帆山の心の内
今日は遅いからと言うことで明日帆山の家に行くことを一方的に約束されて、翌日になり俺達は一度集まって帆山の家に向かうことになった。
「今回は2人の決闘なんでしょ? ウチらまで来て良かったのん?」
「あの場にいたのもあるが、他の第三者視点が欲しかったんだよ。 言いくるめられる気はないが、誤解を解ける人間は多い方がいいだろ?」
それに帆山自身に他の友人が出来るようにと思って連れてきた。 なんとなくと言う理由で連れてきたくはなかったからな。
「それにしても相棒があの者の家を知っているとは知らなかったぞ。」
芦原の言葉に隣のフィーナが不機嫌そうに聞いてくる。
「どうして私の家よりも先に知っていたのでしょうか?」
「・・・無理矢理招待されたんだよ。 あのときは断る理由も無かったし。」
「そうなのですね・・・」
俺もしかして今日ずっとこんな感じの雰囲気で進んでいくのか? 帆山の事に関して黙っていたことは、こちらの非ではあるが、ここまで言われる事は・・・想像してなかっただけか。
そして帆山の家の門の前に着くと、帆山家を守っている黒服の人達が待っていた。
「お待ちしておりやした。 ご友人方もどうぞこちらへ。」
その光景に俺以外の3人の血の気が引いていた。
「え? 私、とんでもない相手に喧嘩を振られたのですか?」
「相棒、悪いことは言わん。 彼女とは縁を切れ。」
「うっはー。 ウチ達〆られる?」
「心配するな。 見た目詐欺だから、あれ。」
信じて貰えないのは百も承知だが、こう言うしかなかった。
そして帆山の家に上がり、通されたのはなにかの道場のような場所だった。 その場所に帆山が立っていた。
「逃げずにここまで来たこと、褒めてやる。」
「黒服の人達を見て青ざめてたけどな。 ・・・本当にやるのか?」
「言っただろ? あたいの気が済まないんだ。」
個人的に言えば喧嘩とかは止めて欲しいのだが、芦原と喧嘩した手前、あまり強く言えなかったりしてるんだよな。
「一応宣言しておきますが、私、幼い頃から柔道を習っていますので。」
「体術は母親仕込みだ。 遅れを取る気はねぇ。 ・・・それになんとなくだが、あんたには言葉よりも身体で示した方が良さそうだと思ったんだ。」
「・・・なるほど。」
言葉に出来ないなら、と言った具合か。 そんなことを考えていたら、黒服の人が対面する2人の間に入る。
「お嬢、この試合お互いに勝敗は関係ありやせん。 ただ、怪我や醜態を晒すような戦いになった場合、ここにいるもの全員で割って入らせていただきやす。」
「・・・ああ。 もうあたいは負けが確定している。 だがあたいは納得していない。 だからせめて、あたいに対して納得をさせてくれ。」
「・・・分かりましたわ。」
「それでは・・・お互いに悔いと怪我の無いように・・・始め!」
フィーナと帆山の、無意味かどうかを懸けた試合が今、幕を切った。




