キザに決めてみたい
クリスマスの行き先は決まったし、これ以上は何もないと思いながら日々を過ごしていた。 その間もまだ授業はあるし、なんなら期末テストだって控えている。
だがどうしても、どうしても頭の中がスッキリしていない事柄が霧のごとく充満している。
「なあ芦原。 お前のお陰でフィーナと付き合うことになれた。 けれどなんか自分の中で納得できてない事がある感じでさ、凄く気になってるんだよ。」
そんな下らないことなのだが、芦原には相談できると考えた俺は、一度聞いてみる事にした。
「ふむ。 具体性が見えてこないな。 例えばどう気になるのだ?」
「そうだなぁ・・・何て言うんだろ? 今からながらフィーナは俺のどこが好きになったんだろうなって思ってな。」
「随分と弱気ではないか相棒。 そのような姿は・・・なるほど。 見えてきたぞ。」
「マジ?」
あれだけの言動で原因を突き止めるとか、こいつ本当にエスパーなんじゃね? そんな話は後回しにして、答えを聞いてみる事にした。
「んで、結局なんだったんだ?」
「相棒。 汝は少しでも女神にカッコ良さを見せたかったようだな。」
「・・・え?」
「分からなくはないぞ。 男子たるもの、異性には気に入られたいものだ。 運動であろうと勉学であろうと、ましてや外見だけでも、とな。 しかし我らの魂宿りし肉体はそれを簡単には許さぬ。 故に我々は努力するのだ。 それが例え邪な理由だとしてもな。」
なんで自分語りのようになってるのかは知らないが、カッコ良さを出したいと言う点においてはなんとなくだが思い当たる節もある。
力関係で言えばフィーナは柔道をやっているので確実に上だ。 そうでなくても春先で出掛けた際に数名に絡まれた時は自分の無力さに嘆きかけた。 あの時、まだエムゼの存在が不安定だったのもあり、色々と情けない所を見せている気がしていたのだ。
「言いたいことは分かった。 なら尚更どうすればいいと思う?」
「今から変えることは出来ない。 ならばせめて我のように行動や言動で示せば良い。」
「・・・お前のように?」
「言っておくが我の真似事は止めておいた方がいい。 我自身もこのやり方を他人に押し付ける気はない。」
「自分が異端だって言っちゃってるじゃねぇか。」
むしろ芦原と同じ行動と言動で喋ったら、逆に心配されるのが目に見える。
「とにかくまずは見映えを良くしてみることだ。 少しの変化でも人は目につくものだ。 それにその程度で揺らぐ女神で無いことは、汝が一番知っている筈だろう?」
それはそうなのだろうが、その辺りは話が違うと言うべきだろうか? ただ芦原は真面目に答えてくれただけなので、完全に否定するのもおかしい話だ。
「まあやれるだけの事はやってみるさ。」
「その心意気でいい。出来る範囲でやってみるがいいさ。」
そう言われてまずはどこから手を付けるか、考えるのだった。




