俺だって本当は
「積和君。 少し相談に乗ってくれませんか?」
登校してきていきなりそんなことを言われる。 フィーナが悩んでいるのも珍しいことで、その表情は真剣なものだった。
「俺でよければでいいんだけど。 相談って?」
「実は昨日・・・告白を受けてしまって・・・」
吐きそうになった唾を飲み込んで、俺はフィーナに向き直る。
「・・・それで、どうしたんだ?」
「返事は・・・お断りしました。 相手の事も知らないので、そんなことを言われても困ってしまうので。」
その回答に安堵している自分がいた。 まさか昨日のあれがその告白だとは思わないだろ。 しかしそう言った話や話題は聞かなかったので、てっきり無くなったのかと思っていたが。
「それでも最近はまた多くなってきているように感じるんです。 それこそ前回断ったのに、また来る人とかも現れる始末で。」
「そいつすげぇな。 諦めない根性は認めたいものだ。」
しかしその事でフィーナが困っているのも事実ではある。 あるのだが、現状では俺にはどうすることも出来ない。 相談に乗ると言っておきながら、打開策が見当たらないのだ。
「まあでも西垣が「いいな」って思う人が見つかるまで続くかもな。 ああいったのっていないと分かってるから来るわけだし。」
「そうですよね。 断り方を考えないといけないかもしれません。」
「断り方にバリエーションを持たせなくても良くないか?」
結論上は先延ばしになってしまったが、それ以上の打開策もない。 フィーナには申し訳ないが、我慢してもらうしかないと、そう考えてしまっていた。
「それで相棒はどうするつもりだ?」
昼休み。 何時ものようにフィーナと昼食を取ろうとしたら、芦原が俺のところにやってきて、共に過ごしたいと言うことで一緒にいるのだが、弁当を食べ終えたところで芦原からそんな事を聞かれた。
「どうするってなにが。」
「このまま女神の悩みを放置するつもりか?」
「・・・聞いてたのかよ。」
聞き耳立ててたのなら相談に一緒に乗ってほしかった。 まあ完全に放置するのも後味は悪いよな。
「そうだな。 だけど結局どうするかは西垣次第」
「そのような話をしているのではないぞ相棒。」
会話を遮るように芦原が言葉を綴る。
「汝は本当にそれで解決へと導けると思っているのか?」
「・・・どういう意味だ。」
「女神は相棒からの言葉を待っている、と言ってるのだが?」
その言葉に俺はむせる。
「げほっ・・・はぁ!? まさか、そんなわけ無いだろ?」
「ほう? 汝の女神に対する想いはその程度ということか?」
「・・・なんか今カチンときたな? 俺の西垣に対する想いがその程度だあ? 冗談言うんじゃねぇよ!」
「では聞かせてみせろ! その秘めたる気持ちを! 我を納得させてみせろ!」
「ああ言ってやるよ! 俺だってなぁ! 何時からかは知らねぇがな! 好きになっちまったんだよ! 西垣の事を!」




