2回目の遊園地
『積和君。 明日遊園地に行きましょう。』
今日が終わりかけて寝ようかと思っていた矢先、西垣からそんなメッセージがとんできた。
「ここで断るのも違うよな。」
そう思い待ち合わせ時間を軽く聞いてから眠ることにした。
そして翌日、遊園地に行くために最寄りの駅で待ち合わせすることになり、少し早めに待機していた。 とはいえ流石に月曜日ということもあってか人通りはまばら寄りである。
「そもそもこんな時間に行くんだもんな。 普通ならもう学校とか会社とかは始まってるものだもんな。」
実際何時もの時間に起きているのだが、俺と姉さんは休みで父さん達と一緒の時間に出ることがないことに違和感を感じていた。
「これも文化祭のお陰かね? お陰っていうとちょっとあれかもだが。」
「お待たせ致しました。」
そんな考えに更けていると西垣が到着する。 お出掛けだからかお洒落をしているのが分かる。 なにがどうと言われると、俺の語彙力では説明できない。 出来ないがとにかく綺麗だと言う事だけは見て取れた。
「待ってないぜ。 今日はいつになく服装に気合い入れてるようだけど?」
「夏の日以来積和君とは一緒にお出かけしていませんでしたから、ちょっとだけ張り切っちゃいました。」
そこまでしてくれるのは嬉しく思う。 そんな風に考えてしまった俺は、気持ちを悟られる前に、切符を買いに行った。
「平日の、しかも月曜日なだけあって他のお客は少ないな。」
ある意味では予想通りの状況ではあったので、驚きよりも安堵がやってくる。
「まあ学校だったり会社だったりするから、こうなるのは当然か。」
「それではここにいる人達はどういう人達なのでしょうか? 子連れの方以外にも見えるのですが。」
「西垣。 それを考えるのは野暮って奴だと、俺は思うんだよな。」
遠い目をするが、正直に言えば俺も同じ感想だったのは黙っておく。
「そう言えば積和君は遊園地は誰かと来た事はありますか?」
「家族と昔に数回くらいかもな。 あとは・・・無いかもしれないな。」
本当は帆山の事があったが、言わない方がいいだろう。 前回の事もあるし。
「そうですか。 ・・・ふふっ。 私が積和君との遊園地のお出掛けで家族以外では初めてになるのですね。」
やっぱり言わなくて良かったな。 ここで機嫌を損ねては不利益極まりないからな。 エムゼは西垣の内側で笑ってるか呆れてるかしてるだろうな。 今日はトラブルなく終わりたいところだ。 そう言う意味ではこの人の少なさは逆にありがたい。
「・・・お、開園したみたいだな。」
「そのようですね。 行きましょうか。」
そう言って俺達は進み始める。 前回よりも人は少ないだけに入るのも早かった。 さてさて帆山とは違った楽しみ方が出来るかな。




