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 本を借りてから自分が出来る限りの事をしてみようとやってみてはいるが、そう上手く行く訳もなく、渡された本をただ楽しむだけになった今週末。 今日も部活が終わり、日が沈むのを見ながら、同じく部活終わりであったフィーナと芦原と共に、引間も連れていつもの4人で正門を抜けようと歩いていた。


「なあ芦原。 やっぱりこう言ったのはこう、みたいなのって無いか? 借りた本の通りにやろうとしても、なかなかピンと来なくてさ。」

相棒(バディ)の場合は今までの事もある。 変化などほんのりでいいのだ。 第六感(シックスセンス)に委ねなければいけないレベルで構わないのだよ。」

「そんな「髪型変えた?」みたいなノリなのか?」

「変化とは微々たるものから始まる。 急激な変化は違和感を持たれる。 下手な事はしない方が、案外身のためだろうよ。」

「2人でなにをお話してるのさ。 ウチ達も混ぜてよん。」


 芦原と2人で会話をしていると、後ろから引間が割って入ってくる。 もちろん同じ様に後ろからフィーナもついてきている。


知識の女神(メーティス)よ。 この場は我々の領域なのだ。 入るなとは言わぬが、もう少し時を読んでは貰えぬか?」

「えー? 男の約束ってやつぅ? つれないじゃんアッシー。 ウチ達の間でしょ?」

「話せぬものは話せぬ。 諦めてくれ。」


 そんなノリをしている2人を前に、俺もこれくらいの距離感でフィーナと会話できればと思ったり思ってなかったりする。


 フィーナに萎縮をしているわけではない。 ただやはり相手は高嶺の花とも言える程の美少女。 彼女になったとは言えあそこまで軽口を叩ける程、会話が弾むわけでもない。


「仲良いよなぁあの2人。」

「そうですね。 少し羨ましい位です。」


 そして正門をくぐり抜けて行くと、不意に俺の左側から衝撃が走る。 何事かと左を見れば、帆山が俺にしがみついていた。


「よぅ、待ってたぜ数馬。 今日は一緒に帰ろうぜ。」

「ちょ、ちょっとまて帆山。 最近見かけないと思ったが・・・」

「あれからクラスの連中と仲良くはなれたけどよ。 やっぱり数馬とは別々だからな。 こうやってしか会えないんだよ。」


 個人的に帆山の成長は嬉しいこと。 その上で俺に来るのは分かる。 分かるが、今はタイミングが悪すぎた。


 そんな帆山を見て今度は右側からフィーナが俺の腕を掴んでくる。


「帆山さん、でしたっけ? 少々距離が近いように感じますので離れて頂けませんか?」

「なんだよ。 そっちだって数馬に近いじゃないか。 あれこれ言われる筋合いは無いぞ。」


 そう言う帆山にフィーナは、どこか勝ち誇ったような顔で帆山を見る。


「残念ですが私と数馬さんはカップルになったのです。 ですので私は正当な理由でこのようなことが出来るのですよ。」


 その言葉に帆山はショックを受けたのか、俺から離れてヨロヨロと後退りした。


「そんな・・・嘘だろ?」

「本当ですよ。 承認ならそちらのお二人に。」


 完全に勝ち誇ってるフィーナに、帆山は唸り声を上げたかと思えば・・・


「・・・付き合ったことは分かった。 でも頭で理解しても心で理解できてない。 だから・・・」

「おい、なにを言い出す・・・」

「だから! あたいを完膚なきまでに負かせろ! それであたいの心を晴らしてくれ!」


 そんな謎の決闘の提案をした帆山だった。

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