告白、もう1つ
「おはようございます。 積和君。」
散々悩んだ翌日、何時も通りの時間にフィーナは登校してくる。 俺は平静を装っているが心臓自体はバクバクだ。 今にも吐きそうである。
だが言わなければならない。 ロマンチックな場面なんて作っていられない。 決めたことだ。 覚悟が足りなかったのは俺なのだから、決着は自分でつけなければいけないのだ。
「西垣。 今日のお昼は何時もの場所で取らないか?」
「え? ええ。 ・・・積和君どうかされたんですか?」
物々しい雰囲気の俺にフィーナは違和感を覚えている。 だが今はそれ以上の事は考えていない。 決行するのは、この昼なのだから。
授業を受けている間に昼休みに入る。 今回の授業の内容は正直頭半分も入ってないだろう。 だがそれくらいには想いを伝えなければならない覚悟があった。
「どうしたんですか積和君。 顔色があまり優れないようですが?」
心配してくれている事になんとも言えない気持ちになりつつも、俺は自分の中で早く決着を付けようとフィーナに向き直る。
「フィーナ。」
「え? どうして名ま」
「俺はな、最初はフィーナと喋るのはほとぼりが冷めてからにしようと思ってたんだ。 でもそんな俺にそっちから近付いてきて、それからは色んな場所にも行った。 去年までの自分だったら絶対にやらないようなことまでした。 それもこれもフィーナと一緒にいたからなんだろう。」
くそっ! 言い訳を探すな! 時間を引き延ばすな! 言え! 本当に言うべき事は決まっているだろ!
「フィーナ。 俺は・・・俺は、フィーナの事が好きだ。 友達としてじゃない、1人の異性として好きなんだ。」
言い切った。 ハッキリと。 ずっと言い出せなかった気持ちを。
一方的に話したせいでフィーナのことを見ていなかった。 どんな顔をしているだろう。 見ればフィーナは目に涙を溜めて口を両手で押さえていた。
「嬉しい・・・です。 何度も伝えた、言葉が、ようやく、伝わった事が。」
その言葉に俺はフィーナ自身からは何度もアプローチをされているのに、結局は自分が見た夢に囚われて、俺自身が向き合わなかっただけだったようだ。
「ですが積和君。 私にはもう1つ、終わらせなければいけない事があります。」
「え?」
そう言ってフィーナは頭を落とす。 そして顔を上げれば
「よう。 こんな形で出られるとは正直驚いたぜ。」
いつの間にかエムゼに変わっていた。
「エムゼ!? まさかさっきの告白で?」
「半分は正解だな。 だが今回はそう言うわけでも無さそうだぜ? そうだろ?」
そう言ってエムゼは手鏡を出して自分を映す。 すると
『そうですね。 私達はこうして分かり合わなければならないのだから。』
鏡の向こうのフィーナがこちらに喋りかけてきた。




