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夜は焔と共に

グラウンドには今までどこにいたのかと言わんばかりに生徒や先生が集まっていた。 即席なのか前から用意されていたのか分からないか、真ん中に設置されているキャンプファイアの灯火は煌々と夜空を照らしていた。

「綺麗なものだなぁ。」

「ええ、本当に。」

俺も西垣もそんな他愛の無い感想を述べながら、キャンプファイアを眺めていた。

「我々の努力の結晶達がゴミ行き(ダストシュート)されるのではなく、ああして闇夜を照らす篝火になるとは。 流石は我が校の生徒会長。 資源を有効活用した素晴らしい案である。」

後ろから芦原がやってきて、今の状況の感想を言う。 その手にはとん汁があった。

「ちっとばかし火の粉が舞いすぎな気もするけどな。 ところでそれって支給されてたものか?」

「うむ。 寒い夜(ゴールドナイト)にはこう言ったものが身体に染みる。 まだ配っているので貰ってくるが良い。」

確かにキャンプファイアがあるとは言え手元に無ければ寒いだけだ。 折角だからと貰いに行くことにした。

「お、お二人さんも貰いに来た口ですかな?」

配給先に行けば、そこには引間の姿があった。

「そんなところだ。 そっちはどうだったよ。」

「ぼちぼちって感じ。 楽しかったけどねん。」

そうして俺達3人でとん汁を貰い、先ほどの場所まで戻る。 まだ芦原がいるようで良かった。

「あ、先に食べちゃってたの? ブーブー。 みんなを待っていれば良かったのに。」

「早い者勝ちとまではいかないが、早い方がホットなものが食べられるのでな。」

「キャンプファイアの方はなにか変化はありましたか?」

「これと言っては無いが、少々火が強すぎるのではないかと、先生(ティーチャー)達が不安がっていたな。」

本当に大丈夫なのかよそれ。 そんな思いを馳せながら俺は貰ったとん汁を飲む。 まだ熱くて火傷しそうになるが、それでも冷え始めた夜には持ってこいだ。

「キャンプファイアにとん汁って、違和感無いかにゃん?」

「それは時期的なものだから諦めて貰って。 でもなんかこれで終わりとは思えないと言えば思えないよな。」

そんな気持ちを汲み取られたのか知らないが、再び校内放送が流れ始める。

『キャンプファイアは楽しめているかな? ここからはフォークダンスを開催する。 音楽はこちらから流すので、思うがままに踊ってくれたまえ。』

そう言ってフォークダンスの定番の曲が流れ始めた。 キャンプファイアの近くにいた人たちはその流れに乗っかって手を取り合いながらぎこちなく踊っていた。

「まあ、定番と言えば定番だよねん。」

「そうなんだろうな。 俺はこのままでも」

「あ! いた! 数馬!」

大声で名前を呼ばれたのに気が付けば、そこには帆山がいた。 西垣の表情が若干曇るのが見えた。

「帆山? どうし・・・」

「折角だから踊ろうぜ! こっちこいよ!」

そう言って俺の手を強引に引っ張られ、そのままの流れで中央に進んでいってしまった。 後ろで若干怒り気味の西垣が俺の背中を凍らせていた。

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