部活について
西垣の周りにはあの一件があってからか集まる人数が大分減った。 それでも女子はなんとか会話を続けようとするし、男子は遠巻きにそれを見ているだけだ。
こう言った場合に西垣の方から歩み寄るのが相手とのコミュニケーションを取るのに良いのだろうが、女子はもう一人の人格の事があり付かず離れずのような距離感だし、男子の方に声をかけるのは少々ハードルが高いように見える。
かといって俺ばかりと話しているとまた前のような嫉妬が来るかもしれない。 手伝うと言った矢先に壁にぶち当たるようでは、西垣のことを分かった気にはなれない。
そんな中で放課後になる前に担任からこんなことが言い渡された。
「明日は部活動紹介が授業後にあるため、授業が終わってもそのまま帰ることの無いように。 最近日が落ちる時間が長くなってきているが、予定の無い限りは夜分になるまで外にいないように、早めに帰宅すること。 以上。」
そう通達されて担任は去っていった。
「部活動ねぇ。」
何があるかは分からないが、少なくとも中学の時は文芸部に所属していたので、やってみたい部活動などと言われてもあまりピンとは来ない。
運動や熱血が嫌いなのではないが、ああいったのは傍観者の方が好きである。 見てる方がいいだろう。
翌日の放課後。 全校生徒が体育館に集まり、部活動紹介の簡易的な旗を前に生徒会長である姉さんがマイクを持って立つ。
「新入生諸君。 まだ高校生活に慣れないところもあるかもしれないが、我々生徒には勉学の他にも部活動を通じ、青春を分かち合うことが出来る。 新たな同士を見つけるも良し。 挑戦を始めるにも良い機会だ。 これから君達の先輩方が部活動の説明を行う。 興味の出た部活動に是非入部して欲しい。 それでは始めていこう。 まずは運動部の定番。 野球部からだ。」
そうして部活動紹介が開始される。 とはいえ運動部にはほとんど興味がないため珍しい部活でも無ければ話をスルーしている。
「次からは文芸部だ。 今までの運動部の力強さは目を見張るものがある。 だが必ずしも花を咲かせられるのは運動だけではない。 内に秘めた才能は誰にも知られないからこそ、爆発力が生まれるもの。 彼らにそれを証明して貰おう。」
背中を叩いてはいるようでかなりプレッシャーなんじゃないかと思う姉さんの言動だが、叱咤激励するには丁度いいのだろう。
そして文芸部も粗方紹介されて、入部手続きの紙を渡されて解散となった。 明日からは本格的に部活動見学にいってもいいとの事。 西垣の事も気にはなるが、それこそ四六時中見るわけにはいかない。 なんだったら部活動を通じて新たな理解者を作るのも悪く無いだろう。 明日の放課後は部活の下見だな。




