表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/223

西垣の放課後

 それから特に囲まれることもなく授業を終えたので、まだ部活動に入っていない俺達新入生はこのまま帰ることになる。 そろそろ部活動紹介でも始まるかなと思いながら帰る準備をしていると、とある場所にクラスメイトの一部が集まっていた。 まあ十中八九西垣の席なのであるが。


 遠目から見ているのでなんの内容を話しているのかは分からないが、西垣の困った表情や謝っている様子を見ている限り、どうやらお誘いを断っている様子だった。 だが周りから人が去っていく様子は少ない。


「諦めが悪いよなぁ。 無理だって言ってるんだから、強要なんか出来ないのに。」

「アフロディーテに約束を取り付けようと必死なようだ。 彼女も夕方(アフタヌーン)予定(スケジュール)に間に合わなくなると言っているようだがな。」


 西垣の席のやり取りを見ていると、同じ様に芦原がこちらに話し掛けてきた。


「聞こえるのか? この距離からあの会話の内容が。」

地獄耳(ヘルイヤー)と喚ばれたものよ。 我が力としては少々持て余すがな。 聞かれたくない話しなどいくらでもあるだろう?」


 確かに聞きたくないことまで聞こえてしまうと考えれば、微妙な所だよな。


 そんな感じで眺めていると、西垣が鞄を持って動いた。 どうやら自分から動いた方がいいと判断したらしい。 そうして教室を出ていく西垣の姿をみんなして見ていた。


「俺達も帰るか。 昼のお礼になんか奢るぜ?」

相棒(バディ)からの贈り物(プレゼント)か。 是非とも貰っておこう。」

「いや、本当に軽いものだぜ? 飲み物か食い物か。」


 そう言いながら俺と芦原も教室を出ていく。 そして適当に芦原に奢った後 (コンビニで棒アイスを買った)、俺は家にサントラがあるのでそれを貸すと約束し、家に戻ることにした。


 帰り道で信号待ちしていると、西垣の姿が遠くから見えてきた。 そこそこ大きめの袋を担いでいるので、恐らくあれがその用事に使うものなのだろう。


 こちらの信号が青になったので、西垣と鉢合わせすることになる。 西垣を見ている限りでは急いでいる様子はないので、少しくらいならと声をかけることにした。


「や、西垣さん。」

「・・・積和君? この時間にお帰りですか?」

「まあね。 家は近いの?」

「ええ。 近くではありますよ。」

「これから習い事?」

「そのようなものです。 あ、それではこれで。」


 西垣が向かう方の信号が青になったので、西垣はそのまま向かっていった。 なんの習い事かは気になったが、まだそう簡単には教えてくれないだろう。 そう思いながら俺は再び家に向かうことにして、今日を終えることにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ