮かんでこない。 浮かんでこないのだが、西垣がソワソワしているのを見て、自分の最大限出せる言葉で伝えることにした。


「凄く似合ってるし、その、か、可愛いって、思う・・・」


 自分でも口にしたことの無いような言葉を紡いで顔を反らす。 そんな俺を見てか西垣もカーテンを閉めてしまった。


「ふむ。 65点と言ったところか。」


 姉さんは俺になにを求めているのかは知らないが、とにかく心臓が止まりそうになったのには変わりなかった。

作者もファッションについての感想などはありきたりになる気がします。


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