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部活動事情

「先日のクラン紹介。 相棒(バディ)が魅了されしクランはあったか?」


 部活動紹介の翌日の4時限目前の休憩時間。 芦原がそんな風に聞いてきた。 クラン、と言うのは部活の事だろう。 俺は考えるが、これと言って魅了されたものも無い。 無い、というよりも自分に合う部活を見つけられなかった、というのが答えだろう。


「俺はまだかな。 部活動見学で決めようかなって。 芦原は?」

「我は幼き時から決められていた運命に従うまで。 剣の道術を、我の力を更なる高みへ目指す。」

「へぇ剣道部か。 昔からってことは習い事でやっていたのか?」

「無論だ。 我も剣を扱う者として極める所は極める。 だが使い方を間違えれば、それは暴走したのち過ちへと誘う。 故に道術として学ぶことは、剣術を学ぶのに適しているのだ。」


 言われれば武器なんてものは使い方次第とも捉えられる。 あの夢の時も西垣は学校にあるものだけであそこまでの殺戮を繰り広げた。


「手元を見れば武器になるものは多くあるってか。」

「なかなか面白い事を言うな相棒(バディ)。 だがあながち間違いでもないだろう。 人は自我を抑える能力があるが、タガが外れればどんなものでも殺人鬼の武器(マーダーウェポン)と化す。 だからこその・・・」


 芦原と話をしている間に休憩時間が終わる。 芦原も自分の席へと戻っていった。


 そしてお昼休みに入り昨日の部活動紹介の事を思い出していた。 学校の都合上なにかしらの部活には入ることを強要されてはいる。 生徒会長を務めている姉さんの話によれば、一度入ったあとに退部してアルバイトなどをする生徒もいるらしい。 校則自体は緩く感じる。


 アルバイトはまだ考えるとしても、部活はどうするかを決めておきたい。 なるべくなら長く居座れる場所がいいだろうと思っていると、西垣が隣に座ったのを確認した。


「お隣いいですか?」

「聞く前から座ってたら説得力無いぞ。 いいけど。」


 気を許していると言えばいいのだろうか、無防備だと言うべきか。 それはともかくとして。


「西垣はなんの部活に入る予定なんだ?」


 他愛ない話をして少しでも西垣の事を知っておこうと思った。 疚しい気持ちはない。


「私は、柔道部の方にいきます。」

「柔道。」


 意外と言えば意外だった。 だが見た目に反して強気な女子はギャップがあって・・・ってそうじゃない。


「護身術は昔から習っているので、柔道も組み入れてみようと思いまして。」

「組み入れる。」


 護身術をやっていることに驚きはしたものの、あの握力がいきなり付けられた力でないのならば、納得もできる気がした。


「積和君はどうされるのですか?」

「まだ決めてないかな。 とはいえなににしようか悩んでるんだよね。」

「そ、それなら私と・・・あ、いえ・・・流石に強要するべきでは無いですよね。」


 同じ部活に入れたかったのだろうが、柔道なんてそれこそ素人が手を出せる代物でもないだろう。 そんなことを考えながら俺はお昼を西垣と過ごした。

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