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秋から冬へ

『朝の天気予報、本日も快晴に見舞われますが、気温の方は上がらず、冬の季節に近付く事でしょう。 お出掛けの際には暖かい服装でお過ごしください。 続いては最新の・・・』


 ぼぅっとしながら見ていたニュースの天気予報で、また一段と寒くなることを確認した俺は、玄関を出る前に自分の服装を改めてみて、部屋から学校支給のコートを羽織り学校家を出た。


 外に出れば確かに肌寒いなんてレベルではなかった。 吐いた息が白くなっており、一層の寒さを実感させられる。


「今年ももうそろそろ終わりなのだろうかねぇ。」


 まだ本格的な冬には早いのかもしれないが、時期的にも色々と寒くなってくることだろう。


 それは学校に着いた時にも同じことを思う。 俺と同じ様にコートを羽織っている生徒がチラホラと見えたからだ。 彼らも寒いから着ているのか、それとも数少ないおしゃれだから着ているのか、俺には分からない。

 そして教室につくと微妙に室内が暖かい。 しかし暖房が付いているわけではない。 そもそもこの教室には扇風機はあれどクーラーがない。 つまりストーブもないのだ。


 では何故暖かいのか。 教室全体が熱気に包まれているからに他ならない。 それだけでも十分ではあるが。


「おはようございます。 積和君。」


 そしてそんな風に教室で過ごしていると、フィーナが挨拶をしてきた。 


 その姿は完全防護と言わんくらいに身体をガチガチに暖めていた。


「おはよう。 ・・・流石に教室では暑いだろ。」

「そうですね。 ちょっと汗ばんできちゃいました。」


 そう言ってフィーナは纏っていた衣を脱ぎ始める。 そしていつもの制服スタイルになる。


「昨日は大丈夫だったか?」

「お陰さまで。 でも積和君が来てくれた後の事、実はあまり覚えていなくて・・・」

「・・・熱にうなされてたんじゃないか?」


 完全に病み上がりだったことを再認識する。 そしてあの時口走った事は覚えていないらしい。


「でもエムゼとの話は本当だったんですよ?」

「・・・今後エムゼと話し合うんだよな?」


 そこだけが重要だった。 恐らくだがフィーナとエムゼは深層心理の中であったことになる。 そしてフィーナがエムゼの事を完全に認知したともなれば、二重人格の解決にも向けられる。


「そう、ですね。 今まで見なかったもう一人の人格。 でももうこれ以上は見ない振りは出来ません。 彼女のお陰で助けられた部分もあります。 対話はしていきます。」


 そう決意するフィーナは、その後に俺の方に目を向ける。


「その時は積和君も一緒にいてください。 その方が、安心します。」


 こうなった原因は元々俺にある。 ならば最後まで見届けるのが使命と言うものだろう。


「分かった。 その時はよろしく頼むぜ西垣。」


 そう言うとフィーナは首をかしげた。


「どうした?」

「名前では呼んでくれないのですか?」

「・・・流石に学校ではまだ、な。」


 フィーナも俺の事を「積和君」と言ったままだったので、流石に平等ではないだろうと思いながら発しただけだ。


 窓の外を見れば寒そうな風が枯れ葉を連れていく光景が見えた。

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