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あるとは思ってた

 家族とも別れ、俺も西垣も気が楽になったので、今度は校舎を出て外での出し物を確認する。 そこには多くの露店があり、あちらこちらから様々な料理の匂いが漂っていた。


「そういや昨日はまともに食べてなかったな。」


 帆山と回った都合上あまり露店の方には出向いていなかったのを思いだし、なにが並んでいるのか見てみると、やはりそこは定番中の定番の品物が並んでいた。


 きゅるる~


 今は丁度お昼時、腹の虫も鳴っている。 ここいらで買っておくのが通例だろう。


「西垣、なにか食べたいものは・・・」


 そう言いながら横を見れば、ところ狭しと並んでる露店の品定めをしている西垣の姿があった。 目がなんかキラキラしてるようにも見えなくもない。


「・・・はっ!?」


 自分の行動に気が付いたようで羞恥で赤くなった顔を隠した手からチラリとこちらを伺う様子が見えた。 そんな様子に俺は笑いを堪えて言った。


「別にいいじゃねぇの? 折角のお祭りなんだから、はしゃいでも誰も文句言わねぇって。 むしろそう言う風に見て貰える方がお店出してる人も嬉しいんじゃね?」


 なるべく西垣の行動がおかしくないように言い回ししたつもりだが、効果があるのかは分からない。


「はしたないと思われてないかと・・・」

「思わない思わない。 そんなことで俺が幻滅すると思ってるのかよ。」


 本心である。 西垣の中では「淑女」でありたいようだが、俺からしてみれば「年相応」でもいいと思ってる。 子供っぽいとまではいかないが。


「なにから食べるよ? あんまり遅いと買えなくなるぜ?」

「それならあれにいきませんか?」


 そう言われて西垣の後に続く事になった。


 悩みに悩んで選んできたのはチュロスだった。 隣でチュロス(シュガー味)を齧りながら西垣に聞いた。


「本当にこれで良かったのか? もっと色々とあっただろうに。」

「今はこれでいいんです。 文化祭はまだ終わりませんから。」


 そう言いながら西垣はチュロス(シナモン味)を細かく齧っていた。 西垣が

 それでいいならと思いながら歩いていれば、他校の生徒っぽい集団が前から歩いてくる。 丁度校舎に向かう為の脇道があったので、そちらに西垣を連れて反れる。 3、4人はいたが横並びになって歩いているので、邪魔にならないかと考えながら進もうとしたら、


「ねぇねぇ。 君ここの学校の娘?」


 声をかけられたような気がして西垣と後ろに振り返れば、先程の生徒がいた。


「うはっ! 銀髪だからもしかしてと思ったけど、やっぱりハーフだよハーフ!」

「マジだ! 初めて見たかもしれない!」


 そう叫び散らかす目の前の男子生徒。 これから起きることにいい予感はしない。 というか言いたいことは分かるだけに自分でも「まただよ」と思ってしまう。


「ねぇねぇ。 ちょっとこの学校案内してよ。 どこになにがあるか迷っちゃってさぁ。」

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