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クリスマスまでに

冬にある大型イベントと言えばクリスマス。

周りはすっかり赤、緑、白の三色が目に写るようになってきた。

「去年の自分だったら、どう思ってたかなぁ?」

まだ冬も入りかけ、なんだったらまだ本格的になるのはもう少し先とも言われているのに、先取りをしている風習に嫌気が差し込んでいたかもしれない。

しかしクリスマスともなれば浮かれない者はいないと言える。 プレゼントだったり美味しい料理を食べたりと、何かと特別な時間がうまれるのだ。

それに今年は俺も特別な日になるだろう。 何故ならば

「おはようございます、数馬君。」

「おはようフィーナ。 全く日に日に寒くなるから嫌になってくるよな。」

今日は珍しく校門で挨拶を交わす。 そう、今年はフィーナとクリスマスを過ごそうと何だかんだと考えているからだ。 そんなに大層な事をするつもりはないが、やはり何かしらはあってもいいだろうと、今の時点で決めかねている。

今しばらくは俺とフィーナが付き合い始めたことを知るものは少ない。 これは姉さんも知らないが、いつかは打ち明けるつもりだ。 最悪どこかでバレるかもしれないが、相手は家族なので関係はない。

問題なのは付き合い始めたことを知った上で、狂ったかのように俺やフィーナに言ってくる輩の方だろう。 それは男子でも女子でもだ。

俺はフィーナを守る力はない。 全力で守ろうと思っても限界がある。 そしてその事を知ったフィーナが、まだ不安定な状態のエムゼが出てきてしまったら、面倒になることが確定してしまう。 それこそ夢のようになってもまだおかしくはないのだから。

「数馬君? どうかしましたか?」

そんな思考の海に入っていたせいかフィーナに声をかけられて我に返る。

「すまんすまん。 ちょっと考え事をしていてな。」

「おいおい頼むぜ? 周りが見えなくなるって意味合いなら人の事を言えねえがよ。」

エムゼも俺の考えながら歩く姿勢は気になるようだ。 フィーナが隣にいる時は無くさないとなぁ。

「そうだ。 来月なんだが、どこか行きたい場所とかってあるか?」

「随分と唐突ですね? 行きたい場所・・・ですか。」

「まあ察してるとは思うが、な。 今までの告白も多分そんなものだと思うんだ。」

流石のフィーナも考え込んでしまっている。 改めて行きたい場所と言われて浮かんでこないのは、仕方の無いことかもしれない。

「それならば・・・水族館は、まだ行ったことがありませんでしたよね?」

「ん? んー、確かそうだった筈?」

思い返してみればそうだったかも。 この一年色んな所には行った筈なのに、まだ行ききれてない場所があったのかと思ってしまう。

「ならそうしようか。 冬休みに入る前に色々と計画を立てておくか。」

「そうですね。」

そう言いながら俺達は教室に入った。

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