表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

212/223

告白、もう1つ

「おはようございます。 積和君。」


 散々悩んだ翌日、何時も通りの時間にフィーナは登校してくる。 俺は平静を装っているが心臓自体はバクバクだ。 今にも吐きそうである。

 だが言わなければならない。 ロマンチックな場面なんて作っていられない。 決めたことだ。 覚悟が足りなかったのは俺なのだから、決着は自分でつけなければいけないのだ。


「西垣。 今日のお昼は何時もの場所で取らないか?」

「え? ええ。 ・・・積和君どうかされたんですか?」


 物々しい雰囲気の俺にフィーナは違和感を覚えている。 だが今はそれ以上の事は考えていない。 決行するのは、この昼なのだから。


 授業を受けている間に昼休みに入る。 今回の授業の内容は正直頭半分も入ってないだろう。 だがそれくらいには想いを伝えなければならない覚悟があった。


「どうしたんですか積和君。 顔色があまり優れないようですが?」


 心配してくれている事になんとも言えない気持ちになりつつも、俺は自分の中で早く決着を付けようとフィーナに向き直る。


「フィーナ。」

「え? どうして名ま」

「俺はな、最初はフィーナと喋るのはほとぼりが冷めてからにしようと思ってたんだ。 でもそんな俺にそっちから近付いてきて、それからは色んな場所にも行った。 去年までの自分だったら絶対にやらないようなことまでした。 それもこれもフィーナと一緒にいたからなんだろう。」


 くそっ! 言い訳を探すな! 時間を引き延ばすな! 言え! 本当に言うべき事は決まっているだろ!


「フィーナ。 俺は・・・俺は、フィーナの事が好きだ。 友達としてじゃない、1人の異性として好きなんだ。」


 言い切った。 ハッキリと。 ずっと言い出せなかった気持ちを。

 一方的に話したせいでフィーナのことを見ていなかった。 どんな顔をしているだろう。 見ればフィーナは目に涙を溜めて口を両手で押さえていた。


「嬉しい・・・です。 何度も伝えた、言葉が、ようやく、伝わった事が。」


 その言葉に俺はフィーナ自身からは何度もアプローチをされているのに、結局は自分が見た夢に囚われて、俺自身が向き合わなかっただけだったようだ。


「ですが積和君。 私にはもう1つ、終わらせなければいけない事があります。」

「え?」


 そう言ってフィーナは頭を落とす。 そして顔を上げれば


「よう。 こんな形で出られるとは正直驚いたぜ。」


 いつの間にかエムゼに変わっていた。


「エムゼ!? まさかさっきの告白で?」

「半分は正解だな。 だが今回はそう言うわけでも無さそうだぜ? そうだろ?」


 そう言ってエムゼは手鏡を出して自分を映す。 すると


『そうですね。 私達はこうして分かり合わなければならないのだから。』


 鏡の向こうの()()()()がこちらに喋りかけてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ