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お見舞いと両親と

 現れた女性は一言で言えばフィーナを大人にしたかのような風貌をしていた。 銀髪も母親の遺伝だと考えれば納得もいく。 そして向こうもこちらも複雑な心境になっていた。 というか聞いたこと無い言語で喋られたのでどう返せばいいか分からなくなっていた。


『ナンシー? 誰が来たんだい?』


 後ろから聞き慣れた男性の声が聞こえてきた。 どうやら友康さんも家で看病していたようだ。 そうして俺の方を見る。


「おや、積和君じゃないか。 あ、もしかしてフィーのお見舞いかい?」


 流石に友康さんは俺の事は分かるので、そのまま会話をしてくれる。


「そんなところです。 ここの場所は友人から聞きました。」

「なるほど。」


 そう説明してフィーナの母親、ナンシーと呼ばれた人物に声をかける。


『ナンシー。 彼はフィーのボーイフレンドだよ。 フィーのお見舞いに来てくれたようなんだ。』


 うお。 あっちも異国語。 恐らくは向こうの国の言葉なのだろう。 全く聞き取れん。 というよりも意味が分からん。

『ボーイフレンド・・・』


 友康さんからの説明を受けたナンシーさんは俺の方を鋭い目でじっと見てくる。 その目付きはフィーナが怒った、というよりはエムゼになった時の目付きに近い。 あとはちょっとした威圧感、というものだろう。


『・・・ここに来たばかりだったら疑ってたけど、フィーナが選んだ子だものね。 無下にはしないわ。』


 認められたのか、それとも保留されただけなのか。 どっち道こちらの方は簡単には納得していないように感じた。 もしかしから娘を思う気持ちは母親の方が上かもしれない。


「ハジメ、マシテ。 西垣 ニアーシルトデス。」


 片言の日本語。 日本語はまだ難しいのかもしれない。


「積和 数馬です。 フィ・・・西垣さんとはクラスメイトになります。 はい。」


 危うく名前を呼び掛けて訂正する。 流石に名前で呼ばれてるのには疑問に思うだろう。 決まったのも昨日の事だし。


「お見舞いに来たのなら上がってくれ。 フィーも君なら追い返したりはしないだろう。」


 そう言われて玄関に上がらせて貰った。


 そしてふとある疑問が浮かび上がってきた。


「・・・ん? ニアーシルト・・・さん? でもさっきナンシーって・・・」


 そう、友康さんからは「ナンシー」と呼ばれていた筈だ。 呼称にするにしても若干遠いような・・・?


「あぁ。 それは私が彼女の名前を発音出来なかったからだよ。 「ニャーシルト」と呼んでいたから、彼女が「それならせめてナンシーにして」って事でそう呼んでるだけなんだ。」

『あなたがそこまで発音が出来ないなんて思わなかったのよ。 これでも呼び方には妥協したのだから。』

『すまないとは思っているさ。 でも猫っぽいから止めてとも言ってたじゃないか。』

『猫ほど優雅で可愛くないのは、私が自覚してるからよ。』

「あのー・・・」


 痴話喧嘩が始まりそうだったので横やりを入れる。


「ああ、すまない。 フィーは2階の自室にいる。 私も出向こう。」


 そう言って友康さんと部屋に向かう。 ナンシーさんからずっと見られていたが、嫌悪感から来るものでは無さそうだった。


 そして部屋の前に着けば、友康さんがノックをする。


「フィー。 今は大丈夫かい?」

『はい。 どうしました?』

「積和君がお見舞いに来てくれているよ。」

『え!? えっと・・・ちょ、ちょっと待ってください!』


 そう言って中で慌ただしい動きをしているような音が聞こえてくる。 そして扉が開かれた。


「えっと、どうぞ。」


 まだ病み上がりそうなのにあんなに動いて大丈夫だったのか? そんな疑問をしつつ、部屋へと入っていった。、

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