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打ち明けた解放感

 俺はフィーナに対して自分の安寧のために動いていた。 それは1人の女子として見ていたわけではない。 そこにその感情は邪魔だった。

 だが俺だって思春期真っ盛りの男子高校生。 美少女と常にいることを嬉しいと思うし、ドキドキだってある。


「分かってるさ! この気持ちが恋なんだって! 西垣の姿に心射たれてるんだって!」

「ならば隠すことはない筈だろう!? 汝の気持ちは誰も代弁してくれないのだぞ!?」

「人にさらけ出す程の気持ちが整理出来てねぇんだよ! 分かるだろ!? 相手は類を見ない美少女なんだぞ!?」

「そんなことで引き下がる汝では無かっただろう!? 自分の気持ちを言い当てられた今! 今の関係を壊したくないと目を瞑ろうとしているのだ! ヘタレと言われても文句は言えまい!」


 その言葉に俺はさらに気持ちが高ぶる。


「・・・まさかお前から言われるとは思ってなかったよ。 いや、理解しているからこそ黙ってたんだろ!?」


 俺は芦原の胸ぐらを掴む。 殴ったりする事はしない。 そう言ったのは苦手だし、やる意味もない。 こうして誰も来ないような場所にしたのも、案外芦原の思った通りなのだろう。


「ああそうさ! 友達のままで終われるならそれで良かった! でも俺と西垣は異性だ! 男子と女子だ! 近くにいれば想いが変わるのは時間の問題でもあった! だからこそ崩れるのが嫌なんだよ!」


 息も切れ切れに俺は喋った。 恋愛漫画だって一気に進展する訳じゃない。 だが壊れる方が怖いのは誰だって同じ筈だ。


「なら、然るべき行動は1つしかなかろうて。 賢い汝なら、分かる筈だ。」

「・・・お前に諭されるとはな。 いや、お前だから諭って欲しかったのかもな。」


 そう言った後に俺は芦原を離しておもいっきり腰かけて、水筒のお茶を飲み干した。


「はぁ、喋った喋った。 ずっと1人で抱え込んでいたからなぁ。 まあ今の状態なら問題はないのかもしれないがな。」

「ふむ。 今の言い回し。 告白に対するものではないな? 違う意味合いに取れるが?」


 本音と共にそんな言葉を口にしたせいで、芦原が疑問に思ってしまったようだ。 だがここまできたなら芦原には説明してもいいかとも思えた。


「芦原、ここからの話は冗談半分、いや、戯言だと思いながら聞いてくれ。 俺が単純に西垣をクラスメイトととして見れなかった理由についてだ。」


 そう言って俺は芦原に入学前に見た夢の話をした。 ほんの僅かな時間の夢だが、フィーナが何かに取り憑かれて、全てを破壊するかのような衝動があったこと。 確実に起きる可能性があると夢の中で神様に言われたこと。 そして今のフィーナはもう一人の人格があり、今は対話をしようとしていること。 俺の拙い語彙力を最大限駆使して話した。


「・・・そんなことが。」

「まあ信じてもらえなくてもいいんだ。 今の俺ははけ口を探していただけだしな。」

「いいだろう。 我も協力しよう。」

「・・・それはどっちの意味でだ?」


 とにかく自分の中に溜めていたものを吐き出したのは心が晴れやかになった気分だ。 そんな昼休みを過ごした俺達だった。

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