運命のロール
放課後になり俺と芦原は近くのスーパーのフードコートの一角でスマホを凝視していた。
写っている画面は「極限青春」のキャラが出るガチャの画面。 想いは違えどやはりこういった運試しは気を張る。
「芦原。 1つ聞きたいことがあるんだ。」
しかし俺はそれの前に確認したいことがあった。 故に頭がぶつかるくらいの距離まで芦原に近づき、質問を投げる。
「我に答えられないことはない。 ましてや相棒からの質問だ。 必ず答えるさ。」
「じゃあさ。 ・・・なんでここに西垣がいるわけ?」
確か俺は芦原と放課後にガチャを引く予定だった筈だ。 なのに何故か俺の隣の席には西垣が座っていたのだ。 なにも知らない西垣はキョトンとするだけだ。
「練習が終わり、我が向かおうとした矢先、誰かの視線を感じ取り、その場に女神がいたのでついてきたという訳だ。」
「なるほど。 で? 本当は?」
「誘ったのは我であり、どうせなら我らと共に「エクアカ」の民になってもらおうかと。」
無知なる女子をゲーム沼に沈めようとするんじゃねぇよ。 興味を持ってもらえるのはいいがやるかは別だろ? とはいえ共通点を増やしておくのは悪いことではないとは思う。 話が分かるようになるだけでも十分か。
「あの、私ここにいて大丈夫なのでしょうか?」
俺と芦原が秘密裏に話していることを不安に思ったのか、西垣が俺達に質問をしてきた。
「ああ、すまん。 大丈夫だ。」
「2人でこの運試しに対しての意欲を高めていただけなのでな。 そろそろ始めよう。」
そう言ってまずは芦原から画面をタップする。 リリース記念の10連分を引く。
「・・・む。 最初はやはり現れないか。」
「まあ排出率が高くなってるだけで必ず出る訳じゃないのは百も承知だったけどな。」
芦原のスマホの画面に映っているのは白と青、そして少し黄色が混じっている程度だった。 因みにキャラクターの排出は青と黄色。 白は強化用のアイテムになっている。
「次はそちらだぞ。」
「分かってるよ。 ・・・あれ? 芦原の時よりも悪くね?」
「低い引きとなったか。 今後も起こるだろう。 次を引こう。」
「あの・・・」
俺と芦原が結果を見ているなかで西垣が声をかけてくる。
「折角だから西垣も引いてみるか?」
「え!? でも・・・」
「案ずるな。 今の我々は痛みを感じぬ。 2人分引いても良いのだぞ?」
「そ、そうですか? それでは・・・」
そう言って西垣は左手で俺のスマホの、右手で芦原のスマホのガチャ画面をタップする。
「・・・お。 まじか。」
「ダブルヒットとは、やはり女神であったか。」
「ええっと、ありがとうございます・・・?」
両方のスマホに最高レアリティ演出からの虹色が現れたので、西垣は持ってる人間だったようだ。 本人は混乱してるがな。




