夜の催し
それから(怖いくらいに)なにかが起こるわけでもなく、西垣と文化祭を見て回り、何だかんだと終了時間へとなっていった。
「楽しかったですね積和君。 特にあの劇は迫力が凄かったです。」
体育館で行われていた演劇部の劇を見て、西垣も満足していた。 音源に関しては多少見させてもらっていたが、劇そのものを見ていたわけではないため、こちらも真剣に見ることが出来た。 ネタを知っていなくて本当に良かったと思う。
「ところで積和君のご両親は・・・」
「多分帰ったよ。 こう言った空気は案外馴染まないらしいんだ。」
両親らしいと言えば両親らしい行動だと俺としては思うが、自分達の子供の活躍くらいもう少し見ていけばいいのにとも思ったりもする。
「この後は片付けですね。」
「振替休日が明ければ普通の学校生活に戻るからな。」
あまり現実的な事を言うのは野暮なのだろうが、切り替えと言うものは大事である。
「それにしてもこれだけの数の紙や段ボールを使用していたのですね。」
「仕切りとか飾り付け用とかでいっぱい使ったからなぁ。 こんなに集めたことに逆に驚きを隠せてなかったり。」
俺達は段ボールなどを集めてゴミを捨てに行くために廊下に出る。 クラスメイトみんなで片付けをしているのに、捨てる場所が無くなる勢いになっている。 ゴミを捨てているのがうちのクラスだけではないので、当たり前と言えば当たり前だが。
「む。 丁度いいところにいたな。」
たまたま目の前を通った姉さんが俺達に声をかけた。
「姉さん。 丁度いいってなにさ。」
「今回使った可燃ゴミになるものはグラウンドの真ん中に集めてくれ。 それを燃やしてキャンプファイアをしようと思ってな。」
「学校側の許可は?」
「当然取っている。 心配せずとも火元の処理措置もしっかりしている。」
そう言うことならそれに従おう。 歩いていこうとした時にふと思ったことを聞いてみた。
「母さん達とは会えた?」
「ああ。 わざわざ生徒会室に足を運んできたようだ。 元気な姿を見れて良かったと言っていたよ。」
「まぁ、頑張ってる姿を見れたんだからいいんじゃない?」
そう言ってから俺達は校庭に向かう。 そうすると既に校庭には色んな生徒が自分達が使っていたであろう燃やせそうなゴミを中央の木の囲いの中に入れていた。
「あれがキャンプファイアの設置場所ですかね。」
「それ以外に無いと思うけどね。 というかあれ中身入るのか?」
そう思いながら見渡せば少し離れたところにゴミ入れがあった。 あれも多分キャンプファイアに使うものなのだろう。 そこに俺達は入れていく。
そして戻れば教室はすっかり元に戻っていた。
「ピンポンパンポン」
すると校内放送が鳴り始める。
『生徒及び教員の皆様。 2日間に及ぶ文化祭の催しにご協力感謝する。 この後は校庭にてキャンプファイア並びに地元の方の協力のもと食事が用意される。 参加は自由だ。 是非とも夜まで楽しんでくれたまえ。』
生徒会長の放送が終わり、クラスメイトはあちらこちらでどうするか相談している。 すぐに出るものもいたのでそのまま直行したのだろう。
「俺達も行ってみるか。」
「そうですね。 キャンプファイア、楽しみです。」
俺と西垣も教室を出たのだった。




